| 面倒ごとは避けたい、そう思っていたのに... オーブには学びたいことがあるからやってきた。それなのに、何故か見知らぬ人間と同棲をする羽目になった。 「ベッドは貴様が使え」 「何を言うか!私がソファになるに決まってるでしょ?!」 先ほどからその応酬だ。 「俺は別にベッドでなくても構わん。そういうところで生活をしていたこともある」 「いいの!雇い主の方が良い生活するのが当たり前でしょ!!それに、ベッド取っちゃったらイザークはここで寝るでしょ?朝食の仕度始めたらきっとうるさくて安眠妨害だよ」 結局、折れたのはイザークだ。 「...給料は要らんと言っても貴様は着の身着のままと言った感じだが?」 不意にそう思った。は荷物など一切持っていない。 「あ、そういえば...2日に一度ノーパンノーブラってのになるわね、このままだと」 イザークは額に手を当てた。 「少しは恥じらいを持て...」 「ああ、ごめん」 イザークの言葉には軽く謝罪の言葉を口にする。 「すぐ近くにコンビニがあるから。そこで下着は買って来い。シャツは、適当にとりあえず俺のを貸してやるから」 「感動するくらい面倒見がいいね」 心底感心したように言うにイラつきながらもイザークはカードを渡した。 は驚く。 「ちょ、流石に初対面にカードを持たせるのはまずいよ」 「コンビニには俺も用がある。一緒に行くさ」 「ああ、支払いは私がするのね。はいはい。そうね。イザークが女性の下着をかごに入れて購入って大変何かの罰ゲームよね」 の物言いに、再び大きな溜息を吐いてイザークは玄関に向かった。 笑いたくなるくらいの豪雨をイザークはもの珍しそうな表情を浮かべている。 「バケツをひっくり返したような雨だね。最近此処までの雨、見ないよ」 隣を歩くがそういう。 イザークの家には傘が1本しかない。折りたたみ傘は持っているが、それだとこの雨に耐えられそうにないため、仕方なく2人はその傘に入っている。 コンビニで傘も購入せねば... そんな事を考えていたらコンビニに到着する。 イザークは切らしていたドレッシング等を籠に入れた。 「何、ドレッシングって買うの?」 「ああ、こっちに来てから買っている」 「...私がいる間は買わないことにしない?」 の言葉にイザークは何となく反発したい気もした。 これはオーブに降りて以来、初めて口にしたときからのお気に入りのドレッシングだ。 だが、まあ。あと1週間の我慢と思い、の言うようにしてみることにした。 結局購入したものは、カクテル缶数本と傘との下着だけだった。 それでも律儀にイザークは荷物を持つ。 「私、持ちますよー」 が言うがイザークは無視をしていた。 一緒に歩いているのに自分が手ぶらでが重そうに荷物を持っていて、また何かを囁かれたら堪ったもんじゃない。 家について彼女に購入したものを渡す。 「どーも」と言って受け取り、彼女は自分の下着を取り出した。 「で、イザーク。1週間の食費の予算は?」 「予算?」 イザークが眉間に皺を寄せた。 「無計画なの?!」と驚いたに 「いや。一応、1ヶ月これくらいって考えてはいるが...」 とりあえず、自分の蓄えは普通に学生をしていくのに困らない程度ある。質素に、と心がけているが、多少羽目を外すことをしても生活を心配するほど困るようなことにはならない。 「じゃあ、1ヶ月でどれくらい?」 の問いにイザークは素直に応えた。 「意外と贅沢ね」という彼女の言葉にイザークは驚く。 「そうか?」 「1人暮らしの学生でしょ?バイトしていないなら親からの仕送りだけ。で、これ?よほどのお坊ちゃんなのね」 呆れたようにが言う。 自分の蓄えだ、と反論しようかと思ったが、もう面倒くさくて辞めた。 「これだと、楽勝だから。少し締めてみようか」 が呟く。 支出を抑えると言うのだ。 「不利になるんじゃないか?」 「逆。これで抑えられたら、結構良いアピールにならないかしら?」 ニッと笑いながら言うにイザークは肩を竦めて応えなかった。 彼女は1週間の食費を決め、それをイザークから受け取る。 「じゃあ、お手並み拝見といこうか?」 挑発的に言うイザークに 「ま。見てなさいってね」 も挑発的に返す。 の住処を賭けた1週間が始まる。 |
桜風
09.1.16
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