dawning 3





作業がひと段落つき、共同開発に移行することになる。

から共同開発のチームが何処なのかを聞いていたラスティは、心から不愉快そうにしていた。

それに気付いた彼はクスリと笑う。

「ラスティ!」

自分のところの班長に怒られた。

ラスティは、元々ザフトで赤を着るだけの高い能力を持っていた。

体の動きは、当時に比べれば不自由になったが、頭の動きは何ら変わりない。

つまり『優秀』なままなのだ。

だから、班長からも結構重宝がられている。全員が出席する会議以外の、数名で行う会議にも出席を求められ、今回もそれだった。

「すみませーん」

全く心の籠もっていないラスティの謝罪にまたしても班長が声を上げる。

「君が、元ザフトのラスティ・マッケンジー君だね」

「『元ザフト』って枕詞が要るのかどうかギモンですけどねー」

(あー、ホントこいつ嫌い)

ラスティはそう思ったが、自分の感情をさらすのをやめた。本能で、彼を敵だと悟ったからだ。

それから、改めて会議を行い、これからのプランについて話し合いが進んだ。



「第2フェイズに入ったみたいよ」

エリカが言う。

「アレをさせたのがラスティのいる班って、物凄く計算尽くされていますね」

が半眼になってエリカを見た。

「ふふふ、わかる?」

「わからいでか!って感じです。第一、ラスティのところの班長も知らないんですよね?」

「知らないわね。でも、ラスティ君は気付くわよ」

コクリとコーヒーを飲んで言う。

「気付くでしょう、ラスティなら。あの子、ああ見えて超優秀なコーディネーターですから?」

の言葉にエリカは笑う。

「ごめんごめん。このことが済んだら、2人まとめて長期休暇あげるから」

「それでお終いですか?」

が問う。

エリカは肩を竦めた。

「ラスティ君の転属。チームへ」

「あ、それはいいです」

がお断りした。

「いいの?毎日会えるじゃない」

「...仕事になりません」

どちらがと言わないがはそういった。

溜まらずエリカは声を上げて笑う。

一頻り笑って、真顔になった。

「あっちは感づいてそう?」

「私を誰だとお思いですか?」

自信たっぷりにが笑う。



共同研究を始めてラスティは、少し違和感を感じている。

相手の班長、気に入らないのは変わらないが、彼がどうにも自分に興味を持っているようなのだ。

にちょっかいを出していたから、彼女の彼氏である自分に興味を持ったのだろうか。

...自身に彼氏って認めてもらえるかどうか甚だ疑問だが。

「ラスティ君」

「マッケンジーです」

一々否定する。

コイツに馴れ馴れしく名前を呼んでもらいたくない。

「ああ、すまない。マッケンジー君。この箇所について、君の見解を聞きたいんだが...」

(テメーのトコの研究員にでも聞け!)

と思いつつ

「あー、そこ?そうですねー。オレとしては...」

と一応意見を述べる。あまり深いところを語らずに。


その日は遅い昼休憩となった。

「ラスティさん」

声をかけられて振り返る。

共同開発チームの人だった。

「今からお昼ですか?」

「そうだけど」

「では、ご一緒させてください」

そう言って彼女はラスティと共に食堂に向かった。

食堂に向かっていると、向こうからがやってくる。

(全然家に帰れていない。のウソツキ!)

そんなことを思いながら、ラスティは歩調を速める。

!」

「ああ、ラスティ」

班長、どうも」

ラスティに着いてきていた彼女が挑むようにに声をかけた。

「どうも?」

も同じ言葉で返す。

余裕があるようでカッコイイ。

(さすが、!!)

何だか鼻が高い。

ラスティは若干胸を張る。

「今からお昼?」

がラスティに問う。

「うん。は?」

「終わったところ、残念」

肩を竦めて彼女が言う。

「では、班長。また」

そう言って彼女は無理矢理ラスティの腕を掴んで食堂へと急ぐ。

「え、ちょっと...!」

ラスティはずるずると引き摺られていった。

振り解くことはできるけど、そんなことをしたらが幻滅するかもしれない。

!」

振り返って彼女を見る。

(あれ...?)

あまり見ることが出来ない表情で彼女はこちらを見ていた。

はっと気付いたように彼女は笑顔を作り、手を振る。

ラスティは半ば呆然としながら彼女に手を振り返した。









桜風
12.10.1


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