Moonshine 6





「ねえ、。医学を勉強してみない?」

時間が空いたのでラフのところで一緒に紅茶を飲んでいるとそう言われた。

「はい?医学?お医者さんってことですよね。む、無理ですよ!!家庭科以外で得意だったのって、歴史と国語で理系科目は全部苦手だったんですから!!」

ぶんぶんと手を振りながら慌てて断るが、

「うーん、でもさ。って結構度胸があるしね...向いてると思うんだけどなぁ」

「度胸?そんなものありませんよ。前までイザークが怖かったですよ?」

「あの子にあんな態度を取られて怖がらない人の方が少ないよ。ほら、前にエンジンの爆発事故があったでしょ?あの時さ、には悪いんだけど、私はは途中で逃げるか気絶するかのどっちかだと思ってのよ。
でも、最後まで一緒にいたでしょ?『頑張ってください』って言いながら。あんな怪我見たことないはずなのに、頑張れたから出来るんじゃないかなって。勿論私が教えてあげるし。医者、外科医に絶対に必要なものは『度胸』よ。それと図太い神経。少なくとも私はそう思ってる。ま、考えておいてよ。返事は急がないから」



「って、先生に言われたんだけどどう思う?」

夕食後、ニコルたちに誘われて部屋に遊びに行くと他の赤のメンバー+ミゲルがいた。

「ん?やってみればぁ?」

何やらいかがわしい雑誌から目を離さずに気の無いコメントを返すディアッカ。

「そんなことくらい自分で決めろ。それより、これはどういうものだ?」

に借りた日本史の資料集の質問に一生懸命なイザーク。

「やってみたらいいんじゃないか?ラフは適当にそういうことは言わないからな。特に、医療に関しては」

「言い切ったな、ミゲル。やっぱあの噂は本当だったんだ?ミゲルとラフが出来てるって」

「へえ〜、ミゲルもやるじゃん?」

ラスティの言葉にディアッカがからかいを入れるが、

「そんなんじゃないって。まあ、のしたようにすればいいと思うな。ラフだってダメ元で言ってるはずだから」

「うん...」



翌日。

が通路を移動していると前方の通路をミゲルが通った。

「ミゲ...あれ?」

声を掛けようとしたが、ミゲルが落とした紙を拾いに戻る。

それを見た途端、は苦笑をして急いでミゲルを追いかけた。

「ミゲル、落し物」

「ん?げッ!!はこれ、見ちゃったよ..な?」

「見ちゃったね。まあ、皆には内緒にしておくよ」

「ちょっと待った」

そう言って戻ろうとしたの腕をミゲルは掴んでそのまま第二医務室に向かった。

ミゲルがブザーを鳴らすとインターフォンから

「クルーゼ隊長の仮面は...?」

とラフ。

「趣味悪い」

ミゲルがそう答えると扉が開いた。

そのミゲルの横では脱力していた。

「な、何なの?」

「ん?合言葉だよ。この用事で訪ねるときにはそういう風にしてるんだ」

の呟きにミゲルが答えてやるが、

「いや、そうじゃなくてさ。先に連絡を入れてから来れば済むことでしょう?」

「なぁに言ってるのよ。これはね...」

「楽しいからやってるの」「楽しいからやってるんだよ」

ラフとミゲルが声を揃えて言った。

「そ、そう...」

あまりの見事なハモリには引き攣った笑顔で何とかそう答えた。

「で?何でも一緒なの?」

「ああ、これ見られたから」

そう言ってミゲルは先ほど落とした紙をラフに渡す。

「あーら、いいの撮れたわね。シャワー浴びた後のディアッカねぇ。でも、これを見られたからには、生かしておくわけにはいかないわね」

そう言って傍においていたメスをキラリと光らせるが、

「ねえ、私もう帰っていい?」

全くノッてくれないに肩を竦めた。

「んー、ちょっとお待ち。一枚見ただけで共犯なんだよ?それなら全部見たほうがいいんじゃない?」

そう言ってミゲルが持ってきた紙、つまり写真を広げた。

「ほーら。高額取引される将来有望な美少年たちの写真よ!!」

「...売り捌いてるの?」

「「当然!!」」

全く悪びれることなく2人が答えたため、は溜息を吐きながら折角なので広げられた写真を手にとって見ていた。

がふと、ある写真を手にする。

ラフとミゲルが覗き込むとそれは

「癇癪玉小僧が、いい表情じゃない?」

優しい目をして何かを見ているイザークが写っていた。

「私、イザークのこんな表情なんて見たことない...」

呆然と呟く

「大丈夫だって。俺だって初めて見たもんな、こんなイザーク。普通のヤツじゃ見れないって」

とミゲルが声を掛けた。



「そうそう、。あのこと考えてくれた?」

突然ラフにそう言われてはピクッと震えた。ずっと考えてきた。でも、どうしても決心がつかなかった。そして、聞いてみたいと思っていた。

「あの、先生は何でお医者さんになったんですか?」

「ん?聞きたい?...ちょっと、長くなるよ」

それでも聞きたいはこくりと頷いた。




将来有望視されている少年たちの写真は絶対に高額取引されていることでしょう。
ミゲルは一般家庭(家はそれなりに大きかったですが)の人なので
それくらいの小遣い稼ぎがあっても言いと思うのですが...?

桜風
04.11.21


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