School Life 8





生徒会室に入ると役員全員が揃っていた。

会長の方丈慧。彼はHRで会っている。

そして、一緒にやってきたのが副会長の方丈那智。慧と同じクラスで双子である。

大抵、『きょうだい』と言うのは同じクラスにしないという配慮があるのだろうが、この学校のクラスの構造からいうとそれは気にしないようである。

気にしなくていいのか??

そして、小宮山珠紀は書記担当で同じく3年で彼女もクラスAなので既に顔を合わせている。

会計は2年の吾妻陽祐で、財テクマシンと言われているらしい。なんとも頼もしい..のだろう。

最後に庶務担当の川久保武留は1年だ。アフロヘアが気になるところだが、そこは追々聞いてみよう。

も挨拶をして、今年の生徒会執行部の顧問になったことを告げた。

当然、物凄く不審な視線を向けられる。

昔も今も生徒会というのは閉鎖的な空間の中で活動しており、そのくせ、何かと目立つ存在なので変に高いプライドと言うものがあるらしい。

「まあ、理事長がお決めになったと言うなら仕方ないですね。僕の邪魔だけはしないでいただきたい」

慧がそう言い放った。

おお〜、王様だ。

心の中で揶揄しながら「まあ、勉強させてもらうわ。なので、顔は覗かせてね」と当たり障りの無い返しをした。

『居丈高の人間は適当にあしらうべし』。

これはの信条であり、これまでそうしてきた。

だって、相手に反発しようとしたら疲れるだろうし、そこまでして築きあげたい人間関係に出会ったことはないから。

生徒会については小宮山が一通り説明してくれた。

これまた何となく面倒くさそうに。

仕事を増やして申し訳ないわね、とそこまで思っても居ないことを心の中で唱えて生徒会活動について頭に入れてその日は早々に退散した。


職員室に戻るとぐったりとした真奈美の姿がある。

「真奈美先生」

が声を掛けるとガバッと彼女が顔を上げた。

「どうだった?」とが聞くと「逃げられた...」としょぼんとする。

あの成宮と体力勝負しようとしている真奈美には恐れ入る。あれは体力的にはバケモノだろう。

先生はどこに行ってたの?」

「生徒会室。どうやら生徒会顧問になるみたいだから挨拶でもと思ってね」

肩を竦めるに「生徒会顧問なんてホントに凄いよね」と真奈美が呟く。

「3年の担任の方が断然凄いと思うよ」

苦笑して返すに真奈美は深い溜息をつく。

「正直、自信ない...」

しょんぼりして言う。

まあ、初日にして補習。そしてそれを逃げられたら自信なんてものはなくなる。それでなくとも、キャリアが無いのに3年の担任だ。

生徒に舐められかねない。

だが、そのクラス担任の話にしても理事長が口を出したと聞いた。

ちゃん!」

ずん、と体重がかかった。

「ゴロちゃん、重い...」

「ひっどーい!ちゃん、ゴロちゃん全然軽いよ!」

「じゃあ、具体的に数字を言ってよ」と言ってみたら口笛を吹き始める。

誤魔化し方が非常にベタな上に下手である。

「おい、」と居丈高に声をかけてきたのは翼だ。

「なに?」

「先ほどから悟郎がうるさかったんだが、再会を祝して食事にでも行かないか」

「そうそう、そだよ。センセちゃんも来るでしょ?」

以前の上に圧し掛かったままの悟郎が声を掛ける。

「え、でも...再会を祝してって...」

「そんなもん、名目名目!楽しく皆でご飯食べたいって話なんだからセンセちゃんも参加してよ」

悟郎の言葉に真奈美はを見る。「ゴロちゃん、本気重い」と文句を言っていただが、その視線を感じて「別に誰も文句言わないと思うよ」と頷く。

悟郎の言っていたとおり何となくご飯が食べたいだけなのだろうから。

「それに、ほら。1年目ってのは皆一緒だし」と更にがフォローを入れる。

「じゃあ、参加します。いいですか?」

に声をかけてきた翼を覗うように真奈美が言う。

「俺は別に構わん」

「成宮の捕獲方法、真壁に聞いたら多少参考にはなるかもよ」

笑いながらが言う。

「俺のことをファミリーネームで呼ぶな」

「今更」

笑いながらが返した。

確かに、今更である。

翼は苦い表情になり「永田、2人追加だ」と傍に控えていた秘書に声をかける。

「畏まりました、翼様」と恭しく一礼した永田は音も無く職員室を後にした。

「あの人の先祖って忍者だったって本当?」

が翼に声を掛けると「永田の場合は、大抵の嘘のような噂が何故か本当のように聞こえるから怖い」と漏らす。

確かに、あの人は得体が知れない...

年齢不詳の永田智也。

世界の七不思議に登録してもらいたい人物である。










桜風
11.12.18


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