| 付き合いの長さは翼と天十郎の間でも有効であったようで、翼が捕獲を手伝っているお陰で彼の補習はかなり進んだらしい。 「先生、ありがとう」 そういう真奈美をきょとんと見ると「草薙先生に聞いちゃった」と彼女が嬉しそうに言う。 ああ、そうかと納得。 しかも、聞くところによると一も真奈美を手伝って千聖を捕獲してくれているらしい。 「不破君って、体が大きいから大変なの」 「体が大きいって言えば、あの..嶺くんだっけ?彼も大変そうね」 「うーん、でも、ほら。4人が2人になったんだし」 そう言って苦笑する真奈美に「じゃあ、ゴロちゃんも手伝ってあげようか?」と偶々傍を通りかかった悟郎が申し出る。 「ミネミネの捕獲でしょう?面白そうだし、ゴロちゃんの時間のあるときなら手伝っても良いよ」 思わぬ申し出に真奈美は驚き、どう反応して良いのか分らずを見た。 「んじゃ、ゴロちゃんも協力者決定。あとは..多智花くんだっけ?あの子、出席日数もフォローしなきゃなんだね」 「タッチーは、シュンが適任だと思うけど」 「けど、七瀬って誰かを追いかけて駆けずり回るってのは苦手でしょう?」 「ゴロちゃんだってそういうのは苦手だよ。そういうのは、一とかキヨとか...ってそれを考えたらシュンも得意だね」 悟郎が一人納得している。 やがて、も思い出したように苦笑した。 分らないのは真奈美だけだった。 「ダイジョーブ、近々見られると思うよ」 パチンとウィンクをしていう悟郎にも苦笑した。 本当、落ち着きがないもんな... 数日後、悟郎が『ダイジョーブ』と請け負ったとおり、瞬が走り回っていた。しかも、人を追いかけて。 「あの、先生」 「うん、あたしも1度しか見たことないんだけどね」 そう言って笑った。 清春が仕掛けた悪戯に瞬がいつもの如くまんまと引っかかったらしい。 その怒りで彼は清春を追いかける。 「七瀬って足が遅いのに、意外と粘るのよねー...」 感心したようにがうんうんと頷きながら呟いた。 確かに、あのNBAプレイヤーの清春を諦めずに追いかけている。 追いかけられる清春は清春で楽しんでいるため、たまに足を止めて「オーイ、ナァナ。おっせーぞー」とからかっている。 そうやってからかわれるたびに「仙道コロス!」と瞬は叫んでいる。 結局、B6は真奈美の補習を手伝ってやることになった お陰で、実質補習時間が随分と増えた。 これまでは時間の半分以上が捕獲に使われていたのだ。それがB6の協力のお陰でこれまでの半分以下。 持つべきは、頼りになる先輩達である。 「あのさ、仙道」 放課後、成宮を追いかけている翼の姿を眺めていたがふと傍に居た清春に声をかけてきた。 「アー?なんだァ??」 「何で戻ってきたの?」 「戻ってきた。っつーと、俺様たちのコトかァ?」 「自分が此処に戻ってきた理由は知ってるからね。だから、B6」 「たまったまだ。たまったま、此処で全員が揃いも揃っちまったンだよ」 「...やっぱ、仙道は無理か」 ポツリと呟く。 「俺様が攻略できないってンだったら、誰だ?」 「順番、かな?」 元々清春に聞くつもりはなかった。最初からターゲットは一人。口を割らせるなら心置きなく、そして、付き合いが長い分の信頼を多少は感じている彼に決めていた。 今は、たまたま清春以外に誰も居なくて、もしかしたら教えてもらえるかもしれないって思ったのだ。 「ざァんねんだったな」 「そうね。で、さ。話は変わって。仙道って方丈弟をどう思う?」 「あー、あの副会長かァ?」 そう言って面白そうに笑った。 「マダマダだな。俺ッ様の足元にも及ばねェ。けど、見込みはある」 「...仙道に見込まれたらなんか、終わりのような気がする」 「ンなことはないぜェ。ま、まだまだ修行が必要だけどな」 何の修行だろう... あまり深く知りたくないと思いながらは「じゃ、職員室に帰るわ」と言ってその場を後にした。 |
桜風
12.2.5
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