Moonshine 30





アークエンジェルは無事に第8艦隊と合流できた。

それに皆は安堵する。

そんな様子をは複雑な心境で見ていた。

これから、自分はどうなるのだろう?

ミリィたちとは違う。

直接戦いに関係していないこの仕事から外されてしまうのではないだろうか。

元々、民間人がこの船に居るために人数が多くて手が回らないだろうと自分はこの仕事を選らんだ。

たぶん、この第8艦隊との合流によって民間人はこの艦から降りていくだろう。

そうしたら、もう自分の居場所は此処にはないのではないか。

もし、地球に降りたとして、何処に行けばいいのか...

自分のこの世界での知り合いといえばコーディネーターしかいない。

それなら、ザフトの基地へ行けばいいのか?

いや。それをすれば間違いなくあっけなく殺されてしまうだろう。は彼らと敵対するナチュラルだから。


艦長に呼ばれてドックへ向かった。

どうやら提督がこの艦を手伝った自分たちに会いたいとか言っているらしい。

ドックで待っているとシャトルが到着し、何だか気さくな人が降りてきた。

マリューも嬉しそうに話をする。

聞くところによると、このアークエンジェルやGシリーズにこの提督は力を入れていたらしい。


「除隊許可証?!」

が部屋に向かっているとそんな声が聞こえた。

どうやら、自分たちは軍人となっていたらしい。

部屋の入り口から覗いてみると、ナタルとホフマン副官がいた。

「キラ・ヤマト並びには?」

「はい」

名前を呼ばれては返事をした。

ナタルは一枚の紙をに渡す。

これが、さっき誰かが言っていた『除隊許可証』と言うものらしい。

非常事態でも民間人が戦闘行為を行えば犯罪になるらしい。

だから、これはそれを回避するための措置となるという。

「あの、これ貰わなかったらまだここに居られるんですか?」

そうが聞いた。

その言葉に皆が驚く。

「何を言ってるんだ?君は、もう軍に居なくてもいいと言われているんだぞ?!」

ナタルがそう言う。

ここで働きたいと言ったときも彼女はそう言って驚き、意思を確認してきたな、とは思い出した。

「でも、私は地球に降りても身寄りが有りませんから。出来れば、ここで働きたいと思っているのですが...やぱりご飯作っているだけだと邪魔なんですかね?」

「い、いや。そんなことは無いが...本当に、いいんだな?」

「はい」

そう言っては除隊許可証をナタルに返した。

その後。

気を取り直してホフマン副官が説明を始めたが、その途中、フレイが発言をするべく手を挙げる。

「私、軍に志願したいんですけど」

そう言う。

皆は驚く。

そして、部屋を後にしたは聞こえてきた言葉に眉を顰めた。

ナタルもそれをまともに受け止めてはいない。

しかし、フレイの訴えを聞いて納得し、入隊を許可することとなった。


その後、またしても戦闘となる。

キラを探していたトールたちは無事、彼に除隊許可証を渡し、戦闘に戻っていく。

その姿を見て、キラも軍に残ることを決めた。


は、戦闘員ではないため、モニタから外の様子を見ていた。

そして、その戦闘を眼に焼き付けていた。

ガモフが前に出て来て、突っ込んでくる。

「ゼルマン艦長...」

昔、お世話になった艦長の顔を思い出す。

小さな娘さんが居たはずだ。

中々家に居ることがないから娘に父親だと認識されていないことを愚痴られたことがあった。

今度の休暇に何をお土産にして帰ればいいか相談されたこともあった。

とても責任感が強く、優しい人だった。

今回のこのことも彼の責任感の強さからのものだろう。

は、敬礼をしていた。

それは地球軍のものではなく、ザフトの。

「お世話に、なりました」

のその頬に一筋の涙が流れた。





ヒロインとしては、こちらに来て初めての生活空間がガモフでした。
言わば、彼女にとってガモフは家です。
艦長とも仲良かったようです...


桜風
05.11.20


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