| シャワーを浴びて着替え終わったラスティが部屋から出ると、手持ち無沙汰そうにしているがいた。 「んじゃ、行こうか。その前に、寄るところあるからちょい待ってね」 そういいながらラスティが歩き出し、がそれに続く。 「それ、貸しな」と言いながらが持っている旅行バッグに手を伸ばす。 「ありがとう」と言ってはラスティの隣に並んだ。 「学校、どう?」 「うん、難しい」と少し恥ずかしそうに言って笑うにラスティは苦笑した。 「友達は?あとで待ち合わせるんでしょう?」 当たり前に誰かと一緒に来ていると思ったラスティが聞くとは得意げに笑って「ひとりだよ」と言う。 「へ?!」 「シャトルのチケットも、アルバイトをしてお金を溜めて買ったんだ」 「は?!」 ラスティが素直に驚く様子に満足してはニコニコと笑っている。 それに対してラスティは肩を竦めた。これまた、急成長を遂げているみたいだなぁ、と。 「でも、だったら尚の事。ユーヒさんが良く許してくれたね」 反対するだろう、あの人は。 「あまり強く反対しなかった。学校の勉強を疎かにしないことを条件にアルバイトも認めてくれたし」 空は空で、面白いことが起きてるんだな... 「ここで待ってな」と言ってある部屋の前でラスティが止まる。 ブザーを押すと返事があり「ラスティ・マッケンジーです」と名乗ると、「入りたまえ。そこのかわいこちゃんも」と言われてラスティは苦い顔をする。 ドアを開けて入るとそこにはアイシャもいた。 アイシャはヒラヒラとに向かって手を振っている。 「さきほどは、がお世話になったそうで」と言いながらラスティはバルトフェルドに書類を提出した。 「うん、まあ。休暇中だから外泊もいいぞ?」 「そうなったら連絡します」 ラスティの言葉にバルトフェルドはニヤニヤと笑って「で、そのかわいこちゃんの名前は何と言うのかな?」とに声を掛けた。 何でさっきから顔を合わせてもいないのに『かわいこちゃん』なんていわれるんだろう、と不思議に思いつつも、「・です」と自己紹介をした。 「おお、何と可憐なかわいこちゃんだ。僕は、アンドリュー・バルトフェルドだ。ラスティの上司ってやつだよ」 とおどけながら返すバルトフェルドにはきょとんとした。 隊長ってこう..威厳があって、無駄に怖くて、無駄口とか嫌いで竹刀とか持っているものではないだろうか。 「竹刀は、ないなぁ...」 苦笑してバルトフェルドが言う。 「思ったこと、ダダ漏れ。気をつけたほうがいいよ」 呆れたようにラスティが言うとは慌てて両手で口を覆う。 「いやいや、素直なのは美徳だよ?ラスティのようにひねてしまうと可愛くない」 「可愛いじゃないですか、全く。素直じゃないですねー」 バルトフェルドの言葉にラスティが軽口を返す。 「ほら。可愛さのかけらも見えないだろう?」 そう声を掛けられたは困ったように笑った。 「ラスティ」と名を呼ばれてアイシャを見ると彼女が何かを投げて寄越した。 受け取ったラスティは眉を上げる。 「ザフトの車なんてダサいわ。それ、貸してあげる」 「僕の車なんだがねー...」 アイシャはバルトフェルドの車のキーを投げて寄越したのだ。 「うわー、これは助かる。ありがとうございます。じゃ、そろそろ行くので」 そう言ってゆるい敬礼をしてラスティは踵を返し、も慌ててラスティの後を追った。 「お邪魔しました」と深く頭を下げてドアを静かに閉める。 の言葉に頷いて見送ったバルトフェルドがアイシャを見た。 「ところで、ラスティにあれを貸したと言うことは。僕達は今日は出掛けないということなのかな?」 「遥々プラントから好きな人に会いに来た女の子のために、こちらが遠慮してあげないでどうするの?」 「ま、ちゃんのためなら僕も異存は無いが...相手があのラスティって言うのがイマイチ理解できないね。昨日も隊長クラスと飲み明かしてたんだろう?」 「媚は売っていない。けど、みんなのお気に入り。怖い子ね」 からかうようにバルトフェルドに言うアイシャは先ほど放ったらかしにされたお返しと言わんばかりの反応だ。 「はいはい。じゃあ、今日の僕達は屋内でイチャイチャしますか」 バルトフェルドの言葉にアイシャは満足したように微笑んだ。 |
桜風
11.4.25
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