| 廃墟になった街を見ながら「あーあー...」とラスティが呟く。 昨晩、砂漠の虎が避難勧告を出した後に総攻撃を仕掛けてきた。 避難勧告に従い、住民達はその街から退避した。 だから、死者はでなかったらしい。 その代わり、帰る家も失った。 命があるだけ良かったじゃん、とラスティは思ったが賢明な事に口にしなかった。 そのわかり、地球軍のMAパイロットがそれに似た言葉を口にしてカガリに詰めよられてたじたじとなっていた。 それはそうだ。 命があっても生きていく術がない。場所がない。 そうなれば、ゆっくり死ねと言われているようなもので、それはそれで残酷だ。 いっそ一瞬にして命を奪われた方がマシ、と思うかもしれない。 「ま、生きてるほうがマシに決まってるけどね」 ラスティは呟き、レジスタンスのリーダーの指示に従ってその街の住民達の被害状況の把握に務めた。 「わたしたちも、ですか?」 は首を傾げる。 街に買い物に出ると言うことになったらしい。 弾薬や、新しいランチャーなどの武器。そして、アークエンジェル側も燃料やその他、必要物資があるため一緒に向かうと言う。 はカガリとキラ、そしてラスティと共に日用品の買出しを頼まれたのだ。 「あまり多人数ってのは...」 が言うが「はーい、張り切って行ってきまーす」とラスティがそれを遮って元気良く返事をした。 「ラスティ!」 「いいじゃん。こんな暗くて誇りっぽいところにずっと居ても心が滅入っちゃうよ。少しは娑婆の空気、吸おうよ」 「悪かったな、暗くて誇りっぽいところに閉じ込めてよ」 リーダーが苦々しく言うがラスティはそれに対して反応を見せることなく、「じゃ、出かける準備してきます」とその場を去っていった。 「何なんだ、これは!」 街に着いてカガリが声を上げた。 彼女が手に持っているメモ用紙をひょいと奪ってラスティがそれを見る。は隣から覗き込んで「あら、肌の弱い子なのね」と呟いた。 そこに書いているのは化粧品の数々だ。 どうやら、成分を見ると敏感肌用のものらしい。 「問題はそこじゃない!いいか?わたしたちは戦争をしているんだ。それなのに、化粧だとかそういうのは...!」 「アークエンジェルの艦長さんとか、副艦長さんはお化粧してるけど?」 が突っ込んだ。 「それは、身だしなみだ。大人だし」 「カガリは、つまりは艦長さんたちはオバサンだって言ってるってことだね」 ラスティが言う。 「グッ...」 カガリが言葉に詰まる。確かに言い方が悪かったかもしれない... 「ま、とにかく。この街にはなかったってことで。キラ、彼女はまだお化粧品あるの?何だったら艦長さんに相談したらお持ちじゃないのかしら?」 が言うと「うん、聞いてみる」とキラが言う。 「ホントに敏感肌なのかな?」 「普通に高いものを身に着けてただけかもよ。敏感肌のはやっぱりちょっと高かったりするからね」 こっそりそんな会話をしながら一通りの買い物を済ませて昼食をとることとなった。 この土地の名物のケバブを食すこととなる。 カガリはこれまで街に何度も出ていて、そのためケバブの美味しい食べ方と言うものをマスターしているとか。 それに対して、もラスティもある意味信頼されていなかったこともあり、街に出るのは今回が初めてだった。 そのため、カガリの指導に従うことにした。 しかし、知らないアロハシャツのおじさんが声をかけてきた。 一瞬にしてラスティはその人物に警戒を向ける。 「ラスティ?」 不思議そうにが彼に声をかけると 「あいつ、隙がない」 と呟く。 おじさんは、サングラス越しにこちらを見て笑ったようだった。 「青き清浄なる世界のために!」 聞き慣れた、あまり気持ちのいいものではない言葉にすぐさま反応を見せたのは、ラスティとアロハシャツを着たおじさんだった。 それぞれ目の前のテーブルをひっくり返して盾にし、銃を構える。 ラスティの銃は街に出るときに持って出ている。 「のも貸して」 「あ、うん」 同じテーブルに隠れているにラスティが言う。 も同じように銃を受け取ってきているのだが、彼女は使えない。 一応、メカニックであってもアカデミーの授業で射撃の授業はあったが、あまり得意ではなかった。 それに、メカニックは指先が大切だから、そんな授業も安全装置がうんたらかんたらという銃の構造の話がメインだった気もする。 「少年、やるね!」 「知ってる!そんな話良いから、オッサン、早く部下呼べって!!」 ラスティが言う。 「その必要はない。もう来ているよ」 彼がそういった途端、各所から銃声が聞こえ、その場が鎮圧された。 |
桜風
12.2.20
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