Moonshine 41





アークエンジェルはオーブに残り、オーブと同じ道を歩むことを決めた。

そのため、この船を降りたい者は降りても良いと言われた。

しかし、はもう決めていた。

「あれ?。もう、決めたの?」

これからの戦闘のために、片手間で食べることが出来るおにぎりを握っているとキラに声を掛けられた。

「うん。私は残るよ」

「そっか...そういえば、ディアッカって釈放されるみたいだね」

「だねー。置いてても邪魔なだけだしね。て、やばっ!!キラ、此処に来た人に適当に食べてくださいって言ってくれる?」

「いいよ。...いってらっしゃい」

どうやら自分が何をしに行くのかすっかりばれてるみたいだ。

と言っても、ラップに包んだおにぎりを持っていれば分かるか...


「はぁ?ナチュラルってホント馬鹿ぁ?!」

「悪かったわね!」

ディアッカとミリィの会話が聞こえた。

まだ間に合うみたいだ。

「自分も十分バカでしょ、エロスマン!」

「『エルスマン』だ!...。お前もしかして残るのか?」

「残るよ。で、ディアッカには血を分けてもらったお礼としてお弁当ってか、おにぎり持ってきた。ホント、助かったよ。ありがとう」

そう言ってディアッカに先ほど握ったばかりのおにぎりを渡す。

「いや、そうじゃなくて。危ないだろ、この船」

「残るって決めた人の前で言う言葉ぁ?ホント、アンタは何でそんなデリカシーがないのよ!」

「空に帰ったらお坊ちゃまなんだけどね、ディアッカって。社交界デビューもしてるんだよ」

「嘘ッ?!全っ然見えない〜!!」

自分を蚊帳の外にしておきながら自分の話して盛り上がられてしまい、ディアッカは所在がなくなる。

「ま、ディアッカ。皆には..っていってもアスランとイザーク、先生くらいかな?私がここにいることは内緒ね?ヨロシク!」

そう言っては食堂に向かって帰っていった。

その後、ディアッカも船を降りる。


ディアッカは大人しくオーブの避難場所へは向かわなかった。

モルゲンレーテのすぐ傍でアークエンジェルの、オーブの戦いを見る。

「ええいッ!!」

居ても立ってもいられなくなりモルゲンレーテのドックを目指す。

戦闘の中を駆け抜け、自分の愛機を見つけ出し乗り込む。

「ああ、俺ってホント損する性分だよな〜」

起動しながらそう呟くも、仲間たちの顔が思い浮かび、苦笑する。

「ま、俺しか出来ないならやってやるよ」

そう言って港に向かった。


苦戦をしているアークエンジェルに向かって戦闘機がミサイルを発射しようとするが、それを長距離砲で墜とす。

「とっととそこから下がれよ、アークエンジェル!!」

「アイツ、何で...」モニタでバスターの姿を目にしたミリィが呟いた。

その後所属不明の機体もキラの援護に加わり、地球軍が撤退していった。

アークエンジェルが着岸し、キラと、

「アスラン...?」

そしてアスランが姿を現す。

船から降りて皆はその様子を見守る。

「トリー!」

トリィが飛んできてキラの肩にとまる。

「やあ、アスラン」

キラの笑顔にアスランは驚くが、

「お前らーーーー!!」

カガリが駆け寄り二人の肩を抱く。

嬉しそうに涙を流すカガリを見て、キラは微笑み、アスランは苦笑をする。

そんな様子を見たは、1人船に戻った。

ご飯をたくさん作らないと。



翌日、再び戦闘が開始された。

いつでも皆が食事を摂れるように、おにぎりやサンドイッチなど手軽に短時間で食せるものを作っていた。

カグヤに退避命令が出たとかで、アークエンジェルはカグヤに向かう。

カグヤは、オーブのマスドライバー施設のことだ。


「そりゃ、このままカーペンタリアに戻ってもいいんだろうケドさ」

アスハ代表の言葉を聞いたあと、モビルスーツの前でディアッカたちが話をしていた。

「どうせ敵対しているのは地球軍なんだし」

「ザフトの、アスラン・ザラか...彼女には分かってたんだな」

プラントでのラクスとの会話を思い出してアスランが呟く。

「アスラン...」

「国、軍の命令に従って敵を撃つ。それでいいんだと思っていた。仕方ないとも。それでこんな戦争が1日でも早く終わるのなら、と。でも、俺たちは本当は、何とどう戦わなくちゃいけなかったんだ?」

「一緒に行こう、アスラン。一緒に探せばいいよ、皆でさ」

「まあねー。答えが初めから分かってる人なんて居ないよねぇ」

「うわっ!」

?!なんで、あれ?!」

キラたちの話をすぐ傍で聞いていたに皆が驚く。

一番驚いたのはアスランだ。

「ま、良いから先にこれでも食べて」

そう言っておにぎりをたくさんのせたトレイを皆に突き出す。

「あ、お茶はこれね?」

トレイをディアッカに押し付けて肩から掛けたポットを軽く振る。

「ああ、ありがとう。じゃなくて!何では生きているんだ?!」

「アスランひどーい!私が生きてると良くないんだって。どう思う、ディアッカ?」

「酷いなー。普通は喜ぶべきところなのにな?」

「い、いや。そうじゃなくて。だって、を連れて行ったのってブルーコスモスだったじゃないか。それで生きてるなんて...」

「ああ、それは...運と、友達に恵まれた証拠かな?」

そう言っては寂しそうに笑った。

「友、だち?」

「そ。実はね、ミゲルとラスティに極秘で特訓受けてたんだ。取り敢えず、自分の身くらい守れるようになってろって。それが大いに役に立ったのよ」

「ふぇ、ふぉうふぁふぉか」

「口に物を入れたまま話さないで。お行儀悪いよ、ディアッカ。その上、何を言ってるのか分からない...まあ、詳しい話は空に上がってからにしようよ。今は時間がないし。マリューさんたちにも話しておかないと」

そう言っては船に帰っていった。




ディアッカの『ふぇ、ふぉうふぁふぉか』の訳。『へえ、そうなのか』です。
口の中にものを入れてしゃべらない!!
まったくエロスマン家のお坊ちゃんは!!


桜風
06.5.7



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