Gold 4






3月の半ば。いつものように招待状が届いた。

ディアッカの誕生日パーティーだ。

ディアッカ曰く。

『子供をダシにして顔を広げようって親の政略のためのパーティー』

だそうで。

ディアッカとしてもあまり嬉しい企画ではないらしい。

正直、私にとっても嬉しい企画じゃない。

だって、必ずどっかの良家のお嬢様が招待されてディアッカにちょっかいを出してるんだから。

それを阻止するべく、私は苦手な社交界に単身乗り込んでいるのだ。

自分でも思う。何て健気なんだ...


「よう」

家を出るとディアッカがエレカに乗って出てきた。

本当なら運転手が居てもおかしくないくらいの家柄だけど、『庶民派』の看板どおりにそういう人はいないらしい。

執事さんは居るけど。結構矛盾してると思う。

「おはよ」

「学校か?」

「そう」

「んじゃ、乗っけてやるよ」

ディアッカがそんなステキな提案をしてくれるから

「ありがとう」

と私も遠慮せずに迷わずディアッカの助手席に座った。


「招待状、ありがとう」

今朝、ポストに入っていたその話をすると

「お袋がポストに入れたんだろうな」

とかそう呟いていた。

「おば様?」

「ああ。だって、他のやつらの招待状はまだ家にあったから」

凄く面倒くさそうにディアッカが答えてくれた。

「もう少しでまた大人への階段を一歩上るんだね、ディアッカも」

「そうだな。またと年が離れるな」

そう言って笑う。

それは、凄く悔しい。

年は平等に毎年1つずつ重ねていくものだからディアッカに私が追いつくなんてことはどんな奇跡が起こったってありえないことだし、言ったって仕方ないのも知ってるけど。

でも、もう少しだけでも近付けたら何か変わるんじゃないかって思ってたりもする。


「つか、来年で卒業か?」

思い出したようにディアッカが聞いてきた。

「そうだよ」

「うわ、早いな...」

感慨深くそう言うディアッカは本当に私を子供に見てる感じがして、ちょっとイヤだ。

「着いたぞ」

ディアッカに声を掛けられて窓の外を見る。

学校の前まで連れて行かれるのを嫌う私のために、少しだけ学校から離れた場所に車を停めてくれる。

「あ。ありがとう」

エレカから降りると

「じゃあ、しっかり勉強しろよ」

そう言ったディアッカのエレカが遠ざかって行った。


溜息をひとつ吐いて学校へと向かう。

どうしたらこの距離が縮まるんだろう。

空を見上げると本日は快晴の設定らしく、太陽が輝いていた。

「やっぱ、遠いな...」

もう1度だけ、溜息を吐いて学校へと向かう。




ディアッカやイザークの誕生日は普通の誕生日会ではないような...
逆に彼らはそう言うのに憧れているのではないでしょうか?


桜風
07.4.14


ブラウザバックでお戻りください