| ある程度容疑者は絞り込めた。 ラスティは、暗号化したメールを送る。 その数日後、通信を送った。 モニタの向こうに映る人物が非常に懐かしく感じる。 「ディアッカ、おひさしー!」 「おひさし!」 軽く挨拶を交わす。 「で、どうだった?」 「今回の、結構根が深そうだぜ。イザークの眉間の皺が3割増」 「わーお、大丈夫かな?てか、それって形状記憶してるんじゃなくて??」 ラスティの言葉に「五月蝿いぞ!」とモニタに映らないところから鋭い声が聞こえた。 「ラスティ、今何処?」 「家。曰く、一番安全な通信環境だって」 「オッケ。え、てか。モルゲンレーテよりも安全な通信環境が自宅って、凄くね?」 「そりゃ、オレのだもん」 胸を張ってラスティが言う。 数日前にラスティが送ったメールはおそらく評議会の子飼いのものと思われる者のリスト。 つまり、今モルゲンレーテに送り込まれているスパイの名簿だ。 おそらく、漏れはない。 注意深く観察した上で出した結論だ。 その名簿をイザークに送り、確認してもらったのだ。 「イザーク的には使えそう?」 目の前にその姿は見えないが、ラスティは声をかけてみた。 「そうだな...」 とやはり少し離れたところから少し思案するような声音で同意の言葉がある。 「難しい?」 「相手が思いのほか大物だったからなー」 ディアッカが苦笑して言う。 「わーお。どうする?難しいなら見なかったことにしてくれていいよ。オレの伝手、まだあるし」 「いや、正直使わせてもらいたいが...タイミングを間違うと拙いからな」 「こっちはちょっと急ぎ。今、こいつらと研究してるから」 「何してんの、モルゲンレーテ」 ディアッカが心底呆れたように呟く。 「主任に文句言って。もっと早く教えてくれてたらオレの選択肢はこんなに少なくなかった」 ぶーと膨れて言う。 「だろうなー。ラスティにしては、ちょっとお粗末だと思った」 「オレ、意外と過小評価されてるんじゃないかなー...」 不満そうに言うと 「大方、が止めたんだろう。下手をすれば、ラスティは二重スパイ扱いだぞ。オーブは..国はお前一人切り捨てることくらい造作も無いだろうが、それをさせたくないと彼女は思ったんじゃないのか」 とやはり見えないところから声がした。 イザークは彼女とさほど話したことは無い。 だが、ディアッカやラスティから話を聞いていた。だから、彼女の性格とかそういうのが何となく分かったのだろう。 しかし、それはそれでラスティが面白くない。 「イザーク、ラスティってば拗ねちゃったぜ」 モニタに映っているラスティの表情を見たディアッカは苦笑し、振り返って訴えた。 「知るか」 素っ気無く言葉が返ってくる。 「2週間くれ」 イザークの声がした。 「10日」 ラスティが返す。 暫く沈黙があり、「12日」と返ってきた。 ラスティはこれからのスケジュールを頭に浮かべた。 「...オッケ。何とかできる」 「悪いな」 モニタの前にイザークが出てきた。 「いや、こっちもかなりごり押しさせてもらってる自覚はある」 ラスティが言うとイザークは苦笑した。 「そういえば、これが片付いたら長期休暇をもらえるんだったか?上がってきたらどうだ?」 「ん?」 「親に顔を見せてもバチは当たらんだろう」 イザークの言葉に「んー...」と悩み 「そっか。とプラントでイチャラブするっていう選択肢もあるのか」 「他所でやれ」 即行イザークに言われた。 しかし、ラスティは 「我ながらナイスアイディア!」 とご満悦だ。 「ま、上がってくるなら前もって連絡入れてくれー。一緒に飯くらいいいだろう?」 ディアッカが言う。 「いーねー。目の前でうんざりするくらいとイチャイチャしてやるよ」 「「他所でやれ」」 今度はディアッカも加わってそう言う。 ラスティは声を上げて笑い、「じゃ、よろしく」と言って通信を切った。 |
桜風
12.10.22
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