| とイザークの共同生活が始まった。 朝起きると既に朝食の準備がしてある。 毎朝パンを焼いて、バターを塗って。時間と気力があったらスクランブルエッグなども作るが最近は面倒くさくて省略している。 昔からの習慣で朝は強い方だが、食事を作る気力まではないのだ。 「おはよ、イザーク。先にシャワー浴びちゃいな。その間にコーヒー淹れるから」 がそういう。 卓上のサラダやハムエッグに早くありつきたいとも思ったが、とりあえず身だしなみを整えるのが先だ。 「最初に張り切りすぎると後でガス欠になるんじゃないか?」 イザークはそう言いながらシャワールームに向かった。 とりあえず登校の仕度を終えて席に着く。 サラダに掛けるドレッシングはどうやらの手作りのようだ。 昨日自分のお気に入りの購入を止めてまでが作ったそれに一番関心を示した。 しかし、口に入れて言葉を失う。 「どう?お口に合いますか?」 そう言いながらはイザークにコーヒーを淹れた。 「ああ」と返してイザークは黙々と食事を続けた。 「ねえ、掃除したいんだけど。部屋に入っても良い?」 デザートのフルーツに手を伸ばしているとが聞いてくる。 「ああ、構わん。だが、あまり弄るなよ」 「ベッドの下を覗いても?」 「面白いものは見つからんぞ」 イタズラっぽく笑うにイザークはげんなりと返した。 だから、恥じらいとか...! 「じゃあ、掃除と洗濯。あと...何かやっておいてほしいことは?」 「特には...」 思い当たらない。 元々実家にいたときは家事なんてものをしたことがないし、ザフトにいたときも掃除と洗濯くらいしかしなかった。 リネン等は艦にいたときは事務官に渡していたし。アカデミーの寮でも似たようなものだ。 「じゃあ、今日は天気もいいし色々洗濯しようっと」 そう言ってイザークに付き合って椅子に座っていたが立ち上がる。 「スコールは?」 「んー、今日の風はそんな感じじゃないから。午前中に済ませたら乾くまでは雨降らないと思うし」 はこともなげに言う。 元々この国の人間だからある程度予想はつくのかもしれない。 「そういえば、貴様の朝食は?」 「後で食べるよ。食卓を共にしてはいけないでしょうから」 いいながらイザークの前に並ぶ空になった皿を片付け始めた。 確かに、実家にいたときはそうだったが。 それは、使用人と家の者という区別が必要だったから... いや、今も似たようなものなのか? でも、自分の感覚としては違うし... そんな事を悶々と考えていると「ほーら、イザーク遅刻!」とに声を掛けられて慌てる。 「何時ごろ帰るの?」 「今日は図書館による予定だから19時ごろだな」 イザークが靴を履きながら返すと「りょーかい」と適当に敬礼を向けるがいた。 危うく敬礼を返しそうになってイザークは慌てた。 自分の部下にも適当に敬礼をする人物が居た。だから、適当な敬礼でも返しそうになるときがある。 「鍵は貴様が持ってろ」 「はーい」 そんな会話をしてイザークは慌しく家を後にした。 の言ったとおり、雨は図書館から出たごろから降り始めた。 この時間ならもう洗濯物は取り込んでいるだろう。 家に着き、ドアを開けると空腹を刺激する香りが漂ってきた。 「ただいま」と声に出して思い出す。 この家に住むようになってこの言葉を口にしたことはなかった。 家に誰もいないのだから当たり前と言えばそうなのだが。 「おかえりー。時間通りね」 がキッチンからひょいと顔を覗かせて定番の言葉を返す。 「ただいま」と「お帰り」が思いのほか心地良い言葉だと言うことに気がついた。 キッチンに立つをじっと見る。 その視線に気がついた彼女も振り返った。 「何?」 「いや、何でもない」 「ちゅーしたくなった??」 「黙れ」 そんな会話をしてイザークは部屋に入る。 片付けていたつもりの部屋も意外と片付いていなかったらしい。 あまり弄るな、と言ったから物は一応前あった場所に置いてあるが、何となくすっきり感が違う。 「言うだけあるな」 そう呟きながらシャツのボタンを外した。 |
桜風
09.1.23
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