| ラスティの配属されているクルーゼ隊に作戦の指示が下りた。 オーブの資源衛星のヘリオポリスで開発されているMSの奪取を目的とするものだ。 「オーブって、の故郷ですよね」 ブリーフィングルームでの作戦の確認が終了し、自室に戻る中、ニコルが呟く。 「だから、今あいつ牢屋にぶち込まれてるんだろう?ったく、気の毒なこった」 ミゲルが返し、アスランが目を伏せた。 作戦決行の日、ラスティは別の意味で緊張していた。 ヘリオポリスに着けばこっちのもの。 だが、それまでに見つかれば... 「ラスティ?」 顔を覗きこんでディアッカが彼の名を呼ぶ。 「ん?なに??」 「や、お前でも緊張すんのな?」 「やだなー。俺だって人だよ?木の股から生まれたってのなら話は別だろうけど、こう見えて繊細に出来てるんだから」 「見えないなー」 軽口を叩き合っていると「おい」と不機嫌そうな声が上がる。 「ごめんごめん」 「そんな、ピリピリすんなって。楽勝だって」 「遠足に行くんじゃないんだぞ」 そう釘を刺したのは、先ほどから少し不機嫌なイザークだった。 作戦が開始され、2班に別れる。 ラスティはアスランと同じ班で、ドック内のMSの奪取が目的だ。 しかし、戦闘が開始されたところでラスティがさっと姿を消す。 周囲を見渡したアスランはラスティの姿がないことに気がついた。 「くそっ!」 途中で負傷でもしたのかと考え、ひとまず自分だけでも作戦を完遂させようと、ドックの奥に進んでいく。 「、大丈夫?」 戦闘が開始した途端、ラスティは作戦にもぐりこませたの腕を引いてそのままドックから遠ざかる。 途中でパイロットスーツは脱いだ。元々パイロットスーツの中はこうやって活動しやすいような服を着ていた。 だから、さっきまでは逆にきつくて動きにくかった。 「大丈夫って、ラスティ。拙いでしょ?!」 「後悔は一切してない。ほら、避難しよう。今ならそんなに厳しく審査されない」 何なら、偽造でも何でもしてやる、と思いながらシェルターに向かう。 この作戦の話を聞いた瞬間、ラスティはの救出を決めた。 必ず救出するつもりだったが、宇宙のど真ん中でそれは難しいと考え、仕方なく機会を覗っていたのだ。 今、彼女の身代わりにおいてきた人物が本国に移送されているはずだ。 女の子の鳩尾を殴るのは初めてで、正直どの程度の力加減で良いかわからず、彼女には悪いことをしたとは思う。 まあ、ではないと気づいた誰かが彼女の介抱をしてくれるだろう。 自分と同じチームに入れて作戦に紛れ込ませてそのままこのヘリオポリスから地球に避難する。 そうすれば、ザフトも彼女のことは追えないだろう。 彼女の腕を引いて走っているところで、ふと視界に入ったものがあった。 ラスティが顔を向けたのに釣られたもそちらを見る。 「ダメだよ」とラスティが彼女の目を手で覆おうとした。 「大丈夫」 短く、呟くように彼女が返す。 彼女の両親が血を流して倒れていた。 息はあるかもしれないが、もうダメだろう。 一瞬、別れのために足を止めるかと思っただが、「行こう」とラスティを促した。 「うん」 頷いてラスティは偵察隊が持って帰った情報の中にあったヘリオポリス内の地図を頭に思い浮かべる。 シェルターの場所はそのときにチェック済みだ。 シェルターの入り口を見つけてブザーを押す。 「学生2人です」 ラスティがいうと「来なさい」と返って来た。 「学生って...」 「俺達、そういうお年頃」 そう言ってシェルターの入り口に入ってボタンを押した。 「君達で定員だ。外の様子はどうだった?」 シェルターの中にモニタがあるが、外の戦闘でカメラが壊れたらしい。 「結構酷いですよ」 ラスティが返すと 「ザフトめ...」 誰かが唸る。 「地球軍のために、オーブが造ってたMSを奪いに来たみたいですよ」 「まさか!」 「君、どこでそれを?!」 しまった、口が滑った... ラスティが適当なごまかしを考えていると 「さっき、隠れて何とかやり過ごしたんですけど。そのとき、ザフトの歩兵の無線でそんな会話をされていました」 がフォローする。 「...そうか」 その後、シェルター内の大人たちが話し合い、オーブ本国に避難することを決め、シェルターをヘリオポリスから切り離した。 |
桜風
12.1.9
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