Blue bird 7





休み明けのシフトは同期が揃った。

何でだ?

ラスティは首を傾げる。

「なあ、どうだった?妹は」

「睨まれた。初対面で、即行嫌われたんだけど...」

興味津々のディアッカにラスティは肩を竦めて応えた。

「ラスティが?!珍しいなー」とディアッカが言うと「どんな失礼なことを言ったんですか?」とニコルが問う。

「...今のニコルみたいな失礼なことは言ってない。というか、挨拶する前にいきなり帰れって言われた」

「顔が気に入らなかったんじゃないんですかね?」

ニコル、まだ続くか毒舌。

そう思ったが、反論する気にならずに「オレ、こう見えてモテモテ顔」とだけ言っておいた。

「そういえば、そうでしたね」とニコルは納得したようだ。

したのかな??

「じゃあ、妹を見る目がエロかった」とディアッカが面白がって言うと、「ディアッカじゃないんだから」とラスティがカウンターを返す。

結構大きなダメージを受けたディアッカは撃沈した。

それを冷ややかな視線で見ていたイザークが溜息をつく。

「再婚が反対なんじゃないのか?」

「それなら、母さんにも冷たいんじゃないの?母さんとは仲良しだって、言ってたよ。母さんが」

本人の勘違いでなければ、という条件はつくが。

それもそうだな、とイザークは納得した。

「男嫌い?」

「その線かなぁ?」

アスランの提案にラスティは頷いた。

お父さんは別って言うところなのだろう。

実際、あの家で働いているのは女性だけだったし。慣れていないのかもしれない。

「で、ラスティ。さんになるんだったら、事務手続きしないと。此処の仕事、当分続けるんでしょう?」

ニコルに促されてラスティは首を振った。

「何、すぐに除隊?」

「じゃ、なくて。オレ、『マッケンジー』のままだから。昨日ユーヒさんに話したら、納得してくれた」

「事務の手続きが面倒くさいって?」

「うん」

大らかだなぁ...


今は人事調整中の期間で、この期間が終わればいろんな部署に配属されるそうだ。

だから、今はちょっとザフトの中でも飽和状態となっている。

戦争が終わっても忙しいのは、いい事なのだろうか。

ふと思う。

もし、自分がザフトに入らなくても戦争は終わったと思う。だったら、ここに入った理由は何だったのか。

自分はともかく、ニコルみたいな優しい子とかたくさん居ただろうし、そんな人もこの戦争で亡くなった。

戦争なんて意味がない、と言ったらその亡くなった人には失礼だと思う。意味のないことで亡くなった事になるから。その人は少なくとも、誰かを守りたくて戦ったはずだ。

今の世論はあの戦争は無駄な犠牲を払っただけのものとなり始めている。

世論と言うのは大抵政府が調整するから、今はナチュラルへの反感をなくすためにやってるプロパガンダなのだとは思う。

政府も、たぶん本心じゃない。

自分がそう思いたいだけなのか...

「何で、オレ。人を殺せたんだろう」

不意にポツリと呟いた。思わず漏れた本音だ。

パシッと頭を叩かれた。

叩かれた箇所を擦りながら隣を見ると「それだけは考えるな」と視線を外して友が言う。

「うん、そうする」

平和で、時間があることは決していい事じゃないようだ。

だったら、忙しくて余計なことを考えなくて済むような忙しい部署に..って、やっぱりそれはイヤだなぁ。

適度に休みが取れる部署に配属されたいとは思う。

世の中、うまくいかないことが多いものだ。









桜風
10.3.1


ブラウザバックでお戻りください