| クラスXは、全員が大学受験した。 勿論、を除いて。 中途退学なら進学率に響かないので受験をしなくても良い。いや、そもそも受験をしても卒業出来ないので意味がないのだ。 皆がそれぞれ手ごたえを感じている中、センター試験で数教科満点を取った生徒がクラスXで出たという噂が流れた。 斑目瑞希。 能ある鷹は何とやら... 頬杖をつきながら、は自分の頭の上を飛び交うそんな噂を聞いていた。 クラスXにはB6と呼ばれる生徒がいる。 真壁翼、草薙一、七瀬瞬、風門寺悟郎、仙道清春、そして、今回噂に上っている斑目瑞希。 彼ら6人は『B6』と呼ばれており、『B6』の『B』はどうやら『BAKA』の『B』らしい。 なので、そのB6のひとりである斑目瑞希が満点を取ればそれ即ちカンニングと言う結論になるとのこと。 学校側が作るテストならともかく、そうではない、全国共通のテストでそれは難しいだろう。 物凄く勘が良くて満点が取れたという説は出ないのだろうか。たしか、センター試験は択一問題のマークシート方式ではなかったか? そんなことを思っていたら、ふと、斑目瑞希と目が合った。 それは一瞬で彼は視線を外す。たぶん、人とかかわりを持つのが好きではないのだ。 そんな雰囲気を醸し出している。 このクラスは問題児の集まり。 それは間違いないかもしれないが、ただ、個性が強すぎる生徒が集まっただけなのではないかと思う。 『学校』という規格に当てはまらない、けれども何かしらの得意分野があり、それに関してはぬきんでている。 きっとただそれだけなのだ。 B6のひとりである仙道清春。 彼は決して馬鹿ではない。...たぶん。 きっと興味のあるものにしか情熱を注がないだけだ。 実際、彼のライフワークである『悪戯』に関しての情熱は半端ない。 実は先日、裏庭を歩いていると一生懸命穴を掘っている彼を見かけた。 「何見てンだよ」と言われたが、興味を持ってその穴を覗いてみた。 かなり深い。 「ひとりで掘ってるの?」 聞いてみると「あー...まァなー」と返された。 「かなり深いね...」 「これくらい深くなきゃ面白くねェんだよ」 なるほど、悪戯..落とし穴も奥が深い。 「これくらい深けりゃ、バカナナのヤツも出てくるのに手こずるダローし、その様子をこのオレ様がバッチリ録画してネットに流してやるんだ。キシシシシ」 と性質の悪いことを嬉々として語ってくれた。 「『バカナナ』って誰?」 「ああ?あー、オメェはわかんねェかもな。七瀬瞬。クラスにいるだろう?」 ああ、あのB6のひとりか、とそのとき納得した。 彼らの仲が悪いのはそのとき初めて知ったのだ。 「っつうか、オメェは授業サボっても良いのかよ」 「ん?ああ、どの道卒業がかかってないからね。今年で辞めるし」 「んじゃ、なァんで、3学期から出てきたンだよ」 不思議そうに清春が言う。 「これで3学期を体験して高校3年生を全て経験したことになるの」 の言葉に清春は眉間に皺を寄せて「酔狂だなァー」と零した。 「自分でもそう思う」とが笑うと「ケッ」と詰まらなさそうに言葉を零していた。 「そーいやー。カベのやつとは知り合いだったのか?」 「カベ...あ、真壁ね。うん。真壁とは..お互い幼稚園くらいのときから顔を合わせてる。永田はあのときから永田だったわ...」 あの人はホント昔から変わんない。バケモノだなー... 「マジでか?!あの人ホントわっかんねぇなァ...」 清春も驚いたように反応する。 「じゃあ、お邪魔しました」 そう言うと「おう。ナナには言うんじゃねェぞ」と釘を刺され、は手をヒラヒラさせて了承の意思を見せてその場を離れた。 翌日、清春が瞬に追いかけられている様子を目にしたは「ああ、落ちたんだ...」と納得したのだった。 |
桜風
11.10.16
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