| ディアッカが病院に入院していたのは1日だけで、一応検査をしようと言うことでの入院だった。 血が足りなくて気を失ったが、それ以外は元気なので即退院となった。 ディアッカが気を失っていたことで、は救急隊に怒られることは無かったがディアッカの心配したとおり彼女の会社の名前には傷がついた。 聞いたところによると、あの元彼はメディア関係に出入りをしている会社の関係者で自分で垂れ込んだらしい。 尾びれ背びれどころかどこかで聞いた伝説のようなものまで面白おかしく付けられたそのスキャンダルを耳にしたディアッカはが心配になる。 元々経済界では彼女に対して批判的な者達も居た。 ナチュラルで、地球からやってきた闖入者。招かざる客だ、と。 一応、エザリアの動向についてイザークに聞いてみた。 「母上はそれなりに楽しんでるみたいだな」 苦笑してイザークが言う。 まあ、売られた喧嘩は楽しく買うタイプのようだから今回のスキャンダルでに肩入れしていたエザリアもとばっちりで叩かれているのだろうが、何となく彼女の哄笑が頭に響いた。 「は?」 「さあな。そんなに連絡を頻繁に取り合ってるわけではないからな」 肩を竦めてイザークが言う。 今行ったら邪魔になるだろうか... そういえば、スキャンダルの詳細を見たが、その中に自分が居なかった。 どういうことだろう。 思い切って父親に尋ねてみた。手を回したのか、と。 すると父は笑った。 「お前を庇っても一銭にもならないだろう」 そういわれてちょっと驚く。 「息子が何か面倒ごとに巻き込まれたとかあったら会社的にどうなんだよ」 と返してみたら 「そんなもんでぐらぐらする程度なもんじゃない。少なくともウチはな?」 と自信たっぷりに返された。 尊敬しそうになってそれはやめた。 なんか、ちょっと悔しいから。 ほとぼりがさめた頃にの会社に向かってみた。 「あれ?」 看板が無い。 近くの店で聞いてみたが、先日の騒ぎの後に会社がなくなったと言う。 「潰れた..とか?」 「さあなー。まあ、マスコミが好き勝手叩いてたからな。標的にするには、まあ、いい材料だっただろう。 プラントの生まれでもないし、コーディネーターでもない。 ただ、まあ。おっちゃんは残念だな。あの社長さん、いつも一生懸命仕事してたし、楽しそうだったから応援してたんだけどな」 イザークに聞けば知っているかもしれないと思った。 電話をしようとしたら逆に着信がある。父からだ。 要約すると『何処をほっつき歩いている馬鹿者。今日は大事なパーティがあると言っただろう』とのこと。 すっかり忘れていた。 だが、おそらくその場にイザークも来るだろう。そのときに聞いてみよう。 急いでプラントに戻り、パーティの会場へと向かった。 「イザーク!」 他への挨拶をそっちのけでディアッカはイザークに駆け寄った。 「どうした。お前の父親が鬼の形相でこちらを睨んでるぞ」 「あとで雷は食らっとく。それより、知らない?」 「?」とイザークが眉間に皺を寄せて聞き返す。 「そう、!」 「なに?」 背後から声がしてディアッカは振り返る。 「あれ?!」 「ごめんね、1回お見舞いに行ったんだけど。既にピンピンしてたみたいで不在だって言われちゃったの。傷はもう大丈夫?」 ドリンクを持ったが申し訳なさそうに声をかけてきた。 「え、うん...傷は残ってない。てか、会社!」 ディアッカの慌てようにとイザークは納得した。 「ああ、うん。ヘリオポリスに引っ越したの」 「へ?!」 頓狂な声が漏れる。 「元々引越しの準備してるときのアレだったのよね。で、プラントで叩かれまくってる中の引越しってちょっと逃げるみたいでイヤだったけど、既にスケジュール組んでたし...仕方ないから、ヘリオポリスからリベンジよ!」 グッと拳を握ってが言う。 「まあ、リベンジするにしても、大変だろうがな」 イザークは苦笑した。 「そこは、『やりがい』って言葉に変換しておくわ。けど、エザリア様に申し訳なかったとは思ってるのよね...」 小さくなってが言う。 「母上は『この程度のことでわたくしを引きずり落とそうなどと、浅はかね』と言いながら高笑いしてぞ。それより、のパートナー選びがド下手なことを嘆かれていたな」 「返す言葉が無い...」 これまでも再三、パートナーは慎重に選ぶようにと言われていた。 比較的『来るものを拒まず且つ特に相手をしない』というの性格では中々パートナーに恵まれない。 「じゃあさ」とディアッカが言う。 イザークとが彼を見た。 「オレがのパートナーになってやるよ」 と言った。 「不合格」 が即切って捨てる。 「待てって。今すぐがムリなのは分かってるから。もうちょっと待ってなって。そうだな..5年くらい。あっという間だぜ」 ディアッカの言葉には肩を竦めた。 「ひとつ、いいかしら?」 の言葉の続きを促す。 「わたしとディアッカはいくつ違うか分かってる?」 「3つくらい?」 そういえば以前の会社の概要とか調べていたときに年齢も見た気がしたが... 「5つ。5年後ってわたしそれなりにオバサンよ?」 「んじゃあさ。オレは絶対にを支えられるような、が頼れる男になるから、はオレが超可愛いって思うオバサンになってよ」 何その交換条件。しかも『オバサン』は否定しないんだ? クツクツとイザークが笑う。 「どうするんだ、・」 からかうように言うイザークをひと睨みし、ディアッカに視線を向ける。 「今回のことで分かったと思うけど、わたし、結構敵が多いのよ」 「そっちの方が燃えるじゃん」 もうちょっと慎重になったらどうかしら... そう思いつつもの口角が上がった。 「ま、5年後。使えるようになってたらね」 「5年後、超可愛いオバサンになっててくれよ」 どうやら仮契約は成立したようであった。 |
桜風
11.11.7
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