| ドックを覗く。 今は夜中でちょっとだけ配置されている人員は少ないようだ。 今がチャンス、と思いはバスターのコックピットに向かっていった。 「お、おい。あれ!」 誰かに見つかった。 「止まれ!」と命じられたがはそれに従う気なんてない。 銃弾が飛んでくる中、やっとの思い出バスターのコックピットの前に立った。 開けようとしてロックがかかっている。 当然と言えば当然か。 すぐにコードを割り出してパスワードを入力した。 に追いついたメカニックが彼女を捕らえようとするが、予想以上のスピードで反撃された彼はに蹴っ飛ばされてそのまま柵を超えて落下しそうになる。 やっとの思いでバスターのコックピットの前に戻ったときには既にの姿はなかった。 ディアッカの部屋にコールが入る。 「はい」 寝ぼけ眼をこすりながらディアッカが応じる。 「バスターが乗っ取られたぞ」 最初、その言葉の意味を理解できずに数秒固まり、「え...?」と呟いた。 急いでドックに向かう。 バスターの周りにはメカニックが集まっていた。銃を向けている者たちも居る。 「誰に?」 「捕虜の・だ」 「...え?」 思わず聞き返したディアッカだったが、今の時間が勤務時間となっているドックに居るメカニックたちは彼女の姿を見たし、勿論彼女がコックピットに入っていった姿も目にしたという。 「!」 コックピットを叩きながら声を掛ける。 「ディアッカ、あいつの部屋にはロックを掛けてたのか?」 一緒に来たイザークが責めるように言う。 「掛けてたって。当然だろう?」 コーディネーターでも外からしか開けられない鍵をどうやって開けるというのだろう。 「じゃあ、バスターのコックピットには?」 ニコルも起こされたようで遅れてドックにやってきた。 「掛けてる。なあ、。開けろって」 ピピッと電子音が聞こえた。振り返るとそれはバスターの回路の確認と整備をするためにそれに繋げているコンピュータからだ。 ディアッカが見てみるとウィンドウが開いていた。 【この子の整備はわたしがする】 というメッセージが映っていた。 「いや、まずいって。いいから出て来いよ」 【やだ】 「『やだ』って...」 困ったようにディアッカが呟く。 「貴様が甘やかしていたのが悪いんだぞ」 イザークが言う。 「や、でも。ずっと大人しくしてたし。聞いたことには答えてたし」 ディアッカが言い訳のように言った。 「でも、さん。本当に整備してますよ?」 ディアッカがと会話をしているコンピュータを覗き込みながらニコルが呟く。 はウィンドウを開いて会話をしているが、その一方でバスターの回路の数値を変えたりしている。 「しかも、速いし」 ニコルが感心したように呟いた。 確かに、さっきから会話をしながらであるのにも拘らず整備をしているその手が止まっていない。 「...彼女、やっぱりコーディネーターなんですね」 ニコルがディアッカを見上げる。 別にナチュラルを見下しているつもりはないが、どうしたって身体能力には差があるのは歴然とした事実だ。此処までの技術を持っているということは苦し紛れに吐いた嘘ではなくて彼女の言葉に間違いはなさそうだ。 ニコルの言葉に反応してイザークも覗き込む。元々刻まれている眉間の皺が一層深くなった。ちょっと面白くない。 不意に艦内にエマージェンシーコールが流れる。 「、出て来いって。オレ出なきゃいけないんだから」 【パイロットスーツに着替えるんでしょ?】 「あー、もう!戻ってきたら出て来いよ!!」 ディアッカはそう言ってバスターから離れた。 |
桜風
08.5.1
08.6.1(再掲)
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