| 連日連夜会議が行われる。 机上の空論、と思いながらもラスティはその会議に出席していた。 「はぁ...」 会議が終わり、溜息と共に机に突っ伏す。 「大丈夫か?」 「は元気かなぁ...」 呟いたラスティの言葉に同僚は苦笑した。 「何だ、とどれくらい会えてないんだ?」 「3日」 「んなもん、我慢しろ!俺なんて2週間家族に会ってねーよ!!」 そう言い放って同僚は会議室を後にする。 「主任も気を利かせてくれても良かったのに...オレとってば超ラブラブだよ?」 ぶつくさと不平を口にしつつも、先ほどの会議で導入が決まったシステムの開発に移る。 毎日会っているのは、このシステム開発のチームを組んでいる同僚だけで、会いたい人には会えないと言う拷問を受けている。 (オレ、今ならに会えるって条件で何でも話すよ) ザフトの機密事項だって話しちゃうかもしれない。 プラントに居る友人達が聞いたら目くじらを立てそうなことを思いつつ、ラスティはちょっとだけ腐りながら手と頭を動かした。 所用で研究室の席を外し、戻ってくると入り口で研究室の中を覗っているの姿を見つけ、ラスティは知らず、ダッシュしていた。 「!」 ぎゅうと抱きしめる。 「ラスティ?!」 驚きの声を上げたはすぐに「痛いから離して」とラスティの腕をポンポンと叩く。 「あ、うん。ごめん」 腕を緩めてラスティは謝る。 「班長は?」 「オレに会いに来たんじゃないの?!」 心外だ、と言わんばかりに声を上げたラスティだが「うん」とは頷く。 「たぶん、主任にでも呼ばれてるんじゃないかな?居ないんでしょ?」 ラスティが拗ねながら答えると 「そっか」 と幾分残念そうなの声が耳に届いて益々拗ねる。 「どうしたの?」 「拗ねてるんだよ」 「そうなんだ?じゃあ、また時間を見て来るから。班長の不在、長くなりそう?」 が問うと 「しらない!」 とラスティがプイとそっぽを向いた。 「そ?じゃ、またね」 そう言ってラスティをおいては仕事に戻った。 『超ラブラブ』と思っているのはラスティだけで、本当はかなりの片思いだというのが周囲の評価だった。 今だって、こうして、3日ぶりに会ったと言うのに感動の再会どころか、難なく邪魔扱いすらされている。 しかし、その類の噂を聞くたびにエリカはクスクスと笑っていた。 の照れ隠しは、素晴らしいクオリティなのだ。 誰にも『照れ』を悟られずにいるのだ。 通信で済ませられる用事も、足を伸ばしてラスティの開発チームの研究室に向かうことだってあるし、休憩室でコーヒーを飲みながら休んでいるときに窓の外にラスティの姿が見えればその表情は柔らかくなる。 「あなたとラスティ君、性別が逆だったらもっと上手くいってたかもね」 研究の進捗状況を報告に来たにエリカが苦笑しながら言う。 「はい?」 「コーヒー、飲んでいきなさい」 そういいながらカップにコーヒーを注ぐ。 は大人しくそれを受け取った。 一口飲んでホッと息を吐く。 「それで、主任。さっきの、何ですか?」 「ん?さっきの??」 「私とラスティの性別が..って話です」 「ああ、うん。ラスティ君の愛情表現がストレートで可愛いから」 「可愛くなくて悪かったデスネー」 拗ねたようにが言う。 「あら、今凄く可愛いわよ。ラスティ君呼んで来ましょうか?」 「遠慮します」 つんと拗ねて言うにエリカは笑う。 「、ラスティ君にもこれくらい素直だったらねー。彼のアレは、自分の愛情が届いていないのではないかと言う心配から来てるものじゃないかしら?」 「主任は、機械工学どころか、心理学まで造詣があられるんですねー」 とが皮肉で返す。 「子供がいるから、そういうの結構自信があるわよ?」 の皮肉を軽く流すところが益々大人だ。 居た堪れなくなり、は急いでコーヒーを飲み干して流しでカップを洗い、「仕事に戻ります」と言って部屋を出て行った。 「あら、逃げられちゃったわ...」 エリカはそう呟き、デスクに向かった。 |
桜風
12.9.17
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