Moonshine 46





イザークが加わったあと、補給や修理のためにひとまずアークエンジェルたちはその姿を潜めた。


キラとアスランはエターナルに、ディアッカとイザークはアークエンジェルにそれぞれ待機している状況だ。

その中で、大抵数時間はアスランとキラ、ラクスとカガリはアークエンジェルにやってくる。

用件は、その日の作業進行状況の報告と、息抜きに。


いつも食堂でザフト時代の昔話等で盛り上がる。

その日も食堂で話をしていた。

今日はあの、強気でいつも自信満々だった自称『ザフトの名医』ラファエル・ティンバーの話になった。

「つか、どっから出てくるのかねーあの自信」

「腕は立ったが、性格に少々問題がある気がするな」

ディアッカとイザークがそんなことを言う。

「イザークだっていつも自信満々だったじゃない。先生は、私の恩人です」

の反論にディアッカは笑い、アスランは懐かしそうに目を細める。


「私は、アスランのあの表情は..ちょっとイヤだな」

そろそろ戻らないといけない時間となり、解散した。

少し用事があって残っていたカガリがポツリと呟いた。

「ん?」

「いや、何でもない。気にしないでくれ」

バツが悪そうにカガリが慌ててそう言う。

はちらりとカガリを見て少し上を向いて独り言のように話を始めた。

「...思い出ってのはさ、綺麗だよね。思い出に勝つってのは中々出来ないことだと思うよ。でもさ、思い出になったらそれ以上思い出は作れないよね。一緒にいるならその思い出以上の感動とか嬉しいこととか、そういうの感じれるよね。思い出には勝てない、でも、思い出も生きてる人との関係には勝てないと思うな」

「ありがとう...」

静かに礼を言ってカガリはクサナギに帰っていった。



翌日、突然通信が入った。

信号で言ったら、ザフトのものだが、どうも様子が違う。

アークエンジェルの前をふよふよ浮いてるポットかららしい。

「通信を開いて」

マリューの指示により回線を開いた。

「こんにちは。そちらにが乗ってるわよね。話がしたいんだけどいいかしら?」

白衣の下にザフトの制服を身に纏った女性がそう言った。

「彼女に、何の用なのかしら?」

「弟子の顔が見たいの。イザークとは話させて、私はダメってことはないわよね、艦長サン?」

自信満々にそう言われ、マリューは渋々を呼び出すように指示を出した。

「ちょっと待って」

ハタと気が付き、通信モニタの向こうに居る白衣の女性に声をかけた。

何故、彼女はイザークとが話をしたのを知っているのか。

疑問を口にする間もなく、がブリッジにやってきてしまった。

ブリッジに入ってモニタを見た途端

「先生!」

とても嬉しそうに彼女に声を掛ける。

一緒に来ていたイザークとディアッカはお互い顔をあわせてモニタを凝視する。

さん、知り合いなの?」

「はい!私の恩人です。先生、お久しぶりです。生きていらしたんですね...」

「それはこっちのセリフよ。よく、生きててくれたわね。でも、私が生きてるって知らなかったの?」

「はい。ガモフもヴェサリウスも堕ちましたから...」

は曇った表情でそういう。

「ふうん、そう。そこの後ろのジャリタレたちは私の安否をにひとっ言も伝えてくれてなかったのね。へぇ〜...」

ディアッカとイザークはマズイと思い、何とか言い繕おうと思ったが、言葉が出ない。

「まあ、いいわ。艦長さん。私も貴艦とともに戦いたいわ。許可いただけないかしら?」

突然そう言われても困る。

イザークのときは彼の実力、MSの性能等こちらで把握していたものが多かったので許可を出し易かった。

しかし、この目の前にいる自信に満ちた女性はどう扱っていいか分からない。

「割り込みを失礼。ラミアス艦長」

突然エターナルのバルトフェルドから通信が入った。

「何かしら、今取り込み中なの」

「ああ、そのことで割り込ませてもらったんだ。Dr.ティンバー。久しぶりだな。君のお陰でこの通り、また前線に出てるよ」

「そりゃ、ザフトの名医ラファエル・ティンバーが手術しましたから。それに、彼女のお陰でしょ?」

「ああ。...ラミアス艦長。彼女は自分でも言っているが腕は確かだ。力になってくれると言うならそれを拒むことはないと思うんだがね?」

バルトフェルドにそうアドバイスを貰っても決めかねているマリューに、

「分かった、ラミアス艦長。取り敢えず、彼女はエターナルに迎えよう。少し話をして、それからまた配置を考えれば良いさ。Dr.ティンバー、それでいいな?」

「ま、しょうがないわね。私はイザークと違って素性が不明なんだし。...は、いつでもエターナルに来れるのよね?」

「はい!」

マリューが返事をする前にが元気良く返事をした。

それを聞いて満足そうにラフは頷く。

「じゃあ、待ってるからいつでもいらっしゃい」

そう言ってエターナルに向けてポットは移動していった。




久しぶりの更新です。
懐かしい...
書くのも久しぶりなので、どんな流れにしたらいいのか少々悩みました。
そして、もうちょっと続けるならまた彼女に出てもらおうと、ラフ投入。
ザフトメンバー、ラフの登場のお陰でやり難いったらありゃしない(笑)
頑張れ、若き(元)ザフトの精鋭たちよ!


桜風
06.11.5


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