| ディアッカのオーブ観光にはも借り出された。 オーブ出身者がここに居るのに、ガイドしてもらわなくてどうする、とディアッカが言い出した。 イザークは諦めの息をつき、彼からも頼んでくる。 まあ、別に構わないということで、もディアッカの望むオーブ観光に付き合った。 イザークがプラントに帰って数日経った。 インターホンが鳴る。 がドアを開けるとそこにはアスラン・ザラがいた。 「イザークは、今プラントですよ?」 「ああ。今日は君に用事があるんだ、・」 首を傾げながらも、はアスランについていった。 連れて行かれた先はオーブの行政府の官邸だ。 通された部屋は、カガリの執務室だった。 忙しそうに秘書と話をしているカガリが「もう少し待ってくれ」と声を掛けてきた。 はワケが分からずとりあえず頷いて部屋の隅に佇んでいた。 暫くしてカガリが右手で自身の左肩を揉みながら近づいてくる。 「ああ、座ってくれてて良かったのに」と言いながらソファに座るように促してきた。 はおずおずとふかふかのソファに腰を下ろした。ちょっと、座りにくい気がする。 「この間は、ありがとう。楽しかったよ」 何の話かな、と考えて一緒にお茶を飲んだことなのだろうとあたりをつけても「こちらこそ」と返した。 しかし、何で自分はここにいるのだろう? 「実は、私の父、ウズミ・ナラ・アスハはのお父さんと仲が良かったらしいんだ。それで、この間“押しかけ家政婦”って言っていただろう?それが気になって色々と調べさせてもらった。 まず、弟さんは快復に向かっている。が預けた親戚も彼の事を大切にしている。安心していい」 カガリの言葉に驚いたが、同時に安堵と嬉しさがこみ上げる。 良かった。自分の選択は間違っていなかった。 「それと、。お前はまだ未成年だ。後見人が必要だ」 ああ、そうか。国の代表に調べられたらそれくらい簡単に分かるか。 「しかし、私の後見人になってくださる方が居ません」 が返した。親戚はそれを放棄した。 別にそれを恨むとかそんな感情はないが、頼める相手が居ないのも事実だ。 「私が、それになる」 「は!?」 カガリの突拍子もない言葉には思わず頓狂な声を上げた。 「待ってください、カガリ様」 「仕方ないだろう。親戚が居ない。だったら、のお父さんと交流の深かった私の父がそれになればいいが、知ってのとおり私の父も亡くなっている。 だったら、私がの後見になってもおかしくないだろう?」 「いや、おかしいと思います。だって、“友達”だったのでしょう?親戚とか、血縁関係があるとかなくて」 の言葉にカガリが頷いた。 「だったら、赤の他人ですよ。面倒を見る義理はありませんよ?」 親戚でさえ、面倒を見ないといってきた自分だ。 「父が、約束をしていたんだ。のお父さんに何かがあったら自分が残された氏の家族たちの面倒を見る、と。私の父も同じ頃に亡くなったから、私も聞いていない。だが、手紙でそんな遣り取りをしていた。だから、父の跡を、意思を継いだ私がその約束を守りたい」 カガリの言葉には反応しきれない。 現実離れした話だ。 国の首長に何を頼んでいるのだ、自分の父は。 「それに、手紙にあったんだ。は外交史を専攻していたそうだな」 「え、あ。はい」 庶民の歴史とも言える民俗学を父が研究していた。だから、自分は国の歴史の外交史を専攻した。 これで、世界の歴史の2方向を学ぶことが出来ると思ったのだ。 「しかも、飛び級だな?」 「え、あ..はい」 控えていたアスランが驚いた表情を浮かべた。 「コーディネーターでは珍しくないが、ナチュラルではとても珍しい。のお父さんは手紙で“神童だ”って言ってたぞ」 恥ずかしいな、もう...! 「知っての通り、今の世の中は目まぐるしく色々と動いている。そんな中で外交と言うのはとても重要だ。には、それを担ってもらいたい。せっかくの才能だ。 勿論、無理強いはしないし、がそれを断ったからと言って私が後見人をしないなんてせせこましいことは言わない。考えてみてくれないか?」 は俯いて考える。 もの凄くいい話だ。蹴る方がどうかしている。 でも、頷けない。 「いつまでにお返事を?」 搾り出すような声でが問う。 「...半年後でいいぞ。プラント側も半年は彼に復帰を要請するつもりはないといっていたから」 苦笑しながらカガリが言う。 は驚いて顔を上げた。 カガリはしてやったりと言った表情を浮かべている。 「ありがとう、ございます」 「まあ、後見人と言うのは今日からだからな。手続きはこちらでしておく」 カガリの言葉には頷いた。 |
桜風
09.4.3
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