the Star Festival





ホールに大きな笹が設置された。

「パンダでも飼うのかな?」

が呟く。

「うーん...パンダかぁ」

腕組みをしてラスティがその巨大な笹を見上げた。

「貴様はアホか。此処でパンダを飼って何の価値がある?!」

「アホじゃありませーん。少なくとも、イザークよりも成績優秀」

振り返らずには返した。

グッと背後で言葉に詰まる雰囲気に小さく笑う。

、酷いなー」

ディアッカが苦笑しながら加わった。

「だって、ホントの事だし。いきなりアホ呼ばわりだし」

振り返って拗ねたように彼女がそう言った。

ディアッカは仕方ない、と言った風に苦笑する。

「で、この笹の正体知ってんの?」

がどちらでもいいから応えて、といった風に問うとイザークがフンと鼻を鳴らす。

「貴様は知らないだろうが。昔から七夕という行事はあったんだ。元は中国の乞巧奠からきていて、後に日本の奈良時代の..」

「...教官にも民俗学オタクがいたって事!?」

が隣に立つラスティに聞くと彼は首をかしげて「あー、聞いたことあるなー...だれだっけ?」と呟いて考え始める。

「って、聞け!貴様が聞いてきたんだろうが!!」

「“タナバタ”って言ったっけ?その歴史なんてひとつも聞きたいなんて思っていない。私が聞きたいのは、何で此処の笹、しかも巨大なそれが置いてあるのかってこと」

「これからその説明をしようと思っていたんだ!最後まで人の話も聞けんのか、貴様は!」

相変わらず怒鳴りっぱなしだなーとディアッカが呆れながらイザークを見ると、ラスティも同じようにイザークを見る。

2人は目が合って苦笑しあった。

イザークはこんなだから...と言いたげな2人である。



「...と、言うわけだ」

「で、その短冊ってのに願い事を書いて。それを空の上の..織姫と牽牛が叶えてくれるの?ちょー他力本願」

あきれたようにが呟いた。

「昔話と言うものは大抵そういうものだろう」

の言葉にあきれてイザークが溜息交じりにそういう。

「いや、でもさ。その、織姫と牽牛って年に1回しか会えないのにそれに便乗して人々が願い事を彼らの力を借りて叶えようと虎視眈々と狙っているわけですよねぇ」

何か、言い方に棘があるが要約すればその通りのような気がしてイザークは頷いた。

「じゃあ、私はパスだわ」

の言葉に、傍観を決め込んでいたディアッカたちもきょとんとした。

「何で?女の子ってそういう迷信好きってイメージあるけど?」

「人の恋路を邪魔してまで叶えたいくらい強い願いはそれこそ自分の手で叶えたいじゃない?というか、私が恋路を邪魔されたらムカつくだろうし」

はそう言ってニッと笑う。

の、恋路だと!?」

イザークが以外だと言わんばかりに声を上げた。

「まあ、私の恋路を邪魔しているのは...」

は言葉を切って溜息を吐いた。

何処かの誰かさんの超絶的な鈍さだろう...

「待て、。その..恋路とは何のことだ!?」

「恋の道の事。あー、まあ。その笹のなぞが解けたからもういいや。ラスティ、行こうよ」

はそう言ってラスティに声をかけて足を進めていく。

「てか、お前の気が強くて強情っ張りなところも恋路を妨げてるって気づいてんのか?」

遠ざかっていく2人の背中を見送りながらディアッカは呟き、が意味深な言葉を置き土産に去って行ったお陰で何だか青くなっている気の毒な親友の肩に手を置いた。









桜風
08.7.1


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