Flower garden 10





配属された翌日。

朝食はニコルと供に食堂へと向かった。

昨晩自分の話をした後、気になっていたから公安とやりあったことの経緯を聞いた。

そこでもレオンの名前が出てきて驚いたが、彼が元気だということを知って安心した。

「意外と、って失礼かもしれないけど。友情に篤いんだな」

「そうですね。別に仲良しこよしってわけじゃないですけど、何が大切かってのは同じだったみたいです」

少し誇らしそうにそう言ったニコルを羨ましいと思った。

いいなぁ...

自分にはそういう仲間は居ない。

いるはずがない。

友人、と呼べそうな人物は居たが自分は頭からその人物を騙しているのだ。その負い目もあるから相手に心を開くことなんて出来ない。

自分が心を開かなければ相手も心を開かない。

それがループしているんだから、彼らのような仲間は出来るはずがない。


「おはよ」

肩をぽんと叩かれて振り返るとラスティが居た。

「おはよう」

「おはようございます」

「てか、ニコルたちってちっちゃいコンビだな」

ラスティにそう言われてニコルは勿論も不機嫌になる。

「うへー、可愛いなー」と言いながら2人の頭をなで繰り回しているラスティに、「ラスティ、」と呆れたように窘めたのはアスランでニコルはアスランには笑顔で挨拶をしている。

も、おはよう」

ボサボサにされた髪を撫でていたは慌てた。

「おはよう。あーえー..アスランだったっけ?」

「ああ、よろしくな」

4人揃って食堂に入るとクルーゼ隊の赤2人が既に席についていた。ひとりは現在は緑だが...


配膳の列に並びトレイを持ってそちらに向かった。

は少し及び腰だったがニコルが誘い、それについていった。

「おは」とディアッカが声を掛ける。

「はよー。早いじゃん」とラスティがテーブルに着いた。

「あー、まあなー」と言いながらディアッカがイザークを見た。

かなり不機嫌そうだ。

「まあ、体が重いのは仕方ないって」

苦笑しながらラスティが言うと「やかましい」とご機嫌斜めな返事があった。

どういうことか、とはニコルを見た。

「実は、僕たちは少し体が重いんです。ダルいって表現がいいのかな?地球の重力に慣れていないから。も最初はそうじゃなかったんですか?」

そんな前の事なんて覚えていない。ただ、を演じるのに必死でそんなのが気にならなかったのかもしれない。

「まあ、そういうコト。てか、俺自己紹介してないよな。ディアッカ・エルスマン。よろしくなー。んで、このご機嫌斜めがイザーク・ジュール」

「何だ、貴様。その紹介の仕方は!」

ああ、本当にご機嫌斜めだ。

でも..

「“エルスマン”?」

「あー、そこ引っかかる。そ、フェブラリウス市の代表は俺の親父」

「あ、フェブラリウスの代表ってエルスマン氏だったっけ?」

の言葉にニコルを除く全員がきょとんとした。普通“エルスマン”に反応したらそれが気になるところだろうに...

は、ドクターのレオン・エルスマンと知り合いだったみたいですよ」

「あ、そっち?ああ、レオン・エルスマンは俺の従兄」

「へぇ...あー、何処となく似てなくもないけど。やっぱ従兄だったらそこまで似てないか。あ、オレは。バルトフェルド隊に居たんだ。よろしく」

「ああ、よろしく。てか、ラスティ本当に謝ったんだ?お前、素直だよな」

苦笑しながらディアッカがラスティに声を掛けた。因みにディアッカのトレイは空になっている。イザークはまだ食べ切れていない。

「素直ってのは美徳だよ?ツンデレのブームはもう去ったね。聞いてる、イザーク?」

「そこで何で俺に話を振るんだ、貴様...」

唸るように言うイザークをディアッカが宥めながらラスティに向かって眉間に皺を寄せる。

それを受けてラスティは肩を竦めた。

「ホントに、仲良いな」

ポソリと呟いたの言葉にニコルを除くクルーゼ隊の4人は「はぁ〜?!」と揃えて声を上げた。

あまりにも綺麗にハモってしまったので4人はそれぞれの顔を見合わせる。

その様子がおかしくてはクツクツと肩を揺すって笑う。

「皆子供なだけですよ」

肩を竦めて言ったのはニコルで、最年少の同期にそういわれた彼らはぐっと言葉に詰まった。









桜風
09.7.1