| 「、ちょっといいか?」 の体調が回復したある日、ミゲルとラスティに声を掛けられた。 「ん?何??」 「いや。アレから考ええたんだけど、は護身術とか出来ないのか?」 『アレ』とは、が大怪我をしたことなのだろう。 そう見当をつけて 「うん。出来ない。お茶は点てれても自分の身は守れないよ?」 はそう答えた。 以前、ラスティに『軍の所属してるんだからこれ位は出来とかないと』勧められて銃を撃ってみたが、見事に肩が外れて大騒ぎとなった。 その場でアスランが肩を嵌めてやったものの、念のためにラフに診てもらい、少年たちは説教を食らった。 と言うわけで、銃は使えない。 他の体術も勿論からっきしダメだ。いや、『ダメ』と言うより接する機会がなかったのだ。 「よし、じゃあ俺たちが教えてやるよ。明日の朝からな?」 一方的にそういい終わってラスティが去って行き、ミゲルはの頭を撫でた後それに続いて去って行った。 「...決定かぁ」 自分の返事を聞かずに去って行った2人を思いながらはそう呟いた。 翌朝からラスティ&ミゲルによる体術教室が始まった。 『体術教室』と言っても、そもそもには体力がない。軍の訓練を受けたことがないのだからそれは当たり前と言えばそうだが、2人はの体力のなさをどうしたものかと悩んだ。 数日間は基礎中の基礎、殆ど体力づくりといった訓練だったがそれでも、元々素直な性格のため、は教えられることを吸収して護身術を身につけたと一応2人が認めるまでの成果は出た。 それから数日して、ミゲルたちは演習の帰りに廊下でが複数のオペレーターの女性に囲まれている姿を目撃してしまった。 女同士で仲良く談笑している様子ではなく、どう見ても険悪だ。 「ねえ、アンタ調子乗りすぎ。またあんな目に遭いたいの?」 「イザークさんに目をかけてもらえるなんて思ってたら大間違いよ」 「イザークさんだけじゃないわよ。ディアッカさんや、ラスティさん。ニコル君にアスランさんまで。アンタ何様?!」 「...ミゲルも良くしてくれてるんだけど?」 先ほどの発言の中にミゲルの名前が無いことを疑問に思ったがそう言うと 「アンタ、馬鹿?ミゲルなんて何処がいいのよ?全然普通のヤツでしょ?その点、赤の5人は家柄もよく、勿論顔もいい。ミゲルが同列なんて失礼よ!ま、アンタみたいな身の程知らずにはミゲルくらいがお似合いよね」 (その発言の方が非常に失礼だと思うんだけど?) 以前、ミゲルによる少年たちの隠し撮り写真を喜々として購入していた彼女たちを目撃したことがある。 つまり、彼女たちにとっては中々見ることの出来ない赤の少年たちの表情を手にすることが出来るのはミゲルのお陰ということになるのではないだろうか? 「オイ、何で止めるんだ?!」 「このままだと、また怪我をさせるかもしれないだろ?!」 廊下の角からこっそり様子を覗いていたイザークとディアッカが自分たちを止めるミゲルに抗議する。 「あのなぁ...問題になってる本人が出てきて、しかもを庇ったとなるとそれこそ風当たりが強くなるだろう?俺たちが四六時中守ってやるなんて出来ないんだから」 そう言いながらミゲルは、廊下を挟んで向こう側にいるラスティ、ニコル、アスランにも出て行くなと合図をした。 ラスティは面白くなさそうに顔を顰め、ニコルもいつものような笑顔が無い。アスランは心配そうに彼女たちの動向を見守っている。 「分かった?アンタは勘違いをしてたの。赤の人たちがアンタみたいなのを可愛がるなんてアリエナイ。これからは、身の程をわきまえて遠慮しなさいよ」 このグループのリーダー格がそう言って、去って行こうとしたが 「...イヤ」 の返事を聞いてピタリと足を止める。 「今、何か言ったかしら?」 「『イヤ』って言ったんだけど、聞こえなかった?もう一度はっきり言おうか?嫌よ。私はこれからもこのまま。こんなことくらいで、皆と話をしないなんて馬鹿馬鹿しいわ」 相手の目をまっすぐ見据えては答えた。 そんなの姿を見て頭に血が上った彼女は手を振り上げ、を殴ろうと振り下ろす。 しかし、それより早くは相手の懐に飛び込み拳を寸止めした。ミゲルたちに習った武術が役に立ったのだ。 「危ない危ない。こういうケンカの場合、先に手を出したほうが悪者だもんね。昔お兄ちゃんが言ってたわ」 そう言って特訓をしてくれたミゲルたちに秘かに感謝をしつつ静かに拳を下ろした。 簡単に懐に潜り込まれ、しかも拳を寸止めされて余裕を見せられた彼女は益々頭に血が上り先ほど以上の剣幕での襲いかかろうとした。 そのとき、 「あれ〜?じゃん」 流石にマズイだろうと判断して出てきたミゲルの声に彼女の拳は止まり、さっと何事も無かったかのように繕う。 「ああ、ミゲル。演習は終わったんだ?」 「まあな。こんな所で何やってるんだよ。オペレーターと仲良かったのか?」 「全然!ま、ちょっと話し合いかな?皆は?」 「もう少ししたら来るんじゃないか?ま、俺が一番早かっただけだな。先に戻っとこうぜ」 「そだね。...また何か話があったら、今度はそんなにゾロゾロ引き連れて来ないでサシで話をしたいわね。それじゃ」 そうリーダー格の彼女に声を掛けてはミゲルの横に並んで去っていった。一度だけ、ミゲルは振り返り彼女たちに冷ややかな視線を投げた。 「ケンカを売るなよな〜」 帰りながらミゲルはそうぼやいた。 「イザークたちも大変なんだね。家柄と外見。それ以外は見てもらえてないみたい」 ミゲルの隣でも呟く。 「ま、アイツらはそういうのがイヤで頑張ってるのかもな。家柄だけで『赤』だと思われたくないだろうし。実際、どんなに実力があっても家柄のお陰でアイツらが赤だって言ってる奴らもいるしな」 「失礼な話だね」 「まったくだ」 「...ミゲルもカッコいいのにね」 「まったくだ!!」 彼女たちの会話を反芻してたが呟いた言葉を、ミゲルは目いっぱい強く肯定した。 その反応をは不思議に思ってミゲルを見上げたが、ミゲルはいつもの笑顔を浮かべての頭を撫でて誤魔化した。 |
女のケンカ(嫉妬)に嫉妬の対象となってる人が出てきたら、
そりゃどえらい泥沼でしょうね...
ミゲル、私はカッコイイと思っております。
桜風
05.5.15
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