| しかし、最後の高校生活はまだ1週間しか経っていないけど、賑やかで一番インパクトがあるかもしれない... そんなことを思いながら階段を降りる。 「やば...」 ポツリと呟いて階段で蹲る。 体を冷やしすぎたのかもしれない。ちょっと眩暈を起こしてしまった。 「あ?おーい。大丈夫か??」 声を掛けられて見上げる。少し長めの自分の前髪で見づらいがこれまたクラスメイト、草薙一だ。 「保健室に行くか?次の授業何だ??」 「...クラスメイト」 何とかその一言を返した。 「え?そうだっけ。俺、今年のクラスメイトは全員覚えたつもりだったんだけど...」 彼は困った表情をしている。 「つい1週間前から」 そう返すと安心したように「じゃあ、まだ覚えてないな」と呟いた。 いや、自分しかいないから逆に覚えやすくない...? まだツッコミができる。うん、大丈夫。 そう思ってると「あー!」と悟郎の声が聞こえた。 「おー、悟郎。どこに行ってたんだよ」 「ハジメ!ちゃんに何したの?!」 問い詰めるような強い口調で悟郎が言う。 言われた一は目を丸くしている。 は内心慌てて悟郎のスカートの裾を引っ張り「眩暈起こしてるだけ」と訴えた。 「ホント?じゃあ、ハジメ。ちゃんを保健室に運んであげてよ」 「おー、良いぜ」 軽く請け負った一がひょいとを抱え上げる。女子の中では背の高いをこんなにも軽く抱え上げる一には驚いた。 「え、いいよ」と暴れようとしたが、体に力が入らない。 あと5分くらいじっとしていたら回復するはずなのだから、としては大丈夫なのだ。 「ま、クラスメイトなんだろう?それに、えーと...」 一は何故か言葉に詰まった。 「」 と自己紹介してみる。 「そっか。の体調が悪かったら先生も心配するだろう?」 そう言いながら一が足を進める。 このクラスの担任は非常に変わっていると思う。 高校3年の最初の年、2学期以降クラス担任からまったく連絡が無かった。 昨年のクラス担任は、1学期全く連絡なく、再入院した3学期も音沙汰が無かった。 まあ、学校にこないということが分かっているのだからそういうものなのだろうと思ってた。 それなのに、今年の担任と来たら、4月から顔を見せて2週間に1度の頻度で病院にやって来てはクラスの話をしてくれた。 だから、1週間前に登校した時も誰が誰だというのが何となく分かったのだ。 まあ、もともとの知り合いの真壁がクラスメイトであったことも、クラスに馴染むの要素になったと、一応認めてみるが... の家は真壁・成宮に並んで経済界のトップに名を馳せている。 ただ、彼女の家は真壁と成宮と比べて歴史が浅い。要は、『成金』と表現される家だったりする。 起業したのは曽祖父らしいがそのときにはかなり手を汚して大きくしたらしいと祖父から聞いたことがある。 まあ、今はそんなことをしていないと親が言っているのでそれを信じている。 そして、家の関係で何度か真壁と顔を合わせたことがある。 なので、1週間前に登校したときに真壁は目を丸くして「何故貴様がここにいる!」と指差してきた。 ま、今まで顔を合わせるたびに年下の彼をからかいまくっていたのであまり好意的な感情を抱かれていない。 反応が一々返ってくるのが楽しかったのだから仕方ない。 まあ、その理由で成宮の坊やもからかいまくったが、彼の場合年が離れていので、過ぎたからかいはいじめているように見える気がして手加減しているので真壁ほど嫌われていない。 ...と、思う。 保健室まで連れてきてもらい、運んでくれた一と、ついてきてくれた悟郎にお礼を言って保健室のベッドまで歩いていった。 ちょっと調子が良いと思ってたのにな... 布団を被って口の中でそう呟いた。 |
桜風
11.9.18
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