| Gold |
| 「ディアッカの髪って太陽みたい」 見上げる年上の幼馴染に言った。 「呼び捨てにするなっての!」 ツン、とおでこを突かれる。 「痛いなぁ〜」 抗議の声を上げても、ディアッカは堪えない。 私は太陽が好きだ。 何処がどう好きかって聞かれたら正直困るけど。 でも、とても暖かい。 だから、ディアッカの髪が羨ましい。 だって、ディアッカはいつも太陽と一緒にいられるってことだから。 「つか、太陽みたいってなんだよ。金髪なんて他にも居るだろ」 そう言われて私も不思議に思う。 そうなのだ。 今まで何人もの金髪の人に出会ったけど、その人たちの金髪を羨ましいと思ったことは無い。 というか、そんな関心を示した覚えすらない。 私が太陽のイメージを持っているのはディアッカだけ。 ホント、不思議である。 夏の学校帰り、少し水遊びをしようという話になった。 正直ためらった。 ディアッカに水に近づくなと釘を刺されていたのだ。 しかし、誘惑には勝てなかった。 水の中に入って冷たい感触を楽しむ。 気持ちが良い。しかし、浅いと思っていた川底が突然深くなっていた。 私は足を滑らせてそこに嵌り、そして、バランスを崩してしまった。 思いの外深かったその川底へ私は沈んでいった。 「!」 そう言って腕を掴まれた。 気を失うその前に見たのは水の中の太陽だった。 気が付いたときには病室のベッドの上。 「あれ...?」 「あれ?じゃない!お前は水と相性が良くないみたいだから近づくなってあれほど言ってただろうが!聞いてるのか、!!」 濡れた髪をタオルで乾かしているディアッカが目の前にいる。 まだ水滴のついているディアッカの髪がキラキラ光って綺麗だった。 「?!どこかおかしいのか?」 心配そうに顔を覗きこまれて慌ててしまった。 「な、何でもないよ!」 思わず布団に潜る。 「心配させるなよな。ったく...」 布団の外ではディアッカがブツブツと呟いていた。 布団を被っているとウトウトとしてきていつの間にか寝てしまった。 私は夢を見た。 それは幼い頃の記憶だった。 小さい頃、私の家とディアッカの家でキャンプに行ったことがある。 おじ様はそのときには既に評議委員だった。珍しく長期の休暇が取れたための家族サービスだったはずだ。 キャンプ先では清流を泳いで遊んだ。 親から少し離れたところで私とディアッカは遊んでいた。 近くに居たら魚が連れないと私のお父さんに怒られたんだった。 そして、注意していたつもりだったが、私は丁度川底が深くなったところに嵌ってしまって流されてしまった。 溺れそうになって必死に腕をばたつかせていたけど、結局どうにもいかなくて水の中に沈みかけた。 その時、私は太陽を見たのだ。 それは、とても暖かくて安心した。 気がつくと私は心配する両親たちに囲まれていた。 少しはなれたところでディアッカが私の様子を見ていた。 そのときのディアッカの頬は赤かった。 「ねえ、ディアッカ」 「何だよ、起きてたのか...」 布団から顔を出して声を掛けた。 「うん。聞いても良いかな?」 「何だよ」 「私って、小さいときも溺れたよね。その時も、もしかしてディアッカが助けてくれたの?」 「そうだよ。そのあと、親父に殴られた。俺が、を守れなかったから」 謎が解けた。 ディアッカの頬が赤かったのはおじ様に叩かれたから。 それも、私のせいで。 「な、何だよ」 自然とディアッカの頬に手が伸びた。 「ううん。私、またディアッカに助けられたんだね。ありがとう。痛かったよね。ディアッカはあんまり遠くへ行くなって言ってくれたのに。私がディアッカの言うコトを聞かなかっただけなのに、ね」 「そんな昔のこと。もっと俺がしかっりしてたらあんなことにならなかったんだろうし」 そう言って苦笑をした。 私は水の中の太陽を2度見た。 黄金色に輝く優しい暖かな光。 それは、私だけの太陽。 |
早生まれ、ディアッカ。 今回は全員色シリーズとなりました。 ...何だか最初に考えていたのとは全然違ったのが 出来上がってしまったよ。 桜風 06.3.29 |
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