| (むっかつくー!) ラスティが腕を組まれて引き摺られていく姿を眺めてはそう思っていた。 基本、感情の起伏はあまり無い。 だが、今はかなり腹立たしく思っていた。 すると、ふとラスティが振り返ってきたので慌てて笑顔を作って手を振る。 彼は手を振り返した。彼女に引き摺られながら。 (あー、腹立つ) 笑顔を浮かべてそんなことを腹の底で思っていた。 (おかしいなー...) はどうやら怒っていた。 理由が分からない。というか、思いついた理由がその通りだったら... (わっ、オレ超嬉しい...!) そんなことを思っていると 「ラスティさん」 と隣に座っていた彼女が戻ってきた。 食事が終わり、水のお替りを取ってくるといってラスティのコップも取り上げたのだ。 自分のことは自分で出来る。 アカデミーに入って、ザフトになってヴェサリウスに配属になって... 軍は自分のことは自分でするのが原則だ。人の世話を焼いても焼かれてもそれは別に口出しされないが、あまり干渉されるのが好きではなかったラスティは、友人達が放っておいてくれた。 凄く気が楽だった。 だが、隣に座っている女はどうだ? 溜息が零れる。 「先ほど、班長と仲良さそうにお話されていましたけど...」 探るように彼女が言う。 「オレ達ラブラブだから」 本人が聞いたら「へー」と軽く流しそうなことを言う。 「え、班長と、ですか?」 「有名だよ?」 (何か、オレの片思いだって言われてるみたいだけど...) 甚だ不本意である。 「でも、あの人ってコーディネーター...」 「オレもだし」 「けど、あの人は出来損な..きゃっ」 彼女はそこまでしか言えなかった。 隣に座るラスティから水をかけられた。 「クリーニング代は払うから、後で請求して」 そう言って立ち上がり、自分の食事のトレイを片付けて食堂を後にする。 食堂を出て息を吐く。 (危なかった...) うっかり彼女をぶん殴るところだった。 女の子を殴ったらそれこそ、になんて思われるか... (けど、何となく見えてきた...) があの班長と一緒に歩いていたのも、きっと自分の勘で考えているそれが原因のはずだ。 「そっかー」 途端に機嫌が良くなる。 ラスティは軽くスキップしながらある部屋に向かった。 ブザーを鳴らすと「開いてるわよ」と声をかけられた。 「どーもー。主任」 部屋に入ってラスティは軽く手を振る。 うっかりザフトの敬礼をしそうになって、それを誤魔化したのだ。 だが、彼女にはお見通しだったらしく彼女はザフトの敬礼をしてきた。 ラスティは苦い顔をする。 しかし、気を取り直して 「オレに何をさせたいんデスカー」 と用件をサクッと言ってみた。 それを聞いた彼女は声を上げて笑う。 「うん、さすが!元ザフトレッドは伊達じゃないってことね」 「何言ってるんですか。オレだから、ですよー」 人の干渉を嫌い、でも、自分が執着したものにはとことん執着する。 「プラントのスパイなの」 誰の事を指しているのか、ラスティはすぐに分かった。 「何でそんなもんを班長にするんですか」 半眼になって訴える。 「うーん、固めちゃった方が良いでしょ?」 「え、あの班全部?」 「大半、ね」 そんなに大人数だとは思っていなかった。 「けど、オレ達の班の研究は、ホンモノですよ」 「そう。ホンモノだし、他所に簡単に出したくないもの」 「あー、やな性格」 それを含めて何とかしろという、ある意味丸投げだ。 「これが綺麗に片付いた暁には、と共に長期休暇をあげる」 「もう一声!」 ラスティが言うとエリカは困ったように笑った。 「に先に話してみたのよ、あなたの転属。チームへ、って」 「あー、断られちゃったんですか...」 苦笑してラスティが言う。 「そう。それ以外に何かあるかしら?」 受け入れ先に断られてしまったのだ。仕方ない。 「ちょっと考えてみます」 「いいわよ。ただし、お金の掛からないのでお願いね。予算、出ない可能性が高いから」 「えー!オーブの技術の漏洩を防ごうとしているオレに、それはないでしょ」 笑ってラスティが言う。 エリカは申し訳なさそうに笑って、「ごめんなさいね」と言う。 (まあ、いいや...) 何だか、やる気が出た。 これが終わったら、と超ラブラブデートするんだ! |
桜風
12.10.8
ぶらうざばっくでおもどりください