| ジャスティスに搭載されているOSを見てから、は元気がない。 遅い食事を摂るのに食堂に来たはいいが、目の前のトレイに乗っている食事は一向に減る様子はない。 「、大丈夫?」 「んー、まあ。ちょっとね」 そう言って溜息をつく。 「ねえ、」 「なに?」 「今の溜息、結構エロイよ。もっかい良いかな?」 「ラスティ、お小遣いあげるからディアッカのところに遊びに行きなさい」 が言う。 そんなの反応にラスティは肩を竦めて「ショックだった?」と問う。 「...やっぱりさ。プラントは核を悪としての『ニュートロンジャマーキャンセラー』だったわけじゃない?それを率先して使うってのは、どうも抵抗があるのよね」 確かに。アスランからジャスティスの動力源が核だと聞いたときは、『よくやるな』とは思った。 これで、プラントは核を使い放題で、それこそアスランの父親が目指しているナチュラルの殲滅が叶うというものだ。 ...たぶん。 ただ、おそらく、同じように地球軍もニュートロンジャマーキャンセラーを無効にし、核が使えるような状況になると思う。 この戦争、途中から何だかおかしい気がしているのだ。 アラスカのサイクロプスにパナマ侵攻。 情報が少なかったオーブに居た頃は感じなかった違和感が、情報が入ってくるに連れて何だか強く感じるようになった。 ただ、今のところその違和感を感じているのは自分だけのようで、話をする相手が居ない。 「ラスティ?」 「ん?大丈夫、愛してるよ」 にこりと微笑んでラスティが言う。 「...何でもない」 何だかちょっと怖い顔をしていたので声をかけたら変な言葉が返ってきた。 ラスティは昔から勘が鋭い。 自分には見えていない何かが見えているのかと思ったのだが... 「が、ザフトに居たらアレの研究作成に関わってたかな?」 『アレ』とは、ジャスティスやフリーダムのことだろう。 「たぶんね。秘密裏にそんな動きがあるって言う情報が耳に入ったことがあるから」 軍部の中でもそういった情報は最機密事項のはずだ。 それが耳に入っていると言うことは関係者とする意向があったのだろう。 「あれを造れって言われてたら、はどうしてたかな?」 ラスティが呟き、は困ったように笑った。 「それこそ、脱走したかも」 「そっか...」 冗談っぽい口調だが、たぶん、本気なのだろう。 どうやら、遅かれ早かれ自分はザフトを去ることになっていたようだ。 アスランは無事に、とは言い難いものの、戻ってきた。ザフトの最新鋭の艦艇、エターナルと共に。ちなみに、艦艇の色はピンクだ。 宇宙では目だって仕方ない色である。 そして、達はその艦のクルーに驚かずにはいられなかった。 「バルトフェルド隊長?!」 「やあ、君達も意外としぶとく生きてるね」 バルトフェルドがクルーとして艦に乗っていた。彼の元部下もオペレーターやパイロットとしてその艦に乗っている。 「や、自分のこと、棚に上げすぎ!何で死んでないんですか?!」 ラスティが結構失礼なことを問うが慌てて彼の足を踏む。 「はっはっは。相変わらず君は年上の者に敬意を払わないね、ラスティ・マッケンジー」 バルトフェルドが気分を害した様子を見せないことには胸を撫で下ろす。 そして、彼が自分を見ていることに気が付いて少したじろいだ。 「・が戻ってきたんだな」 の眸が揺れた。 「ご存知ですの?」 アークエンジェルの艦長が問うとバルトフェルドが頷いた。 「空では、彼女を巡って隊長たちが火花を散らしていたと聞いたからね」 バルトフェルドの言葉に彼女は感心したように頷いた。 しかし、はそれどころではない。 「ラクス・クラインが何で此処に居るの?」 「わかんないよ。アスランの、婚約者だから?」 「それこそ意味わかんないわよ。だって、このエターナルってザフトの最新鋭の戦艦でしょう?平和の歌姫が何で...」 ラスティとがこそこそとお互いの疑問をぶつけ合う。 ひとまず、アークエンジェル、クサナギ、そしてエターナルの代表者が集まり、これから方針を定める事となった。 体勢が整いつつある中、ザフトがメンデルに潜入していると言う情報を得て、フラガ、キラ、ディアッカそしてラスティがそれぞれコロニーの中心部に向かう。 アスランは守備が疎かになってはならないから、とコロニーに潜入したザフトへの対応には向かわなかった。 「何でオッサンはザフトが来てるってわかったのかな?」 「さあ。けど、空間把握能力みたいの?ほら、クルーゼ隊長もあっただろう?そういう才能があるんじゃないの?」 全く覚えていない。隊長のことなんて興味なかった。 「はいはい、興味なかったから覚えてないんだよな」 溜息交じりにディアッカが言い、「よくわかったね」とラスティは肯定した。 暫く進むと敵機が現れる。 デュエルだ。 「ねえ、デュエルってイザーク?」 「俺の知っている情報が変わってないならな」 ディアッカの言葉を受けて『おーい、イザーク?』とスピーカーをオンにしてラスティが声をかける。 『ラスティ?!』 返ってきた声はイザークのものだった。 『ま、飛んだまま話をするのは何だし、降りない?』 そう言ってラスティは高度を落とした。 「まったく...」 溜息を吐いたディアッカも高度を落とし、それを確認したイザークも高度を落とした。 |
桜風
12.4.30
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