Ever green 14





を寮まで送り届けると連絡を受けて待っていたカガリが飛び出して来た。

「んじゃ、カガリちゃん。あとよろしく」

そう言って車に戻ろうとしたらカガリが「おい!」と腕を掴んでそのまま引っ張ってから距離をとる。

「なに?あ、告白?」

「寝言は寝て言え!、学校ではどうなるんだ?というか、これから...」

「学校関係はたぶん、ラクスが動く。あの男はもう二度との前に出てくることは出来ない。今のところ言えるのはこれだけ」

「つまり、はもう大丈夫なんだな?」

「環境は、ね。あとは本人がどれだけ整理できるかだけど」

そう言ってちらとを見た。

「そこら辺は、友情パワーに頼るしかないなーってトコロかな?」

ウィンクして言うラスティにカガリは眉間に皺を寄せ、盛大な溜息を吐いた。

「お前、本当に軽いな...」

「重い男は嫌われるんだよ?」

「軽すぎるのも問題だ」

そう言ってまた溜息を吐いたカガリはじっとラスティを見上げた。

「お?意外とカガリちゃんの好み??」

「ぶっ飛ばしていいか?」

「こわーい。んじゃーねー」

笑いながらそういい、ラスティは車に乗り込んだ。

ー。腹出して寝たらだめだからねー!」

「そんなことしない!」

赤くなりながらそう返したに笑ってラスティはアクセルを踏んだ。


明日も仕事だから本当は自分の家に帰ったほうがいいのだが、と思いながら向かった先は邸だ。

連絡もなく突然やってきた息子に文句を言う母親と歓迎する父に笑顔を零す。

「まったく!連絡のひとつくらい寄越しなさいよ」

ブツブツと文句を言いつつも「なんか作ってー」というラスティにパンケーキを焼いてくれる。メイドたちはもう帰った後らしい。

「しかし、本当に突然だね。どうしたんだい?」

「えーと。まあ、ちょっと落ち着いてからで良いですか?」

とりあえず、お腹すいた。

母の作ってくれたパンケーキをあっという間に平らげて出されたコーヒーを飲む。

「で?もうお腹も落ち着いたでしょ。ほら、用件を言いなさい」

「オレ、たぶん飛ばされるから。地球..かな?」

「は?!」と母の声が裏返る。

「ちょっと待ってくれないか。何故そう思うんだい?」

比較的冷静だが、ユーヒだって困惑している。

ラスティは今日の出来事をすべて話した。

暫く言葉が無かった2人だが、「ちょっと文句言ってやる!」と立ち上がったのは母でラスティは彼女の腕を引いて座らせた。

「だーかーらー。それ、全部オレがしてきたの。んで、正面切って喧嘩売って来た。向こうがそれを買わないなんてありえないし、ヘタすりゃ向こうだってそれが最後の悪あがきになるし」

「いや、しかし。のことで君がリスクを負う事は...」

ユーヒの言葉にラスティが苦笑した。

「いやぁ、あれはのことと言うよりもオレのことですよ。オレを直接狙っても無駄だって踏んだから周りを調べると良い感じに使えそうなネタがあって、安易に使っちゃったっていう。浅い考えですがね」

「エザリアに...」

「オレはお断り。誰かに助けてもらったんじゃ喧嘩を売った意味が無い。イザークには『手出し無用』って言ってるし、それを皆に伝えてもらってるから。まあ、激戦地ってのが今のところ無いから幸いなことだよ。停戦協定様様だ」

ニカッと笑ってそういったラスティに両親は睫を伏せた。

「だから、ユーヒさん」

ラスティが父の名を呼ぶ。

「チェスの決着はちょっと待ってください」

彼は苦笑した。

「いつまでも待つよ。休暇のときは帰ってくるんだろう?」

「いえ、帰らないつもりです。最短で正式に戻ってくるつもりなので」

ラスティの自信満々の言葉に目を丸くしたユーヒはやがて苦笑する。

「頼もしいね」

「その人の息子ですから」

睫を伏せたまま言葉を発しない母を見ながらラスティが笑う。

そんなことを言われたら俯いてられない。

「ま、早く帰ってきなさい。もしかしたら次に帰ってきたとき、ちゃんに彼氏がいるかもよ?」

ニッと笑って言う母にラスティは苦笑し、寧ろぎょっとしていたのはユーヒだった。

「あの、喩えだから」という彼女にほっと胸を撫で下ろした。

「学校側には警備の強化を要請しよう」というユーヒに「まあ、ラクスがしそうですけど」とラスティは肩を竦める。

「一応親として、ね。ラスティ君、辞令が出てどれくらいで異動になるのかな?」

「今回の場合、左遷で飛ばしたいばかりでしょうから、翌日にはもう出て行かなきゃいけなくなりそうですけど...」

そう答えて別のことを思い出した。

「あ、そうだ。いつ戻るか微妙なところがあるし、今のマンション、オレが出たら一旦解約してくれる?」

「荷物はどうするのよ」

母にそういわれてちょっと考えたラスティは宙をふよふよと彷徨い「ここの使ってない部屋に突っ込ませてもらえますか?」とユーヒに問う。

「勿論。君に、と思っていた部屋があるんだし。帰ってきてからはここに住んでも良いし」

「それはちょっと...」と遠慮する。

苦笑したユーヒは「まあ、留守の間の荷物は預かるから安心していいよ」と返した。









桜風
11.1.24


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