My dear 6





が自室に篭って勉強をしていると部屋のドアがノックされ、「奥様」と声を掛けられる。

『奥様』といわれるとどうもむず痒い。少し体を捻ってそれに耐え、

「はい」

と返事をするとそろりとドアが開けられて、

「通信が入っております」

とモバイルを持ってこられた。

受けとるとそこには凄く懐かしい人物が居た。

「カガリ!」

『久しぶりだな。体の方は大丈夫か?』

「え、うん。大丈夫!元気だよ。カガリはどうしたの?」

『今プラントに居るんだ。公務なんだけど。でも、ちょっと時間が取れそうだからに会いたいと思って。家に行きたいんだけど、いいか?アスランも一緒だ』

「ホント!?うん、来て来て!あ、でも。忙しいのに無理をするようだったらまた別の機会にしてね。カガリだって凄く忙しいんだから」

の言葉にカガリは小さく笑う。相変わらずだ。

『大丈夫。ちゃんと考えてるし、無理はしない。じゃあ、少ししか時間が取れないけど、夕方、行くから』

「うん、わかった。待ってる。あ、夕飯は?」

『わたしもと食事をしたいけど、晩餐会があるんだ。そちらに出席しないといけないんだ』

「そっか...」

やはり国を代表していると忙しいようだ。

「あ、じゃあ。またあとでね」

『ああ、あとで』

通信が終わったモバイルを控えていたメイドに「ありがとうございました」と渡す。

そして、再び机に向かう。

さっきから参考書とにらめっこをしていたのだが、どうしても分からない。

「アスランに聞いてみよう」

は深く頷き、別の問題に取り掛かる。


再び部屋のドアがノックされた。

「はい」

と返事をするとドアが開いてそこには懐かしい顔が2つ並んでいた。

「カガリ!アスラン!!」

「久しぶりだな!」

はカガリと熱い抱擁を交わす。

カガリの肩越しにアスランと目が合いにこりと微笑む。

カガリがバッと体を離した。

「すまない、おなかは大丈夫か?」

「へ?」

もすっかり忘れていた。

「あ、うん。大丈夫」

改めてカガリはを見る。

少し、おなかが目立ってきている。まじまじと見てたら「カガリ、」とアスランに窘められる。

「あ、ああ。すまない」

「珍しいもんね。私、この間お散歩してたら色んな人に話かけられたんだよ」

笑いながらが言う。

「え、一人で?」

「ううん。お散歩はイザークと一緒に」

だろうな、と思う。アレで意外と心配性だ。

特にのこととなると結構見境がない。


ふと、アスランがの座っていた机を見る。

「勉強してたのか?」

「うん。私、よくよく考えたら高校に入ってすぐにこっちに来ちゃったからろくに勉強してないの。勉強しとかないといけないなーって思って。でも、やっぱり難しいよ」

苦笑いを浮かべてが照れくさそうに言う。

ためしに、アスランがその問題集をパラパラと捲る。

一応、基礎ばかりのものだが、それでも結構空欄がある。

「あ、アスラン。此処なんだけど」

先ほど躓いた問題の箇所を指差して質問を始めた。

カガリはそれを何となく眺める。

コンコンとノックの音が聞こえてカガリが振り返るとイザークが立っていた。

仕事が終わって直帰したのだろう。

イザークは呆れたようにとアスランを見た。

カガリには小さく会釈をする。

。カガリ嬢もアスランもそんなに時間がないんだ。勉強はひとまず置いてゆっくり話をしたらどうだ?」

「あ、あ!そっか。ごめん!!」

は慌てて立ち上がる。


アスランとカガリを連れて部屋を出てリビングへと向かった。

遅れて服を着替えたイザークもやってくる。

オーブの事。地球の情勢。そして、かつての仲間たちの話。

尽きる事のない話題。

は笑い、驚き、そしてまた笑う。

そうして時間が過ぎ、「カガリ、そろそろ」というアスランの声がその楽しい時間の終了を告げた。

「あ、そうか。もうそんな時間か...」

名残惜しそうにカガリがソファから立ち上がる。


「じゃあ、な」

玄関先まで見送りに来たにカガリは言う。

「うん、また遊びに来て」

「ああ。無理はするなよ」

「させてもらえないって」

笑いながら言うにイザークが「当然だ」と呟く。

そんな2人の様子に苦笑いを零してアスランがカガリを促し、2人は公務に戻っていった。










桜風
07.7.18


ブラウザックでお戻りください