| 彼らの目的地は紅州で、そこへと向かう。 劉輝が倒れていた山は紅州へ向かう道のりにはない場所だった。 よくもまあ、拾いに戻って来られたなぁ... は感心した。 そして、紅州に向かう途中に王の近衛全員と合流し、紅州に辿り着いた。 紅州には紅家の当主が戻ってきており、紅州の官吏は王を受け入れた。 つまり、紅州は王に着くと決めたのだ。 「こちらの方は?」 紅家当主がを見て言う。 「余の命の恩人のなのだ」 「男が雪に埋もれていたから、とりあえず脈を診ると生きていたので起こした。そうしたら、その男が王様だったと言うだけの話だ」 「そうですか。主上を助けてくださり、ありがとうございます」 劉輝共に来るように言ったと話すと紅家当主、紅邵可は一瞬言葉につまった。 これが普通の反応だ。 「まあ、心配なら情報から遠ざけて監視をつけておけば良いと思うが?」 自分のことなのに、他人事のようにいうにその場に居た全員が呆れたようだ。 「いえ。劉輝様は一応、人を見る目をお持ちなので。臣下としては王の判断に従うだけです。ただし、少し話を聞かせて頂く事になりますが、よろしいですか?」 邵可の言葉には頷いた。 夜になり、王を休ませた。 難しいこと、面倒くさいこと。沢山ある。 それに向き合わなくてはならないが、まずは体を休めて体調を整えることも大切だ。 そして、は呼び出された部屋に赴く。 「失礼する」 室に入ると邵可だけがいた。 「護衛は?」 「私一人で十分だからね」 と言った邵可の鋭い殺気が向けられた。 「それはそれは」とは肩を竦める。 「それで、何を話せば?」 が促す。 「あなたは何者ですか?」 邵可が問う。 難しいことを聞くなぁ... は少し考え、 「私はあなたのように『紅家当主』などという肩書きがない。だから、どう形容していいか分らない。さて、どう言えばいいのやら...」 「では、質問を変えよう。体術が得意だと聞きましたが、それはどうやって身に着けたものですか?」 「私は殆どひとつ所に留まっていない。彩雲国を旅しているから、自ずと、とういしかないな。生きていくにはそれなりに身に着ける必要があるだろう?」 「何故国を旅しているのです?」 「面白いことが落っこちていないか探しているんだ」 「面白いこと?」 「ああ、『面白いこと』だ」 「今回の、主上と旺季殿とのことは?」 「『面白いこと』ではあったな。だから、首を突っ込んだ」 不敵に笑うの眸を邵可はじっと見る。裏があるかもしれないと心を読もうとしているようで、は心の中で笑う。 本心なのだから、裏があるはずがない。 「先ほども言ったが、情報から遠ざけて監視を付ければいいだろう。そんなに心配ならな。王の手前、ちょっとかっこいいことを言ってみたんだろうが、それが一番安心するならそうしたらいい。それだけの人員を割くのすら勿体無いと言うなら私を紅州から放り出せばいいだろう。どうせ、ここから先、紅州は紅家が総力を持って守るのなら、仮に私が旺季側に行っても問題なかろう?」 「旺季殿もあなたをお相手なさらないでしょうしね」 「だろうな」 「しかし、先ほどの言葉は劉輝様の前だからかっこいい事を言ったのではありません。私の本心です。あの方は、私の娘を見込まれた。あの方の目に狂いはありません」 「親ばかだなぁ...」 思わず零した本心に「そうかもしれませんね」と邵可が笑う。 「今、劉輝様を守るために州軍と近衛の隊編成を検討しているところです。組み込んでも構いませんね?」 「衣食住の保障は?」 「あります」 「では、了解した」 頷いたはそのまま室を後にした。 |
桜風
12.7.14
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