Moonshine 21




翌朝早く、は学校の敷地を出ようと思っていたのだが、昨日必死に逃げたことや心労も重なり見事に爆睡してしまった。

目を明けると日も高く昇り、生徒が敷地内を歩いている。

の黒髪は長いし、珍しいのできっと目立つ。もし、外でブルーコスモスの彼らがを探していたらきっとすぐに見つかるだろう。

そう思い、学校から出て行くことを躊躇していた。

取りあえず、敷地内で変装できそうなものはないかと考え、歩く。


校舎内の入ると迷路のようで段々迷ってきた。

このまま廊下をウロウロしてても何の進展もないし、ここはひとつ、どこかの部屋に入ろうと決心したは一番近くのドアを開けた。

「こんにちは」

「あ、こんにちは。ご用件は?今、生憎カトウ教授は席を外されてて留守なんですけど...」

と年恰好が変わらない少年がそう答えた。

「そ、そうですか...」

は『カトウ教授』が何者かは勿論は知らない。どうしたものかと悩んでいるとテーブルの上に置いてある鋏が目に入る。

「えーと。その鋏、お借りできますか?」

「いいですよ」

そう言ってオレンジ色の服を着た少女が貸してくれた。

「ありがとう」

そう言っては部屋を出てトイレまで行き、鏡の前で、兄が、皆が綺麗だと褒めてくれた自分の長い黒髪をばっさりと切った。

(髪は、また伸びる。でも、それ以前に私が生きないと)

自分で出来るだけ髪を切り揃えて、再び先ほどの部屋へ向かう。

ドアを開けると

「え?!どうしたの??」

先ほど鋏を貸してくれた少女が驚きの声を上げた。

「ありがとうございました」

「ちょっと、待って。本当に、どうしちゃったの?とにかく、座って。もう少し、髪切り揃えてあげるから」

そう言っての腕を引き、室内で髪を切り揃えてくれる。

「わたしは、ミリアリア・ハウ。ミリィって呼ばれるわ。あなたは?」

です。すみません、お手数をお掛けして」

「いいわよ。でも突然ビックリしちゃったわ。あんなに綺麗な黒髪だったのに。さっきもトールが言ってたのよ。あんな綺麗でまっすぐな黒髪、初めて見たって」

「よろしく、トール・ケーニヒて言うんだ」

に向かって愛想よく自己紹介をした。

「何か、あったの?失恋とか...」

恐る恐る別の男の子が声を掛けてきた。

「カズイ!ごめんね、気にしないでくれよ。俺は、サイ・アーガイル。そいつは、カズイ・バスカーク。で、そっちが、キラ。キラ・ヤマト」

「いえ。こちらこそ、突然お邪魔してお騒がせしちゃってごめんなさい」

ミリィに髪を揃えてもらった後もはその部屋に留まった。

同世代の人と話をしてるとザフトにいたときの楽しかったことを思い出す。

あの船に帰りたい思ってしまう。しかし、それはきっと叶わないだろう。

皆はきっと心配してる。せめて、何とか自分の無事を知らせたいと思っていた。


その後、帽子を深く被った少女が部屋に入って来た。彼女はカトウ教授に用事があるらしい。

そして、そのすぐあと地震が起こった。

いや、資源衛星だから、地震が起こるはずもない。よく分からないまま皆と部屋の外に出た。

「どうしたんです?」

サイが逃げていく人に聞くと

「ザフトが攻撃してきたんだ」

そう答えた。

それを聞いては息ができなくなる。

ザフト。きっとこの近くに居たクルーゼ隊だ。そう直感した。

何故、彼らが中立国の資源衛星に攻撃を仕掛けるのか分からない。ザフトの敵は地球軍のはずではないのだろうか?

混乱して動けないでいるをサイが腕を引いて走り出す。

「行こう」

声を掛けられて我に返る。ふと、キラが反対方向に走って行くのを目にしたと思ったが、はサイに腕を引かれて、シェルターに向かって走り出した。




本編に入りましたが...
スペシャルエディションと本放送と私の記憶がごちゃ混ぜです。
あらかじめご了承ください。


桜風
05.7.3



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