| がドックに着くとそれこそ鬼の形相で睨むメカニックが居た。 が、彼女は気にしない。 一応、チーフにはディアッカから話をするということで、ディアッカと共にチーフと話をした。 「ああ、聞いている。IDはこれだ」 そう言って渡されたものには首をかしげた。 チーフが手招きをして手に持っているモバイルを渡す。入力しろということだろう。 彼女は声が出ない。 それは既に周知の事実らしい。だから、彼女とコミュニケーションを取りたければ文字を表示するしかないのだ。 【何故IDまでもらえるんですか?】 「部品庫の鍵になっているんだよ。他のやつ捕まえて一々部品庫に一緒に行ってもらうって面倒だろう?というか、部品この鍵以外の機能はついてない。俺たちが持っているIDとは種類が違う」 それを聞いては納得したように頷いた。 整備をするのに必要な諸々の説明を受けてはバスターに向かった。 ディアッカの袖を引く。 「何?」 <この子、どうしたい?> そう言ってはバスターを見上げた。 「あー、そういや。右アームが少し重い。あと、照準を合わせてロックするのがもう少し早くなると助かるかな」 ディアッカは今のバスターに対する要望を口にした。 は頷いてそのままバスターのコックピットに入っていった。 「よくあんなのに触らせる気になりますね」 ふいに声を掛けられた。 振り返ると先ほどを睨み殺さん勢いで睨んでいたメカニックだ。一度、牢へ向かうときにすれ違っている。 「まあ、実力があるならそれでいいじゃん?」 「あまり信用しない方がいいんじゃないんですか?いつ裏切るか分かりませんよ」 ディアッカは深い溜息を吐いて「ご忠告どうも」と返して適当に手を振り、ドックを後にした。 それから数回戦闘があった。そのたびにディアッカは戦績が上がっていた。 「なあ、。この数式は?」 コックピットの中に居るに問う。 ディアッカは今外に接続しているコンピューターを眺めていた。 『この数式』といわれてもどれか分からない。 ディアッカはその箇所を読み上げ、モニタに新しいウィンドウが浮かび上がる。 専門的な説明の後に 【変えてもいいけど、戦闘中に調整しなきゃいけなくなるかもよ】 と表示された。 それを読んでディアッカは腕を組みうーん、と唸る。 「あ、さん」 ニコルが名前を呼ぶ。 ディアッカが振り返ると真後ろに立っていた。 「さんはバスターの製造の前はデュエルだったんですよね?」 コックピットの中でが頷く。 「デュエルって確か汎用型で、僕たちの機体の一番最初、プロトタイプに当たるんですよね?」 彼女が頷いた。 「じゃあ、僕のブリッツも見れませんか?」 流石にその提案にはは驚いてすぐに反応できなかった。 「けど、メカニックたち反発しねぇの?」 実は、バスターのメカニックの反発もあった。彼女が開発に関わっていたといっても所詮オーブもザフトの機関には及ばないはずだ、と。そんなのに任せるなんて自分たちを信用していないのかと責められもした。 が、何とか説得して、今では確かにバスターはに任せてもいいかなという雰囲気になったのだ。 「実は、それを言い出したのはメカニックの方からなんです」 「へー!」とディアッカは驚いた声を上げる。 「バスターの戦績が良くなっているでしょう?それで、ブリッツもどうかって。さんと一緒に整備していたら色々と勉強になるってのも聞いたらしいですし」 ディアッカは少し嬉しそうに口角を上げてを見る。 【出来るかどうかわからない。確かに、デュエルの製造にも携わったけど応用して造ったどの機体も全く特徴や性能が違うし。だから、ひと通りOSを見てみないことには...】 表示された文字を見ながらディアッカが少し声の高さを上げて読み上げた。 【それ、気持ち悪い!】「気持ち悪いんでやめてくれませんか?」 の発言とニコルが口を開いたのが同時だった。 ディアッカが笑いながら「お前ら、ハモッてるぞ」と言う。 それを聞いてニコルはを見て、はニコルを見てお互い噴出した。 「えーと。じゃあ、手が空いたらお願いしますね」 コックピットの中のにそういうと彼女は頷き、了承する。 |
桜風
08.8.1
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