| 社会的に地位のある人たちはどうしてこんなにたくさん人を集めたいのだろう... 何となく、げんなりしながらも、まあ、顔を立てないと、と思ってラスティはそのパーティに参加することを決めた。 仕事が休みなのに断るのもどうかと思ったし、友人たちも一緒だというのだから、まあ、諦めた方がいいのだろう。 ノックをして部屋に入る。 淡いブルーのドレスを着たが鏡の前で一生懸命髪飾りをつけていた。 「やろうか?」 「いい。出来るもん」 そういいながら一生懸命つけていたが、ラスティ的に物凄く気になることがある。 「ねえ、髪飾りも青なの?」 これでは、全身真っ青だ。 別に似合わなくもないけど、それはそれでどうだろう。 黄色とかオレンジとかでぱっと少し明るい感じにしてみたほうが良いと思う。 そう思ってラスティは徐に部屋の中のクローゼットに足を向けて、躊躇なくそれをあけた。 「ちょっと!!」 怒られた。 怒られて気が付いた。 ああ、そうだ。これは年頃の女子にはとても失礼なことだ。 というか、クローゼットの中も青だらけだった。 は駆けてきてラスティの手を挟むことも厭わない勢いでクローゼットを閉めた。 「何なのよ!」 「あー、うん。ごめん。って、青ばっかりだね」 「うるさい!出てけ!!」 そう言ってに背中を押されて部屋を追い出された。 「ちょっと、あんた何したの?!」 の怒声はホールで待っていた母の耳にまで届いたらしい。 駆けて来た母が蒼白になって聞いてきた。 「子供には手を出してない」 「当たり前よ、バカ!!で、何したの?!」 正直に答えると母は物凄く深い溜息をついた。 「あんたねぇ...」 「半分は母さんのせいだと思う」 「何でよ」 「昔、2人で住んでたときはクローゼットから色々と持ってこさせていたし。下着だって、買いに行かせてただろう?何ていうか。そういうのに慣れちゃったんだよ」 「親と..義妹は違うものよ」 「はいはい。もう二度とこんな失態はしませんー!ああ。ついでだからの髪飾り、見てあげて」 そう言っての部屋の前から避難した。 母は「了解」と返事をしてに声を掛け、彼女の部屋に入っていく。 ホールに行くとユーヒが立っていた。 いやいや、これはこれで気まずいというか... 愛娘に対して失礼なことをした自分はとりあえず怒られても仕方ないとは思う。だから、「すみません」謝った。 しかし、意外なことにユーヒは笑う。 「いやいや。ラスティ君が遊びに来てくれるようになっても見違えるように元気になって...ありがとうね」 あれ?とラスティは首を傾げた。 その様子がおかしいのか、ユーヒは喉の奥で笑う。 「あんなに大きな声、今まで..ラスティ君が遊びに来てくれるようになるまで聞いたことがないんだよ」 「一度も?」 ラスティの言葉にユーヒは苦笑して頷いた。 「いつも部屋に籠もっていて...最近は朝はテラスで食事を取るようになったんだよ。庭に出て花の世話をしてみたり」 そういえば、顔色も良くなってきたな、とラスティは納得した。 暫くするとを連れて母が戻ってきた。 髪飾りは、見たことがある。 母のものを使ったようだ。 「ちゃんにあげたの」 なるほど、と納得する。 「では、出発しようか」 ユーヒがそういい、皆がそれに続く。 ふと、ラスティが振り返る。 は緊張しているらしくて表情が硬い。 「会場にはニコルも居るから。オレもなるべく一緒に居るし。まあ、何とかなるもんだよ」 「べ..別に緊張とかしてないわよ!!」 右足と右手を一緒に出しながら歩き出すにラスティは声を上げて笑う。 「何笑ってるのよ!」 「右足を出すなら、左手を出した方が歩きやすいと思うよ」 ラスティの指摘には真っ赤になり、そのまま駆けて家を出て行く。 ラスティもそれに続いて足早に家を出た。 |
桜風
10.6.1