| OSのチェックをしている友人たちに背を向けてはウズミに声をかけた。 行政府の外に出ることの許可を願い出たのだ。 「別に構わないが...どうかしたのかね?」 「まあ、変装を」 とりあえず、今着ている服はアイシャのもので、ものすごく体のラインを強調させるものだ。 アイシャには悪いが、正直、好きではない。 それに、髪を染めようかと思っている。 の髪は浅瀬の海の色だ。とりあえず、そのイメージがあるし何かこう..別の色にしてみようかなーなんて思っているのだ。 やるならとことん。 「まあ、構わないが..護衛は連れて行きなさい」 心配そうな表情を向けてくるウズミに頷いて振り返るとイザークが立っていた。 「いいの?」 そう言ってさっきまでイザークが調整していたMSを指差す。 「ああ。続きは戻ってからまたする」 「じゃあ、よろしく。まあ、イザークも変装しなきゃだしね」 の言葉にイザークはぎょっとした。 「俺もか!?」 「さっき、ニコルも言ってたでしょ?『有名人の一員だ』ってね」 にこっと笑って言うにイザークはため息を吐いた。 まあ、否定できないかも... とイザークは街に出た。 「日用品はヘリオポリスで買うんだからな」 釘を刺されてはぷぅと膨れる。 分かっている。ちょっと見たいというか..気になるだけだ。 そう思いながらショッピングモールを歩いた。 きょろきょろと周囲を見渡す。 いい国だ。 人々が穏やかに笑いあい、にぎわっている。 そしてこの穏やかな国は、遠くない未来、おそらく数日後には燃えてしまう。 どれくらいの規模の被害が出るかは分からない。 決して小さくないだろう。 国自体が残るかどうかも怪しいと思う。 今こうして微笑んでいる彼らの笑顔が消えてなくなる。 「戦争って、本当に嫌ね」 が呟いた。 「軍人の前でそういうこと言わないでくれるか」 イザークの声が心なしか悲しそうだった。戦争がしたいと思っている者なんて少数だ。少なくとも、自分は戦争を楽しんでいないし、友人たちだって同じだ。 本当は、戦争は嫌なものなのだ。 それでも、守りたいもの、守りたい人があるから銃を手にした。 「ごめん」とは謝り、モール内の店舗の間をゆっくりと歩いた。 少年少女の笑い声が近くで聞こえて軽い衝撃を受けたはペタリと地面にしりもちをついた。 「ごめんなさい!」 慌ててとぶつかった少年が手を差し伸べ、「こちらこそ。ちょっとよそ見してたわ」とはその手をとって立ち上がる。 少し先を歩いていたイザークが慌てて戻ってきた。 「どうした?」 「よそ見してたらぶつかっちゃった」 はイザークにそう返した。イザークはとぶつかった少年に「こいつが迷惑かけたみたいだな」と言いながら謝った。 「何やってるのよ、キラ。トールもこんな人の多いところでふざけて。まったく...!ごめんなさいね」 オレンジ色のワンピースを着た少女が謝ってきた。 「ちょっと、ミリィ。オレも!?」と抗議をする少年に「当然でしょ!トールがキラにふざけて構ってたんだから」と返している。 「ごめんなさい。怪我は?」 にぶつかった少年がそう声をかけてくる。 「ああ、大丈夫です。ごめんなさいね、ホント。あの、こちらもよそ見していたので」 は『ミリィ』と呼ばれている説教中の少女に声をかけた。 「本当に怪我はない?キラって細身だけど、やっぱり男の子だから...」 心配そうに覗き込むミリィににこりと微笑んで見せては頷く。 「大丈夫。ごめんなさいね」 もう一度そう言ってはイザークに「行こう?」と声をかけて少年たちから遠ざかっていく。 「きれいな子だったなー」 遠ざかるの背を見つめながらトールが呟き、ミリィに足を踏まれて「いてぇ!」と声を上げた。 ツン、とそっぽを向いて拗ねるミリィを宥めるトールを見ながらキラはもう一度彼女たちが向かっていった方向を見た。 不思議なことに、何だか彼女たちにはまた会えるような気がしていた。 |
桜風
10.6.14
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