| が入っていった部屋をラスティは覗いてみた。 「どう?」 先ほど、せめて毛布、と彼女が探しに入ったのだ。 「何とか、これはいけそう」 は床を水拭きして薄っすら敷き詰められた埃を綺麗にして、その上に毛布を敷き、それぞれが毛布を持って寝ることを提案した。 ちょっとだけラスティは困ったように笑ったが「じゃあ、明日の朝エロイ声で起こしてね」と早々にごろんと寝転んだ。 まだ言うか、とは呆れつつ、「おやすみ」と声を掛けて眠った。 翌朝、「ー、俺起きちゃったよー」とラスティが彼女を起こした。 「あれ?エロイ声で起こしてくれるんじゃないの?」 寝ぼけ眼を擦りながらがからかうと 「俺の本気を聞いたら、腰が砕けちゃうけど良いの?」 とラスティが返す。 「それは、大変...」 この家に帰って助かったことは、この家のライフラインが生きていたことだ。 両親がヘリオポリスに滞在し始めたのは、此処最近なのかもしれない。 そして、すぐに戻るつもりだった... 結果はどうであれ、両親が地球軍に与する作戦に従事していたことに変わりない。 朝食を済ませて家を出た。 「何処に行くの?」 「昨日の人のところ」 が言う。 「ホントにも行くの?てか、サボるのなし?」 「無理よ。その気になったらこの国中を探せるだろうし、国の外に出るのも難しくなる」 そんなに権力のある人なんだ... に零すと 「だから、入国審査軽くパスさせてくれたじゃない」 と言われて納得した。 「は、これからどうすんの?」 「さあ?けど、ほら。わたしってザフトのメカニックだったけど、碌な仕事させてもらえなかったでしょう?」 の言葉に「そんなことないよ」と言いかけて、気付いた。 彼女は、今自分と情報のすり合わせをしようとしているのだ。 「そうなんだ?」 そう返したラスティには「あ、そか」と呟く。 ラスティもザフトだとちょっと拙いかも。 「ラスティは何をしてた人なの?」 が問う。 「自営業の手伝い」 「自営業って何?」 そんな会話をしながら目的地に向かった。 2人は初対面と言う設定だし、そうやって自己紹介し合うのは悪くない。 「来てくれたのね」 彼女は達を歓迎した。 「お守りしてもらいたい子って話だったと思うんですけど。俺、子守なんてしたことないんですけど」 ラスティが言う。 「あー、子守といえば子守なんだけど...」 言いにくそうにしている彼女がふと誰かを見つけたようだ。 「トダカさん!」 彼女が手を上げるとトダカと呼ばれた彼が近付いてくる。 「の...」 を見た途端、彼はそう零した。 「両親をご存知なのですか?」 聞いてみた。 「ああ、父親の方だが。あいつは昔国軍にいたんだ。子供が生まれて辞めたからそんな長い付き合いでもなかったが、面影があるな」 そう言っての頭を撫でる。 「昨日話した子です」 「君が、護衛を引き受けてくれる...」 子守じゃないの? ラスティは首を傾げた。 「ウチの姫様が大暴れして仕方ないんだ。おそらく、国を飛び出す。護衛で着いていってくれないか。軍からもお目付け役が同行する予定だが、同年代の君が居た方が気が楽かもしれないし」 そうかな?とラスティは思う。 「わたしも同行しても良いですか?」 が問う。 「そうね、同年代の同性がいる方が良いかもしれないわね」 彼女が頷いた。 「じゃあ、お目付け役と顔合わせでもしておくか」 そう言ってトダカがラスティとを連れていく。 は振り返って彼女に会釈をし、ラスティは足を止めてが追いつくのを待っていた。 「本当に初対面なのかしら...」 彼女たちの距離感があまりにも『当たり前』すぎだ。 頬に手を当て、首を傾げて彼女が呟いた。 |
桜風
12.1.30
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