| 「そういえば、何でまだうちにいるの?」 食事を摂りながらがラスティに言う。さっき聞いたけど、答えてもらっていない。 「今日から1ヶ月夜勤のシフトだから。ここで食事を済ませて、出勤したら丁度良い時間だし」 ラスティの言葉になるほど、とは納得した。 「お疲れー」 申し送りを済ませて昼間の勤務だった同僚に声を掛ける。 「あ、イザーク!」 昼間の勤務だった同僚の中にイザークを見つけて呼び止めた。 「ああ。ラスティは夜勤のシフトだったな。お疲れ」 そう言って帰ろうとしたイザークに封筒を差し出した。 「...なんだ?」 「母さんがエザリア様に、って」 「メールでも電話でも時間をとるぞ。ラスティの母上が相手なら」 イザークは眉間に皺を寄せてそういった。 「まあ、うん。分かってるけど、これは極秘任務だから。家の」 笑いながらラスティが言う。 どういうことか、とイザークは説明を求めた。 「3ヶ月先なんだけど、今度の誕生日なんだよ。それで、盛大にお祝いをしたいって両親が言い出してね。しかも、サプライズ企画」 苦笑しながらラスティが答える。 「それで、何故母上が?」 「ってあまり友達が居ないんだよ。だから、たくさん人を呼んで驚かせてしまおう、って。あのパーティのときにエザリア様は『遊びにいらっしゃい』って言ってくれたんだけど、中々行けないからさ。じゃあ、来てもらえたら良いんじゃないかなーって。出来ればイザークたちも招待したいって。予定空く?」 「...わかった。調整してみる」 苦笑してイザークは頷き、「じゃあな。確かに預かった」と言って帰っていった。 家に帰ったイザークから手紙を渡されたエザリアは大喜びだった。 ただ、連絡は仕事用のメールで、と書かれているので電話出来ないもどかしさにそわそわしている。 「イザーク、あなたも都合をつけてぜひ行きましょう」 「ええ、都合が付けば」 「つけるのよ!!」 勢い良くそういわれたイザークは少し困りながら「善処します」と答えて足早に自室に逃げた。 「さんのお誕生日会ですか?ええ、僕は出席しますよ。ちょうど休暇の日ですし」 翌日、休憩時間にイザークが昨晩の災難を話すとニコルは苦笑しながら自分の出席を口にした。 「せっかくですからね。母さんも絶対に何があっても行くって張り切っています。父さんも招待されているみたいですけど、仕事がどうなるかって。イザークのお母さんも仕事が問題になるでしょうけど...」 「行く気でいるがな。それこそ、仮病を使いそうな勢いだ」 「僕たちに『仮病』って中々難しいですよねぇ」 苦笑してニコルが答える。 まあ、それもそうだ。病気なんてしないのだから。だったら身内の不幸...それくらなら最高評議会の方が優先されるんだろうな。 ディアッカも招待されていると昨晩の申し送りのときに聞いた。 もちろん、母親も招待されているとかで張り切ってミートパイを作るといっているとか。 しかし、プレゼントはどうしたらいいのか。 ニコルはどうせ曲を贈るとかだろう。 聞いてみたらそのつもりだという。 「ラスティは、どうするんですかね?」 「...そういえば、そうだな」 身内だからリサーチはしやすいだろうが、下手すればばれてしまう。 まあ、口八丁のラスティならばれそうになっても誤魔化せるだろう。 「とりあえず、嬢の趣味を聞いてみる」 「そうですね。基本を押さえた方がいいでしょうね」 「そうだな」と納得したイザークは本日の申し送りのときにラスティを捕まえて話を聞こうと考え、とりあえずプレゼントについて悩むのをやめた。 |
桜風
10.8.1