| 「プラントへ?」 ラフの手伝いをしているときに、演習から戻ったイザークたちが第二医務室にやって来た。 今回は珍しくニコルが少し怪我をしてしまったらしい。 「そうらしいです。結局この前のエンジン爆発事故で整備班が頑張ったけどやっぱり本国に帰って修理しないと心許ないって。それに、新しい艦がプラントにあるからそれで今度は出ると聞きました」 「だが、1週間ほどの休暇もあるんだ」 「そっか」 「どうかしたのか、」 少し沈んだ声のにミゲルが声を掛けると 「うん。その休暇中、私はどうしようかなって思って...」 に言われて皆は気付く。は数週間前にこの世界にやってきて、当然こちらに身寄りがないことを。 「ラフのところは?」 ラスティが聞くが 「ごめん、無理だわ。私戻ったら戻ったで色々あるし。安心してを放っておくこと出来ないから」 という答えが返ってきた。 「僕の家でもいいんですけどね。部屋が余ってますし」 「けどさぁ、周りが煩いだろぉ?」 ディアッカに言われて 「まあ、そうですけど...」 ニコルは肩を竦める。 「いいよ、どっかの安いホテルに泊まって日にち潰すから。一応お給料貰ってるんだし、何とかなるよ。気にしないで皆は家族水入らずで過ごしなよ」 そうは言われても気にしないなんて出来ない。 そう思った皆が顔を向けたのは... 「な、何だ?!」 アスランだった。 「アスラン、キサマには婚約者がいるよな。と同じ年の」 とイザーク。 「彼女の家なら安心なんだが...?」 ミゲルがそう言い、 「勿論頼んでくれるよなぁ?」 ラスティが聞く。 「え?!ちょっと待てよ、そんな突然...」 「ちょっと、こんないたいけな16の女の子に1週間も独りで過ごせって言うの?!アスラン、つめたーい!!」 そうラフに責められ、 「ま、これも人助けだろ?」 「お願いします、アスラン」 ディアッカ、ニコルにそう言われて項垂れたまま 「分かった...」 そう返事をして医務室を出て行った。 「...いいの?アスランの婚約者さんに迷惑掛けることになるんじゃない?」 「あー、大丈夫、大丈夫。彼女は天然でそんじょそこらのことじゃ動じないでしょ」 ラフの言葉に皆は深く頷いた。 それから数分後。 「、彼女はいいそうだ。むしろ友達が増えるって大歓迎だって」 第二医務室に戻ってきたアスランの言葉に皆は安心した。 いいのかなと思いつつはその厚意に甘えることにした。 「ありがとう、アスラン」 「いや。彼女も喜んでくれたみたいだし、いいさ」 アスランは遠い目をしながらそう答えた。 プラントに着く数時間前。 「いい、。無理をしちゃダメよ」 「大きい家だが、気にするな?」 ラフとミゲル。一般家庭組が念を押す。 「大丈夫だって、ちょっと大きいくらいじゃないか」 とディアッカ。続けてイザークが 「作法は最低限のことは俺が教えてやった」 と言うが、2人は心配でしょうがない。 「まあ、さんなら何とかなりますよ」 「なあ、アスラン。明日皆でクライン邸に行ってもいいか?も見慣れた顔がある方が安心するんじゃないか?」 何だか尤もなことを言いながら、ただクライン邸に興味津々のラスティ。 「お?いいねぇ〜。ミゲルもな?」 「え?!俺は遠慮するよ。どう考えても場違、い...分かった、行くよ」 断ろうとしたが、不安そうに自分を見上げているが目に入り、仕方がなく了承した。 「ちょ、ちょっと待てよ。そんなの俺が決めれるわけないだろう?!」 自分そっちのけで話が進んでしまっているこの状況に、アスランは抗議をするが既に皆は聞く耳を持っておらず、お土産に何を持って行くかについて話し合っていた。 ラフは気の毒そうにアスランの肩をぽんと叩き、話し合いをしている少年たちに苦笑を漏らした。 それから暫くして港に着くというアナウンスが流れ、皆は身支度を整えてデッキに向かう。 「じゃあ、先生」 「ん。1週間後にね?本当に頑張りすぎちゃダメよ?」 「はい!」 ラフに挨拶を済ませ、皆に追いつく。 「はぐれるなよ」 そう言ってミゲルがの腕を掴む。 外に出ると人がたくさんいては思わず怯んだ。 「この船に乗ってる奴らの家族たちだよ。ほら、あそこの。アレは俺の母親と弟。どうだ、可愛いだろ?それで、あっちの美人がニコルの母親だな。で、ああ。彼女だよ、ほら、ピンクの髪の。アスランの婚約者のラクス・クラインは。最高評議会議長。シーゲル・クラインの娘だ」 そう言うミゲルの視線を辿っては驚く。 ラクス・クラインといわれた彼女はふわふわとしていて、可愛くて人形のようだった。 一緒に連れているピンクの球体も気になっていたが、本当に彼女に世話になっていいのかと今更ながら怖気づく。 船から降りてアスランたちについてラクスに会った。 「こんにちは、、でしたわよね?わたくしはラクス=クラインです」 「こ、こんにちは。ラクスさん」 緊張していて声が上ずりながらも何とか挨拶を返す。 「まあ、『ラクスさん』だなんて。ラクス、と呼んでください」 少し驚いた顔をしたあと柔らかく微笑んだラクスはそう言った。 「オマエ、ダレダ?」 突然さっきからラクスの周りをぴょんぴょん跳ねているピンクの丸い物体が話し掛けてきた。 「え?。・だけど...」 「、ゲンキカ?!ハロ、ゲンキ!!」 「まあ、ピンクちゃんったら。のことを気に入ったようですわね?」 ピンクの球体をハロと呼び、ラクスは嬉しそうに答えた。 「『ピンクちゃん』っていうの?この子」 「そうですわ。アスランが作ってくださったのよ」 「何なら、にも作ってやろうか?」 「本当?うん!」 「何色がいい?」 「うーん、..青!!アイスブルーがいいな」 「分かった、この休みのうちに作っておくよ」 「もしもーし。そろそろ本題に入って欲しいんだけど、アスラン?」 全く話が進みそうもなかったためにラスティがアスランに声を掛ける。 「ああ、分かったよ。ラクス、明日俺も含めてここに居る6人でラクスの家へ行ってもいいか?」 「まあ、皆様来てくださるのですか?楽しみですわ」 そう言ったラクスは本当に楽しみにしているようでアスランは一縷の望みを絶たれ、ミゲルも深々と溜息を吐いた。 |
というわけで、ラクス登場。
ラクスって本当に大らかな子ですよね。肝が据わっているというか。
そういう天然の子って好きです。周りが大変でしょうが(笑)
桜風
04.12.19
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