| 月基地での慰問が終了し、クルーゼ隊と供にプラントへと帰還した。 プラントではクルーゼ隊は戦姫を護衛したナイトとして報じられた。 「ナイト、ねぇ...」 面白くない、という表情でそのニュースを見ていた少女はテレビを消した。 さて、と。 綺麗に着飾っている彼女は車から降りて港へと向かった。 「ナイトだって」 笑いながらが彼らをからかう。 「光栄だねー」と適当に言ったのはラスティだ。 「てか、が姫ってのにそもそも疑問が...!!」 言葉の途中でにヒールで足を踏まれたディアッカは暫く悶絶する。 「相変わらずですよね、ディアッカって」と冷ややかに言うのはニコル。 変わらない彼らに目を細めていただが、気を引き締める。 さて、そろそろ余所行きの顔をしなくては。 は『戦姫』となり、人々の前に現れる。 迎えに来ていた兵士の家族や、報道陣がの登場に声を上げた。 凛とした空気を纏ったはそのまま専属のSPを連れて兵士たちより先に艦を降りる。 が歩いていると彼女とすれ違うように少女が駆けて行った。 「イザーク様!」 少し振り返ると少女がイザークの首に抱きついている。 イザークは彼女を邪険にせず、少し困ったように引き剥がしていた。 ああ、噂の婚約者か... 心の中で呟いたは少し俯き、気持ちを切り替えて顔を上げて人々の声援に応えながら迎えの車へと向かっていった。 自宅につくと、ドアの前にラクスが立っていた。 「ただいま」 「おかえりなさい、お姉さま」 抱きついてくるラクスを抱きとめた。 「だから、言ったでしょ?すぐに戻ってくるって」 「お姉さまはいつもそう仰っているから本当かどうかわかりませんもの」 ラクスに指摘されて、は口を噤む。 「次は、地球だそうですわね」 誰が言った...! 心の中でそう思いつつ、「そうよ」と返した。 「お帰り」 邸の中から人が出てきた。 「あら、いらっしゃい。アスラン」 どうやら、ラクスに放ったらかしにされたらしい。 「お姉さま」 「はいはい」 「明日お買い物に出かけましょうね」 何故だろう、と考えていると 「ドレスですわ」 といわれて納得した。 そうそう、今回少なくとも3回パーティがあるから3着は新調しなくてはならない。それ以外は、今まで着たことがあるかもしれないものを着よう。 「アスランも行くんでしょう?イザークの婚約披露パーティ」 「あ、ああ...」 歯切れ悪くそういうアスランには首を傾げた。 「イヤなの?」 「そんなことはない。ああ、行く。招待状が届いていたしな」 へー、そうなんだ... イザークの与り知らぬところで準備は着々と進んでいたようだ。 「そうそう。アスラン、ゴメンね」 「...何がだ?」 「皆にアスランの休暇の話しちゃったんだ」 の言葉にアスランは苦笑する。次に会ったら五月蝿いだろうな... 「何でそんな話になったんだ」 自ら面白がって言うとは思えない。 「ああ、何か..色々あって。イザークが何かの噂を聞いて不機嫌になったのね。で、それがアスランの休暇の事かなーって思って聞いたら違ったって言う...」 アスランは肩を竦めて「まあ、仕方ないな」と応えた。 「そういえば、またハロ増殖させたの?」 アスランについて出てきたハロが周囲をぴょんぴょん跳ねている。何か、増えた気がする。 「え、ああ。うん。2個ほど」 いくつこの邸に贈れば気が済むのだろう。まあ、ラクスが喜んでいるし、アスランも何を贈って良いのか分からないからラクスが喜ぶハロを増産してくるのだろうが... 「じゃあ、私は部屋で休ませてもらうわ。アスラン、ごゆっくり。ラクス、アスランを放ったらかしにしては駄目でしょう?」 「ああ、お疲れ」 「はい、お姉さま」 2人に見送られては自室へと戻った。 |
桜風
09.12.21
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