| 「あ、あの...・です」 手を引かれたままは自己紹介をした。 「アイシャよ。アンディ..アンドリュー・バルトフェルドと一緒にいるわ。ラスティとはどういう関係?恋人??」 はっきりと聞かれてはドギマギしながら「...違います」と自分の言葉に打撃を受けながら正直に応えた。 「子供には興味ないって」 「あら?貴女の何処が子供なのかしら??とてもステキなレディだと思うわよ?」 アイシャにこういわれてははにかむ。 お世辞でも嬉しい。 ラスティ以外にもディアッカに子ども扱いされた経験があるので、は自分を『子供』だと信じている。 「えーと、ここね」 道すがらにラスティの話をした。少し誇張表現もあったかもしれないが、概ね間違っていないので訂正や注釈は加えないことにした。 「じゃ、ワタシ行くわ」 「あの、ありがとうございました!」 「ああ、その部屋の中、お酒臭いかもしれないから窓開けなさい。じゃあね」 ウィンクをして彼女は上機嫌に去っていった。 隊長の恋人とかそういう肩書きがあるとザフト兵が相手だと何だか境界線を引かれている感じがするのだが、はそう言うのがなかったので、何だかちょっと嬉しかった。 足取り軽くアイシャはバルトフェルドの部屋に向かう。そろそろ書類仕事も終わっているだろう。 そしたら、外に出てデートでもしよう。 はドアをノックしてそっとドアを開けた。 隙間から覗き込むと部屋の電気は消えているようで少し暗い。外の明かりが入ってきているとは言え、カーテンもきっと閉まっているのだ。 そして、アイシャが言ったとおり、部屋の中からはアルコールの匂いが漂ってくる。 「くさい...」 眉間に皺を寄せては「お邪魔します」と声を掛けて部屋の中に入り、カーテンと窓を開けて空気の入替えを試みた。 ベッドを振り返ると、ラスティが眠っている。 そういえば、とはふと思う。 ラスティが寝ているのを見るのって初めてかも... うたた寝をしてるのは何回か見たことがあるけど、覗き込んでも起きないのは今回が初めてに思える。 じっと覗き込んだ。 いつもへらへらと笑顔を浮かべているのが当たり前で、こんな静かな表情があるなんてちょっと意外だ。 いや、寝ている間もヘラヘラしているほうが怖いが... そっと髪に触れてみる。 意外と柔らかいその髪質がくすぐったい。 そうやって遠慮がちではあるが、普段出来ないことをしているとふいに手を引かれてバランスを崩してベッドに顔から突っ込む。 「いたい...」 鼻を押さえて呟き、文句を言おうと顔を上げるとラスティの顔が間近にあり、思わず目を瞑るとふに、と鼻を摘まれた。 「なにしてんの...」 寝起きのかすれた声でラスティがいう。 「いひゃい」 「だろうね。鼻、摘んでるもん」 ぺちぺちとラスティの手を叩いて抗議をしたらやっと手を離してくれた。 体を起こして「で?なんではここに居るの?」と言ってベッドから降りた。 「アイシャさんが案内してくれたの」 「あの人は...」とラスティは呟き、「んで?地球に降りてきた理由は?学校行事?」 そう言って冷蔵庫から水のボトルを取り出して直接口をつけて飲み始めた。 も慌ててベッドから降りて少し皺になってしまった服を叩いて延ばし、「ちがう」と答える。 「ラスティに、会いに来た」 ゲホゲホとラスティが咳き込み、は慌てる。 「え、なに?!」 「ラスティに、会いたかったの」 これまた直球だ... 「へー、それはどうも」とラスティは返して突然服を脱ぎ始めた。 は慌てて回れ右をする。 「な、何で服を脱ぐの?!」 「えー?せっかく空から降りてきたをこのまま酒臭い部屋に置いとくわけには行かないでしょう。シャワー浴びるからちょい待ってな。出かけるよ」 「ホント?!」と嬉しくて振り返るとラスティはズボンを脱いでるところだった。 「ふぎゃー!」と叫んでは慌てて部屋を出た。 が部屋を出たのを確認してラスティは盛大な溜息をついた。 がここに居るなんて思って無かったから夢だと思っていた。だが、その寸前で現実だということに気が付いて、正気に戻った。 「危なかった...」 自分も相当疲れてるな... そう思いながらとりあえず、出かける支度をしながら冷静になれる時間を稼ぐことにした。 |
桜風
11.4.18
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