| 「だ、そうだ」 アスランがキラのところに行って仕入れた情報をラスティに伝える。 「へー、ふーん...」 ディアッカ、いじめる! ラスティは心の中でそう決めた。 「でー、えーと。は結局、何?」 「さあ?」 まあ、そこまで確認してもらうのは忍びない。というか、ムリだろう。 ま、いっか。 「ありがとう。迷惑かけたねー」 そう軽く言ってラスティはそのままふらりと居なくなった。 アスランから今の状況に至ったと思われる概要を聞いてからすぐにはの学校には行かなかった。 というか、多忙で時間が取れなかったのだ。 まあ、彼女があんな態度を取った理由が分かってすっきりしたから、というのも焦らなかった原因のひとつでもある。それに、ディアッカは既にいじめたし、そういった方面でもすっきりしていた。 あれから数日後の今日。仲の良い同期の赤皆揃ってが休みを取っている。 理由は親の仕事の関係らしい。 ああいうの面倒だったよなー、と過去を思い出す。 仕事が終わってからは何もすることが無いし、そろそろ様子を見に行こうかなーと思っての通う学校に向かうことにした。 そろそろ構ってもいいかなと思ったのだ。 学校に行くと正門付近が何だか騒がしい。 どうしたことだろうか... その中にの声が聞こえてラスティは足を向ける。ただ、の声が震えているのでちょっと早めに。 「手を離せ!」 カガリがそう吼えていた。 「どーしたー?」 は声がした方向を見た。ひょっこりとラスティが覗き込んでいる。 と目が合ったラスティはそのままついとの前に立っている男に視線を向けた。 「どちらさん?」 「この子の父親だ。相続権を持っている」 まずはそっちなのか... 「証拠は?」 「遺伝子研究所から正式な文書で証明されている」 プラントにある公立で最も研究施設が整っている機関の名前を挙げられてラスティは眉間に皺を寄せた。 を見ると小さく頷く。が自分の遺伝子を確認した機関もそこのようだ。 「ふーん。まあ、おじさん。ちょっといいかなー」 そう言ってラスティはの腕を掴んでいる男の腕を捻り上げた。カガリがその腕を解こうと必死になっていたときは全然離れなかったのに、ラスティはいとも簡単に捻り上げた。 「話が聞きたい。それ、アンタに漏らしたのは誰?それを渡したのは誰なのかな?」 腕を捻り上げられて男は唸る。離すように訴えるがラスティは笑顔のままその腕をさらに捻り上げる。 とりあえず、整った書類であっても簡単に信用できるはずが無い。何せ、整っているかどうか見たことが無かったら分からないものだし、これはかなり危険なことでもある。 何かしら、強力な背景がなければ食いつくことは出来ない。この男が貧窮しており、藁をも掴むような心境だったら話は別だろうが、身なりを見る限りではそこまで困っていないと推測される。 ただ、更なる富がほしいだけだ。おそらく... 「アンタさ。国際的な犯罪を犯したんだよー。分かってるよね。本人の承諾なしに、遺伝子についての情報を盗むなんて」 「盗んでない!もらったんだ!!」 「だーかーらー。何処の、誰?あ、。もう帰っていいよー。オレ、また今度来るから」 笑顔だし、声音だっていつもとそう変わらない。なのに、雰囲気が全然違う。 「ラスティ...」 は零すようにラスティの名前を呟く。それが本人の耳に届いているのかは分からない。 「ジェ..ジェレミー・マクスウェルの息子だと名乗った」 男が搾り出す。 ラスティの口角が上がった。と、同時にその眸は今までに無いくらいに感情を湛えていた。その感情とは、『怒り』である。 「ジェレミー・マクスウェルの息子と本人が名乗ったのか?」 「いいや。その遣いだと言った。だが、その証拠はもらった」 「証拠?」 「これだ...この証明書」 男が持っていた『証明書』にはその文書はジョウイ・マクスウェルがホンモノであることを証明するという旨の事が書いてある。勿論、サイン入りだ。 ホント、こいつってバカ... ラスティはその文書に侮蔑の眼差しを送っていた。 学校の警備員にその男を預けてラスティは車を走らせた。 今日、何たらのパーティが開かれているその会場へ向かって。 |
桜風
11.1.3
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