| 無事にオーブに帰国することが出来た。 色々あったが、結果オーライというヤツだ。 船を降りるとき、同年代の船員達が別れを惜しんでくれた。 ズキンと胸が痛む。 子守のバイトをしたお陰で、当面生活するのに困らない報酬はもらえた。 「で、どうしたい?」 ラスティが口にしたのは、『どうする?』ではなく『どうしたい?』だ。 の意思を問うている。 「働きたい、かな?」 「出来れば、手先の器用さを生かしたいんだよね...」 町工場とか、いけるのかなと思っていると「ちゃん」と彼女が名を呼ばれた。 子守のバイトを紹介してくれたあの人だ。 「これから何か予定あるかしら?」 そう聞かれて彼女は首を横に振る。 「君は?」 「僕もないですね」 ラスティが答えた。 「じゃあ、ちょっと時間いいかしら?」 彼女の言葉に首を傾げたはラスティを見上げ、彼は肩を竦めて応えた。 もしかしたら、仕事の斡旋かもね、と思いつつ彼女のあとをついて行く。 通された部屋にはこれまた美人さんが居た。 「主任、この子がさんの娘さんで、ザフトのメカニックをしていた子です」 やな展開... ラスティはこっそり溜息をつく。 「初めまして、エリカ・シモンズです」 「・です。あの、何か...」 「ザフトのメカニックをしていたと言うのは本当?」 「...はい」 少し躊躇ったは頷いた。 「MSの整備は?」 「えっと、それは...」 最前線でやってたとはどうしても言いたくなかった。 主任と呼ばれた彼女が何を言わんとしているのかわかったからだ。 「まあ、いいわ。君はコーディネーターらしいわね」 彼女はラスティを見る。 「僕ですか?そうですけど...」 「じゃあ、キラ君と協力してもらいたいんだけど」 「それって断れるんですか?」 試しに聞いてみると 「どう思う?」 と返された。 これは、断れないということのようだ。 「期待はしないで欲しいんですけど。コーディネーターだって、学んでなきゃ何も出来ませんよ」 「それは知ってるわ。私もコーディネーターだもの」 「それはそれは...」 この国で暮らすのも考え物だな、と思いながらひとまず案内に従う。 そこでは、人形のようなたどたどしい動きのMSが訓練をしているようだった。 「何ですか、これ...」 ラスティが呆然と呟く。 「MSよ」 「中身は...」 「ナチュラルの子達。ラスティ君、だったわね。あなたにはキラ君と協力してナチュラルでもMSの操縦が出来るようなプログラムを作ってもらいたいの。出来るかしら?」 「...MAじゃダメなの?」 「この国は中立国であり、この国の戦力は自国の防衛のためにある。ザフトは勿論、地球軍までMSの開発に乗り出してきて今、この国がそれらからの攻撃を防ぐことが出来なければ、軍事力をもつ意味がないわ」 「で、同レベルのMSが要るってこと...ストライクはお宅が造ったんでしょ?それって元々地球軍のために造ったんだから、ナチュラルでも動かせるOSが入ってたんじゃないの?」 「キラ君に聞いたところでは、あのストライクに乗ったときに彼がOSを随分と書き換えてやっと動かせられるレベルのものになったそうよ」 つまり、元々ナチュラルで何とかできるレベルまでの調整ができていなかったと言うことのようだ。 「ラスティ君とさんがオーブに留まるのなら、モルゲンレーテの職員として働くことを要請するわ」 「断ったら、とっととこの国から出てけって?乱暴だなぁ...」 ラスティが零すと彼女は肩を竦めた。 |
桜風
12.3.26
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