The orange sky 4





車でモルゲンレーテへと向かう。

運転すると言ったラスティだったが「まだ死にたくない」とによって助手席に押し込められた。


のIDで工場区へ立ち入った。

「こっち」と案内された先は応接室だった。

ガチャリとドアが開いて女性が入ってくる。

、心配したわ。昨日連絡貰ってやっと安心できたもの」

「連絡が遅くなって申し訳ありません」

は頭を下げた。

きっとこの女性がの上司だ。仕事も出来そうだし。

ラスティは2人の会話を聞きながらそんな事を考えていた。

「さて、えーと。ラスティ・マッケンジー君?」

まさか本名を呼ばれるなんて思ってなくて少しだけ虚を突かれた気分だ。

「はい」と返事をしながらも少し背中に汗をかき始める。

確かにこの国はコーディネーターも受け入れているが、ザフトは流石に受け入れていないだろう。

「災難だったわね」

エリカ・シモンズと自己紹介した彼女がそう言った。

「え..っと」

何と返して良いかわからずラスティは隣に座るを見た。

彼女は澄ました顔で女性の話に相槌を打っている。

「そうですね。私も話を聞いたときには何と言っていいか分からず思わず持って帰ってしまったんです」

何のこと?と視線で問うが、答えてはくれない。

「ヘリオポリスではぐれたご両親とは連絡が取れたの?街中でMS戦があったのは知っていたけど、巻き込まれてその大怪我でしょう?」

何となくストーリーは把握した。

はこの主任に嘘を吐いてくれたのだ。理由は分からないが、ありがたい。

「連絡は、取れていません。今の地球とプラントの状況だと難しいですし」

「そうね。オーブの方も以前ほどプラントとは少し友好的な関係とは言えないし。でも、やはり心配していると思うわ、ご両親。ご無事だといいけど」


おそらく、がこの主任に伝えた話はこうだ。

ラスティは家族旅行でヘリオポリスに居た。しかし、そんな家族旅行中にザフトがやってきて街中でMS戦を繰り広げ、その際にラスティは重症の傷を負い、今の状態になってしまった。

また、逃げる際に両親ともはぐれてしまい、死に掛けていたラスティをが拾って看病をしたと言うことだろう。

しかし、いつ話したのだろう。

ああ、自分が着替えていたときか。

そう納得していると話が進んでいて慌てた。

「体が不自由だけど、そうね。もし、あなたがその気ならコーディネーターとしてのプラントの知識などの頭脳労働の提供をしてほしいわね」

エリカの言葉を聞いてを見る。

「...ラスティがその気なら、採用だって」

何だか拍子抜けだ。

「オレの周辺を調べたりしないんですか?」

「周辺、と言っても調べられる材料が少ないし。それに、あなたはが連れてきた人だから。それとも、何か思うところがあってに近づいたのかしら?」

笑顔でエリカにそう言われ、ラスティは慌てて首を振った。近づいたとかそんなのではなく『拾われた』が最も正しい表現だ。

「そう?それで、返事は?」

「お願いします」

エリカに頭を下げた。

「こちらこそ期待しているわ。ところで、。どうだった?」


話が変わった。

「残念ながら。私がヘリオポリスのモルゲンレーテについた日にザフトに持っていかれました」

「データ、見られなかったのね」

溜息交じりにそういう。は頷いた。

「何か持って帰ることができれば、と思いましたが。手ぶらで申し訳ありません」

そう言っては頭を下げた。

「ああ、いいのよ。あなたが無事でよかったわ。スパイみたいな真似させて悪かったわね」

「いいえ。そういえば..カガリ様を見ました。ドンパチしてる中で大声出して。一緒に居た少年が何とか助けてくれたようです。お戻りになっていますか?」

少し伺うようにが問う。

「帰ってこられたわ。けど、代表と喧嘩の末に家出されたの。まあ、お目付け役がついているから大丈夫とは思うけど...」

「キサカ一佐も気の毒ですね」

がそういうとエリカは苦笑しながら頷いた。

「まあ、次に戻られたときはまた大喧嘩でしょうね」

「仲のよろしい事で」

の言葉にエリカは少し困ったような表情を浮かべた。









桜風
08.9.29


ブラウザバックでお戻りください