Polaris 42





宇宙に上がってきたアークエンジェル及びクサナギに通信を入れた。

応じたのは自分と年の変わらない少女で、見覚えのある子だった。

『あれ...!?』

彼女も同じことを思ったらしく、声を上げた。

「そちらは、アークエンジェルのブリッジであってますよね?えーと、ミリィさん」

の言葉に彼女は頷いた。

『はい。こちらはアークエンジェルのブリッジです。えーと...』

どう反応して良いか分からない様子だ。

『どうしたの?』とモニタの向こうから声が聞こえてきた。

回線を回したのか、モニタにはミリィではなく、以前カガリに教えてもらった艦長のマリュー・ラミアスが映る。

『あら?お久しぶりね。無事でよかったわ』

「ラミアス艦長も。実は、こちらも用意が整い次第出ようかと思っているのですが。合流ポイントをどうしましょうか」

の言葉にマリューは目を丸くした。

『出る』?『交流ポイント』??

『ちょっと待ってもらえるかしら?』

そう言ってクルーに何か指示している。


少ししてモニタの半分に新しい画面が出てきた。もう一つ回線を開いたのだ。

!』

懐かしい顔ぶれがぎゅうぎゅうに押し合いながらモニタに映る。

思わずの口元が綻んだ。

「久しぶりね。怪我はない?」

『大丈夫、大丈夫!あれ、イザークは?』

「ドック。それでね、さっきラミアス艦長に話したんだけど」

そう言ってマリューに言った言葉を繰り返す。

『あー、あそこな。たしかに、あそこなら少しは落ち着いて体勢を整えられると思うし。いいんじゃね?』

ディアッカの言葉にニコルも頷いた。

『分かりました。合流はメンデルですね?オーブのこともお話したいし、そちらの話も聞きたいので』

そう言ってニコルは振り返った。

出てきたのはカガリだった。

え、何で...?

はぽかんとした。

『虎とは連絡が取れているのか?』

は首を振る。

「バルトフェルドさんとは何も。ラクス..妹なんですけど。ラクスとも連絡を取っていませんけど、色々と動いてくれているみたいですよ。あちらも準備が整ったら出てくると思います」

の言葉にカガリは「どういう姉妹なんだ...」と呆れた表情を浮かべて呟いていた。

その背後でラスティとディアッカは力強く頷いている。

『とにかく、そのコロニーで待っておけば良いんだな?』

は頷いた。

ヘリオポリスの住民たちは今避難しているらしい。

宇宙に居てはどこにも逃げられないので、ひとまず、オーブの友好国に受け入れ態勢を作ってもらってそちらへの避難が進んでいるという情報は拾った。

今の地球軍は煮え湯を飲まされたとオーブに過剰なまでの敵対心を燃やしているだろうし、ザフトの協力を拒んだオーブにザフトが手を貸すことはまずない。

地球軍にヘリオポリスを落とされてもそれを静観するだけだろう。



翌日、ファクトリーから少し小さめの一隻の軍艦が出航する。

ザフトからクルーが集まるのが思いのほか早かったのだ。

「そういえば、この艦の名前は?」

艦長は結局アイシャではなく、現役軍人に頼むことにした。

「そうですねぇ...適当で」

が言うと艦長は苦笑する。

「『ポラリス』は、どうですか?」

イザークが発言した。

「ポラリス...いいですね。その名なら道を見失うことがなさそうだ」

艦長は気に入ったようで頷いた。

「では。ポラリス、発進!」

ブリッジで高らかに艦長が命令する。

はイザークを見た。

相変わらず、メルヘンだ...

の思っていることを察したイザークは「やかましい」と返す。

ファクトリーの港にはエザリアの姿があった。

心配そうに見つめる母を見つけてイザークは敬礼を送った。









桜風
10.9.6


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