Gold 3






気がつくと見慣れない天上が見える。

「あれ?」

今の事態を飲み込めなくて思わず声が出た。

「あれ?じゃない!」

すぐ側でディアッカに怒鳴られた。

「お前は水と相性が良くないみたいだから近づくなってあれほど言ってただろうが!!聞いてるのか、!!」

もの凄く怖い顔でそんなことを言われた。

怖い表情だけど、凄く心配してくれたのが分かった。

濡れた髪をタオルで乾かしているディアッカを呆然と見つめる。

まだ水滴のついているディアッカの髪はキラキラと光って綺麗だった。まるで、夏の太陽を反射する水面のように思えた。

...?どうした?何処かおかしいのか?医者、呼んでくるか??」

何も言わずにディアッカを見つめてる私を不審に思ったのか、ディアッカが心配そうに顔を覗きこんできた。

慌ててシーツを被って

「何でもないよ!」

と応えた。

「何だよ。心配させるなっつうの!ったく...」

ディアッカの声がシーツ越しに聞こえる。


ふと、先ほどの夢を思い出した。

あのとき溺れた私が意識を取り戻したとき、私は心配そうな表情の両親とディアッカのお母さんに囲まれていた。

少し離れたところで、ディアッカが立って私を見ていた。

そのときのディアッカの頬は、少し赤くなっていた。


「ねえ、ディアッカ」

被ってたシーツから顔を出す。

「何だよ、寝たのかと思ってたぜ」

ガシガシと乱暴に髪をタオルで拭いていたディアッカが振り返る。

「あのね、聞いてもいい?」

「何だよ」

タオルを肩に掛けてベッドの側の椅子に腰掛ける。

「私って小さいときも溺れたじゃない?」

「ああ、むっかしキャンプに行ったときのことだろ?だから、が水のそばに行くのをダメだって言ってたんだよ」

そう言ってディアッカの眉間に皺が寄る。

「その時も、ディアッカが助けてくれたの?」

そう、聞くとディアッカはスッと視線を外して

「そうだよ」

と答えた。

「頬が赤かったのは?」

「...お前を危ない目に遭わせたから、親父に」

そっぽを向いたままディアッカが言う。

ああ、だからディアッカの頬が赤かったんだ。

ディアッカはおじ様に頬を叩かれたんだ。私のせいで。ディアッカはやめるように私に言っていたのに、言うことを聞かなかったのは私なのに...

自然とディアッカの頬に手が伸びた。

「な、なんだよ」

驚いたようにディアッカが身を引きながら言う。

「ごめんね、ディアッカ。私、またディアッカに助けられたんだね。ありがとう。痛かったよね。あの時も、ディアッカはあんまり遠くに行くなって、水に入ったらダメだって言ってくれてたのに...私がディアッカの言うことを聞かなかったから、ディアッカおじ様に怒られて、頬を叩かれたんだよね」

本当に、ごめんなさい...

「何謝ってんだよ、そんな昔のこと。もっと俺がしかっりしてたらあんなことにならなかったんだろうし」

そう言って苦笑をして私の頭をくしゃりと撫でてくれた。




ディアッカは心配性。
イザークも手が掛かるけど、ヒロインも手が掛かるとか思っているような...


桜風
07.4.7


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