| の学校生活が始まった。 初日は緊張しすぎて眩暈を起こし、保健室に連れて行かれた。 自分が情けない。 「大丈夫か」 保健室に迎えに来てくれたのはカガリ・ユラ・アスハでルームメイトだ。 「ごめんね」とが謝ると「いや、気にするな」と苦笑された。 「しかし、学校に通うことで緊張して貧血とはな」 「面目ない」 「もう少し休んだら帰ろう。そういえば、は何が部活動をする予定はあるか?」 部活動... なんだか、学校って目まぐるしい。 「まだゆっくり考えたいって思ってる。まずは、生活に慣れるところから、って」 「そのほうがいいだろうな」とカガリは頷いた。 「カガリ..さんは?」 の言葉にカガリはキッと彼女を睨んだ。 「だーかーらー、『さん』は要らない。『カガリ』だ。ほら、言ってみろ」 「カ..カガリ..さ」 「『さん』はなし!」 「はいぃ〜!」 毎日厳しい指導を受けているが、何となく『さん』をつけてしまう。カガリにいたっては「私を呼ぶときは呼び捨てにしてくれ。私もそうする」と高らかに宣言したとおり呼び捨てだと言うのに... 保健室のドアがノックされた。 「はい」と応じたのはカガリで、「何だ、お前達か」と言う。 誰だろう... 「入っても良い?」と言う声で誰が来たかが分かった。 「いいぞ」とカガリが良い、彼が入ってきた。正しくは『彼ら』だが... 「大丈夫?」と心配そうに顔を見せたのはミリアリア・ハウだ。ミリィと呼んでほしいと言われている。彼女の面倒見がいいのは性格だと思う。 「寮まで送るよ」と声をかけてくれたのはキラ・ヤマトだ。何でも、アスランの友人らしい。 それを聞いても一気に親近感を持った。 「えー、寄り道しようよ」 「トール!」 ミリィの彼氏らしいトール・ケーニヒはその彼女から叱られて肩を竦めた。 オーブからの留学生は3クラスに分かれて固まっている。 も留学生が多いクラスになった。何か口添えがあったのかとも思ったが、深くは考えないことにした。 「さんは僕とカガリが送っていくから、2人は寄り道したらいいよ」 「寄り道って言っても、プラントに上がってくるのなんて初めてだから店とかわかんないし。は知ってるかなーって期待してるんだけど...」 トールが言うとミリィがまた叱るが、怯まない。慣れているみたいだ。 「ごめん、わたし外にあまり出たことが無かったから。でも、ここら辺に詳しい人なら知ってるから今度聞いておくね」 の言葉に「ホント?」とトールの声が弾む。 「ムリしなくていいからね」とミリィが言ってくれた。 『学校デビュー、どうだった?』 からかうようにラスティが言う。ラスティから電話がかかってきて、は慌ててベランダに出て通話ボタンを押した途端にそう言われた。 入学祝に、とラスティがモバイルをくれた。連絡を取るのに、寮の電話とか面倒だろうから、と。 普段外出することがなかった自分には縁遠いもので、実はこれを使いこなすことも大変だと思っている。 「倒れた」 『誰が?』 「わたし」 『...って意外と神経細いよね』 「ラスティって時々わたしに喧嘩売るよね?」 『まさか!そんな恐ろしいことを...!』 やっぱり、喧嘩を売ってる... 『まあ、ムリしないように。今度上手なサボり方、伝授しようか?』 「要らない」 素気無く返されてラスティは笑う。 『じゃ、オレそろそろ休憩時間終わりだから』 「え、夜勤?」 『そゆこと、おやすみ』 言うだけ言ってラスティは通話を切った。 の耳には『ツー…ツー…』という通話が切れた音だけが響く。 まだ話がしたかったなー... そう思いながら部屋に戻った。 「何だ、良かったな」 突然カガリにそういわれた。カガリはただ今筋トレ中だ。 「何が?」 「すっきりした顔になっている。やっぱり馴染みがある声を聞くと安心するんだろうな」 馴染みがあると言うほど一緒に居るわけではないが、でも、たしかになんか軽くなった。 「...恋人か?」 カガリにそう聞かれては目を丸くした。 「ううん、ちがうよ」 苦笑しながらそう答える。でも、『義兄』とも言わなかった。 何となく、言いたくなかったのだ。 |
桜風
10.11.22
ブラウザバックでお戻りください