| 「どういう...こと?」 は呆然と呟いた。 夕方、両親が帰ってきた。 最初は母が、続いて父が帰ってきた。 「女の子がいるのっていいわー」と言いながら母は会話を楽しんでいたところに父が帰ってきて、正直驚いた。 もっと遅くなると思っていたし。いつも遅かったし。 「の大切なお客様だからね」 不思議そうな表情を浮かべているにユーヒは微笑んでそういった。 食事もこれまた腕によりを掛けて作ってもらえて、いつも以上に美味しかった。 「こちらに着いたときに思いましたけど、庭もステキですね」 食後にフレイが言うと母は嬉しそうに微笑んだ。 「が整えていたのよ」 「整えるのを手伝ったの」 「でも、花を選んだのはあなたでしょう?」 ぎこちなく頷くに「凄いな!」とカガリが感嘆の言葉を送る。 照れくさそうには笑った。 「あ、そういえば」とは此処に帰ってきた理由を思い出した。 「ラスティって次いつ帰ってくるの?何か聞いてる?」 にそう聞かれて両親は顔を見合わせた。 「聞いてないの?」と母に聞かれて「地球の駐屯地に行くって言うのは聞いたけど」と返す。 の両親の雰囲気の変化にミリィたちは気づいて「席外しますね」と言って部屋を出て行った。 何とも気の利くお嬢さんだ。 「ラスティ君がいつ帰ってくるかは、分からないんだ」 「でも...地球の駐屯地は長期のお休みとか無いの?」 「あるとは思う。だが、ラスティ君は戻ってくる気が無いらしい」 ユーヒはあの日ラスティから聞いた話をした。 の表情が段々と強張っていく。 「それって、やっぱり...」 自分が原因ではないか。 しかし、そんなの考えを否定したのはユーヒだった。 「、良く聞きなさい。ラスティ君はそうは言っていないよ」 「でも、わたしがナチュラルで。そんなことを気にしたから研究所に行って調べたんだし。わたしが...」 「見くびらないで」 はっきりと鋭く言ったのは母だ。 「あの子はね、こう言っては何だけど、あの子は自分が正しいと思うことしかしないの。今は組織の中にいるからある程度の理不尽は受け入れるでしょうけど、プライベートは別。今回の出来事はあの子の受け入れられないことだったの。だから、動いた。 こういう言い方はちょっと突き放したみたいで冷たいと思うけど、ちゃんのためだけにあの子は動かないわ。自分の中で許容できない出来事だったというだけなの」 は俯く。 両親はどう対処していいか分からない。 ラスティは元々こんなことで落ち込んだ様子を見せたことが無いし、ちょっと前までは感情を見せることが無かったからお互いそういう場面に接したことが無いのだ。 「ありがとう」 ふいにはそう言って部屋を出て行く。 「ど..どうしよう。ちょっとキツ過ぎたかしら...」 狼狽する妻に 「しかし、変に慰めるのもおかしいからね。ラスティ君が否定した以上、こちらが勝手に自分のせいだと言うあの子を肯定することは出来ないよ」 とユーヒは苦笑で返す。 いやはや、経済を読むよりも大変だな... 少し、軍事方面に明るい友人を通して探ってみようか。 ふとそんなことを思ったが、下手すればプラントに戻ってきたときにそれが要因で少し早く戻ってこれたといちゃもんを付けられたらラスティの苦労が水の泡になってしまう。 そういえば、最近耳にした政界の事情を思い出した。 「マッケンジー氏はジョウイ殿を後継から外したらしいよ」 不意に夫が口にしたことに彼女は驚いた。 「じゃあ、逆恨みでちゃん...」 「んー、どうだろう。それはマッケンジー氏が防ごうとすると思うけど。一度は後継とした人物のこれ以上の不祥事はあまりにも拙いだろうからね。それに、ラスティ君じゃないけど、政界のことならラクス嬢の耳にも届いているだろうし」 まあ、そうだろうが... 「しかし、今回のこれはが成長するのに丁度いい事件だったかもしれないね」 「悠長なこと言うのね」 呆れたように言う妻にユーヒは苦笑する。 「ラスティ君のあの様子を見てたら小さなことでビクビクするのが何だかみっともない気がしてね」 「あらあら。とても褒めてもらえてるじゃない。良かったわねー、ラスティ」 窓の外、遠い地球を想いながら彼女は呟く。 まあ、環境が変わってもラスティなら全く戸惑いなんて見せないだろうから、そっちは全く心配しなくて済むことは非常に助かる。 |
桜風
11.2.14
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