| 「、大丈夫?」 砂にまみれたの髪を梳きながらラスティが声をかける。 「あ、うん...」 も髪に付いた砂埃を払うように髪を撫でた。 「これはいかん!」 そんな声が上がり、振り返ると、カガリがソースまみれとなっている。 「あいや、少年たち。ウチの基地がこの近くだから来たまえ。服を洗って乾かさねば」 「あ、俺と彼女はパス。待っとくから行っといで」 ラスティが軽く手を上げるが 「そうつれないことを言うもんじゃないよ、ラスティ・マッケンジー」 とアロハシャツが言う。 「意地悪だね、オッサン」 相手が何者か、それはあのブルーコスモスからの襲撃のときの反応でわかった。 そして、それが確信できたのは「ウチの基地」と言ったからだ。 アロハシャツのおじさんは、アンドリュー・バルトフェルド。砂漠の虎だ。 「ブルーコスモスにとっては大物だったってワケか」 「いやぁ、褒めすぎだよ、少年。さ、後ろの彼女も」 はビクリと肩を震わせ、ラスティがすぅ、と目を眇めた。 「この子には手を出すなよ?」 普段出すことのない低い声で“忠告”した。 それを正確に受け取ったバルトフェルドは軽く手を上げた。 「先ほどの戦闘で、君には助けられたからね。それは約束しよう」 「じゃ、エスコートを頼もうか。って、男にエスコートされても嬉しくなーい!」 ラスティの言葉にカガリが抗議の声を上げるが 「無理。此処で無理に逃げたら怪我人が出る。気の済むまで年寄りの道楽に付き合ったほうが安全」 ラスティが言うと「年寄りの道楽とは酷いなぁ」とバルトフェルドが唸る。 バギーに乗せられて、レセップスに案内された。 カガリは服が汚れているから、とバルトフェルドを迎えに出た女性に預けられ、も連れて行かれそうになったがそれはラスティが制し、バルトフェルドもそうするように女性に声をかけた。 「残念、あなたも飾り甲斐がありそうなのに...」 彼女は肩を竦め、カガリだけを案内した。 ラスティと、そしてキラはそのまま案内されてバルトフェルドの執務室に通された。 「コーヒーはどうだい?」 「アイス?」 ラスティが返すと「暑い時こそ暑いものだろ?」と返しながらバルトフェルドがコーヒーを淹れる。 3人分のカップを器用に持って彼はコーヒーをもてなしてくれた。 「んで、何してたの。あの街で」 「それはこちらのセリフだよ。どうして、脱走兵の君が、こんな砂漠でレジスタンスと一緒に行動しているのかな?いや、“地球軍”と、との方が疑問は大きいけどね」 バルトフェルドの言葉にキラが驚く。 「あー、今のオフレコで」 キラにそう釘を刺すと彼は戸惑いながらも頷いた。 「しゃべったら殺すから」 「ラスティ!」 が窘めるように声を上げた。 「キラ、ごめん。ただ、今の状況が終わった後、ちょっと色々と面倒なことになるからそこは黙っていてもらいたいの。お願いできるかな?」 「うん、何か事情があるんだよね」 キラが素直に頷いた。なんともいい人である。 「そして、君は・。身代わりを置いて脱走した兵士、メカニックだ」 「身代わりを作ったのは俺だよ。と背格好が似てる事務に当身を食らわせて猿轡してそのままの放り込まれていた牢に入ってもらった。別人だから何もされなかったでしょ?」 ラスティが言う。 「大事問題には発展したみたいだけどね。君の父親は酷く疲れただろうよ」 「それは俺の知ったことじゃない」 ラスティが返すとバルトフェルドは肩を竦める。 「それはそうと...」 そう言って彼はキラを見た。 「君はバーサーカーだね」 「バーサーカー?」 キラが問い返す。 も彼に対する印象の中にそれはあった。 こうやって面と向かって話をしていると穏やかだし、先ほどの戦闘でもお世辞にも役に立ったとはいえない。 それなのに、あのMS、ストライクに乗っていると驚くような動きをする。 おそらく、メカニックがちょっと遊び心で付け加えたような必要以上のパワーや性能を全て引き出しているようにも思えていた。 そんな話をしているとドレスを着せられたカガリが部屋に入ってくる。 先ほど『飾り甲斐』といったその意味が目の前にあった。 「そっかー、。今からでも遅くないからドレスアップしてもらいなよ。絶対に可愛いって」 そうラスティが勧め、カガリを連れてきた女性が目を輝かせたが「ふざけるな!」とカガリが声を上げたため、それは実現することが出来なかった。 ラスティは肩を竦め、同じように女性も肩を竦めた。 「アイシャ、少し下がっててくれるかな?」 バルトフェルドの言葉に「はーい」と返事をしてアイシャと呼ばれた彼女は部屋を後にする。 |
桜風
12.2.27
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