| パチパチパチと拍手が教室に響いた。 皆が反応して振り返るとドアに凭れて立って拍手をしていたのはラスティだった。 「いやぁ...って強気で来たら中々やるねぇ」 笑いながらラスティが言う。 「な..なんで?!なんで居るの?!」 「んー?今日は非番。んでもって、此処は昔はアカデミーでオレの母校。まあ、色んな施設取り壊されてるから懐かしさよりも喪失感の方が上だったけど?」 苦笑したラスティは先ほど文句たらたらだったフレイを見た。 「ま、お父さんのために手を上げたのなら、立派に『希望』でしょう。腹括ってプラント生活満喫しなよ。物はそれなりに、オーブに負けないくらいのいい物揃ってると思うよ」 ラスティにそういわれて彼女は気まずそうにプイと顔を背ける。 「んじゃ、学校終わったら連絡しなー。モール連れてったげるから」 「え?」とがきょとんとした。フレイは嫌そうに顔をゆがめる。 「に任せたら迷子になって終わるかもしれないけど、それでよかったらお好きにどーぞ」 そう言ってラスティはふらりと居なくなった。 放課後、ラスティは呼び出しを受けて学校に行く。 「あー、やっぱりオレ必要でしょう?」 「だって、この子カードの使い方、聞いた事しかないって言うんだもん」 フレイが不本意そうにそういった。 「まあ、この子もある意味お姫さんだたからねー」と苦笑しながらラスティは否定しない。 さっき、フレイに散々に言われたは拗ねている。 「で?後ろの子達も??」 「あ、はい。いいですか?」 そういったのはミリィだ。やはり少し怖くて遠くにまで足を延ばしていないので、この機会に行ってみたいと思ったらしい。 「あ、男子は女子の買い物の長さ、覚悟してついて来るように」 一緒に居たキラたちにそう言ってラスティは車に乗り込んだ。全員はさすがにムリなので、もう1台呼んで2台に分かれた。 運転中に通話がある。 「仕事?」 が問う。 「ちょい出て」とラスティに言われて「もしもし?」と出ると『どういうこと?』と相手が言う。 「ディアッカみたい」 そう言ってがラスティの耳に電話をあてた。 「今向かってる。ちょい人数多めだから」 そんな話をして通話が終わったらしくラスティが電話から耳を離した。 「来るの?」 「んー、あいつらは夜勤だから。食事を一緒にして、向こうは仕事に行くことにはなるけど」 馴染みのある人の顔を見ると何か落ち着きそうな気がする。 新しい生活が始まってからずっと気を張っている。これでも、気を張っているのだ。 だから、そうやって気を抜くことが出来る機会があるのは嬉しい。 モールにつくと先に来ていたディアッカが「よー」と手を上げる。 そして近付いてきたので、は慌てて「女の子は皆下がって!」と声を出した。 何だ?とラスティとディアッカ、一緒に居たイザークが首を傾げた。 「ディアッカに近付いたら妊娠するんだって。えーと、触られなかったら良いんだっけ?」 真顔でが言う。 ラスティが爆笑し、イザークも肩を震わせている。 真面目な顔で彼女が言うものだから、そういわれたカガリたちはどうしたらいいのか分からない。冗談なら乗ってもいいが、本当なのだろうか... だが、その『ディアッカ』の友人達は笑っているので、冗談なのだろう。だとしたら、が真に受けているのがちょっとおかしいことなのだと推測できる。 「あのな、」 ディアッカが触れようとしたら逃げた。 「ディアッカ、これは強烈だな」と言ったのはラスティで「お前のせいだろうがー!」と怒鳴る。 「こうなったら...」と呟いたディアッカはムキになってを追いかけ始めた。 追いかけるといっても手は抜いている。だって、彼女は女の子でナチュラルだ。それに対して自分は男でコーディネーターでついでに軍人だ。どう考えても自分方に分がある。 逃げ惑うが気の毒になって「やめろ」とディアッカの首根っこを掴んだのはイザークだった。 「ディアッカ、益々マイナス査定だね」 の中での評価が右肩下がりのディアッカにラスティは笑った。 しかし、このディアッカのバカみたいな行動はフレイにとって衝撃的だった。 コーディネーターもバカなのはいるのんだ... 何となく親近感を覚えた彼女はそれ以来、『コーディネーター』に嫌悪を抱くことが少なくなった。 つまり、ディアッカは和平の道を一歩近づけたことになる。 フレイからその話を聞いてディアッカは肩を落としたが、それはまだ先の話である。 |
桜風
10.12.6
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