| ストライクを追って地球に降りてしまったイザークとディアッカは、ジブラルタル基地からクルーゼ隊長に砂漠の虎と呼ばれるアンドリュー・バルトフェルドの元へ行くようにと指示された。 「もう空には戻ってくるなってコトぉ?!」 通信を切ってそうぼやくも、ディアッカたちは渋々その指示に従う。 「やあ、俺はアンドリュー・バルトフェルドだ。ま、君たちも頑張ってくれよ」 適当に挨拶をされてイザークたちは眉を顰める。 「期待してないってコトらしいな」 「寧ろ邪魔するな、ってことじゃない?」 バルトフェルドの態度に2人は嫌な気がしたが、それでも従わないといけないのが軍人である。 「ま、好きにさせてもらうさ」 そう言って宛がわれた部屋に向かった。 夜、外を歩いていてイザークは不機嫌になる。 空気がザラザラしているし、砂が舞って髪に絡まるし。更に昼間とは打って変わって冷え込んでいる。 快適とはいえない。 しかし、此処が、この大地をはもう一度踏みしめたかったのかもしれない。 ふと空を見上げた。 昼間はギラギラと太陽がイヤになるくらい照っていたのに、今は月が出て静かな夜を迎えている。 『じゃあ、いつか地球に行くことがあったら月を見てみてよ。たぶん、同じだから。優しく見えるよ、きっと』 いつかの言っていた言葉を思い出す。 自分の髪をこの月の光に喩えてくれた。 「これが、俺、ね...」 そう呟いた。 でも、この優しい光は自分に似つかわしくないと思った。 たくさん人を殺してきている。 強い憎しみも抱いている。 それ以上にきっと自分にも憎しみが向けられている。 これからも、人をたくさん殺すだろうし、多くの憎しみを受けるだろう。 「これはお前じゃないのか?ああ、いや、違うな」 月の光はだと思った。 でも、やっぱり違うと思う。 は陽だまりだ。 そこは暖かく、皆の心が和む。彼女はそんな存在だった。 「イザーク。こんなところにいたのか?」 「何だ?」 「天体観測?んなワケないか。いや、俺も寝付けなくて仕方が無いから散歩してたんだよ」 「そうか。俺はもう寝るぞ」 そう言ってイザークは屋内へと向かった。 一度空を見上げる。 「...やっぱ似てないだろ?」 以前盗み聞きした会話を思い出す。 「てか、お前の育った星ってサイアクな?」 砂に足をとられてこけそうになりながらそう呟いた。 きっとがここにいたら 『私が育ったのは日本!砂漠じゃないよ!!』 と抗議するんじゃないだろうか? そんな彼女の姿を思い浮かべてディアッカは苦笑をもらした。 |
ヒロインのことを思い出すイザーク。
彼女との会話を懐かしんでおります。
桜風
05.12.4
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