| 「あれ、壊れたかな?」 部屋の中にある目覚まし時計を手にラスティは首を傾げた。 振ってみた。 動かない... 「、いるかな?」 目覚まし時計を手にして部屋を出た。 彼女が勤務しているであろうドッグに向かう。 しかし、そこに向かう道すがらの雰囲気がいつもと違った。どこか、空気が張り詰めたような、そんな感じだった。 不思議に思いながらドッグを覗いた。 「ー」 ピン、と更に空気が張り詰めた。 あれ?とラスティが首を傾げる。 「..は?」 いつものシフトだったら彼女は此処にいつと思うのだが... 「あいつは..拘束された」 彼女の同僚が教えてくれた。 「はい?!」 “コウソク”って何だ? 「理由は?」 あんなに優秀な彼女が何で... まさか、とラスティは少しだけ思い当たることがあったが、それは口にしない。 「あいつの両親もメカニックなんだって?」 「ああ、確か。オーブの...」 彼女の出身はオーブだ。 「オーブが、地球軍に加担していると言う情報が入ったんだ」 「は?あそこ、中立っしょ?」 ラスティの問いに彼らは頷く。 「だからこそ、問題なんだよ。それに、偵察隊の話によると、その中心になってるチームに両親がいたらしいんだ」 「マジ..で?」 彼が頷く。 の両親は、彼女がザフトでメカニックをしていることくらい知っているはずだ。 オーブのメカニックで居る間は、中立ということもあるしザフトも静観したのだろうが、地球軍に加担すれば娘がどのようになるかくらいは想像付くだろう。 どんな理由があってそんなことを選択したのか... 「え、じゃあ。はそれが理由で?」 「スパイ容疑、だな」 「スパイって...連絡の履歴とか調べて?」 「や、そこまでは...これから調べるんじゃないのか?」 後からってことは、捏造可能ってことだ。 否、最初から捏造は可能だから両親の行為が発覚したその瞬間、彼女の辿る道が決まったといっても良いだろう。 「は、本部?」 「いや、まだこの船の中だ。近々こっちも作戦があるから人を割けないし、まだこの船にいるぞ」 「ふーん、そうなんだ」 気のないようにラスティは相槌を打ったが、瞳の奥が昏く光る。 「ところで、マッケンジーは何しに来たんだ?」 「うん。これ、壊れたから直してもらおうと思って」 そう言って手にしている目覚まし時計をメカニックに見せた。 「お前、メカニックにそんなこと頼むなよ。自分で出来るだろう?」 「ついでにカスタムしてもらおうと思ってたから」 肩を竦めてラスティが言う。 「どんな風にカスタムしてほしいんだよ」 「可愛い声で『お・き・て』ってエロく言ってもらえるようにカスタムしてって頼もうと思ってたんだけど」 「俺の声でいいか?」 「普通に直しておいてー」 カスタムは要らないといって、ラスティはドックを後にする。 「まだ船の中、ね...」 ポツリと呟いたラスティは、自室へと向かっていた。 |
桜風
12.1.2
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